「職場ではコミュニケーションが大切」と頭では理解していながらも、「部下と話しても会話が弾まない」「コミュニケーションが苦手…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
また、定期的なミーティングも内容の薄い会話となっており、「何も成果が得られない」と諦めがちな方もいるでしょう。
この記事では、会話が噛み合わない原因や会話を弾ませる3つのポイントを紹介します。また、部下との会話を機能させる3つのポイントについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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なぜ、部下との会話は噛み合わない?
まずは、部下との会話が噛み合わない原因について紹介していきます。
会話が噛み合わない原因を「年齢差」「性格の不一致」と考える方も多いですが、上手くコミュニケーションスキルが取れていないことも原因の1つとして考えられます。
- 部下のことに関心を持たず、一方的に会話を進めてしまう
- アドバイスのつもりが自分の意見を押し付けている
- 「はい・いいえ」だけで答えられる質問が多い
部下と会話をしているとき、上記のことに心当たりはないでしょうか?もし、あなたが部下の立場だとしたら、会話が弾むとは思えないですよね。
部下と会話を噛み合わせるためには、自分本位で話すのではなく、部下の思考・心情に関心を持つことが重要です。
そんな「上司と部下の会話」に関する面白い調査報告があったので、次の章で紹介しますね!
日本の上司は会話が下手?日本における上司と部下の関係性
2015年、株式会社コーチ・エィが世界15ヶ国を対象に行った「何が良好な上司と部下の関係をつくるのか」という調査では、以下のような結果が報告されています。
- 会話の頻度:4位(会話の頻度が15ヶ国中4番目に多い)
- 上司が話している時間の方が長い:4位(15ヶ国中4番目に上司の話が長い)
- 上司と部下の関係における良好度:最下位
要するに、「会話の頻度は多いが、上司が話している時間が長くて部下と良好な関係を築けていない」というのが日本社会の特徴です。
ちなみに、上司と部下の話す割合が「ほぼ同じ」と回答した人は、15ヶ国中14位という結果が出ています。
上記の結果を踏まえると、日本には「話を聞かない」「部下に興味を持っていない」「会話の質が低い」という上司が多いと推測することができます。
部下との会話を弾ませる3つのポイント
会話が噛み合わない原因を理解したところで、ここからは部下との会話を弾ませるための3つポイントを紹介していきます。
闇雲に話し掛けても会話が続かなかったり、雰囲気が気まずくなったりするので、以下のポイントを意識しながら会話をするよう心掛けてみましょう!
- 意識を自分に向けない
- 興味・関心を持つ
- オープンクエスチョンを使う
次の章からは、上記の3つのポイントについて詳しく解説していきますね!
部下との会話を弾ませるポイント①相手に意識を向ける
1つ目のポイントは、相手に意識を向けて会話をすることです。会話中の意識が自分に向いていると、自分本位の内容となってしまうので、部下の方は退屈に感じてしまいます。
- 「次はどんな話題を出そうかな」
- 「自分はそう思わないからな」
- 「思ったよりも受けが良かった」
- 「なぜ、そう考えるのだろう」
- 「もっと話を聞かせてほしい」
- 「今は何を考えているのかな」
上記のように、意識を向ける方向によって会話の内容も大きく変わります。上司という立場上、いろいろと部下に伝えたくなりますが、上司ばかり話していては会話が弾むことはありません。
部下には、「上司に話を聞いてほしい」という気持ちがあるので、会話中は傾聴することも心掛けましょう。傾聴すると部下の方も話しやすくなり、部下の思考・心情により近づくことができます。
部下との会話を弾ませるポイント②興味・関心を持つ
2つ目のポイントは、部下に興味・関心を持ちながら会話をすることです。部下に対して興味・関心がない場合、以下の2つの問題が生まれてしまいます。
- 話を聞こうとしない→傾聴しない
- 相手のことを知ろうとしない→質問をしない
このような状態では、会話が一方的になってしまい、部下の方も話をしようという気にはなれないですよね。
会話とは意志の疎通を図るものなので、まずは部下の方が「話をしたい!」と思えるように、部下への興味・関心を示してあげましょう!
部下との話を噛み合わせるためには、まずは部下について理解することが大切です。尚、以下のポイントを意識すれば、部下に対して興味・関心を示すことができますよ!
- 共感をする
- 相槌を打つ
- オウム返しをする
- 相手に体を向ける
- 目を合わせる
部下との会話を弾ませるポイント③オープンクエスチョンを使う
3つ目は、オープンクエスチョンを意識して会話をすることです。オープンクエスチョンとは、「はい・いいえ」で回答できる質問ではなく、自由な回答をしてもらう質問を指します。
オープンクエスチョンを意識すれば、部下の思考・心境・状態を確かめたり、話題を広げたりすることが可能です。
例えば、仕事の話をするにしても「〇〇の案件は終わった?」より「〇〇の案件はどこまで進んだ?」と聞く方が、進行状況を詳しく聞くことができますよね。
質問の仕方を工夫するだけでも会話の質が高まるので、部下との会話が続かないときはオープンクエスチョンを意識してみましょう!
部下との会話を機能させる3つの「承認」
ここまで部下との会話を弾ませる3つのポイントを紹介しましたが、より会話の質を高めるためには、部下から「信頼」を得ることが重要です。
人間は「誰かから認められたい」という「承認欲求」があり、自分を認めてくれる人に対して「信頼」を抱くようになります。部下から信頼を得るためには、3つの「承認」を意識するのがポイントです。
- 成果承認
- 行動承認
- 存在承認
そもそも本音を話してくれる部下は少なく、株式会社コーチ・エィのアンケートによれば、部下が素直に意見を言わない理由として「伝えても何も変わらないから」という回答が断トツでした。
また、信頼のない上司の意見は、部下の心に響くことはありません。コミュニケーションスキルも大切ですが、まずは部下から信頼を得られるように努めましょう!
次の章からは、上記の3つの承認について詳しく解説していきます。
部下から信頼を得るためのポイント①成果承認
1つ目の成果承認とは、名前からも分かるように仕事での成果・結果を承認することです。
- 「成績が先月よりも10%伸びているね」
- 「商談成立おめでとう」
自分自身も部下であったとき、上司に認められて「嬉しかった」という経験をしたことはありませんか?仕事の成果・結果を評価してくれると、仕事へのモチベーションも高まり、自然と信頼感が生まれますよね。
部下からの信頼が高まると、自然と会話をする機会も増えていき、会話も弾みやすくなります。どんなに小さなことでも部下が結果を出したときは、積極的に承認するようにしましょう!
部下から信頼を得るためのポイント②行動承認
2つ目の行動承認(成長承認)とは、結果を出すまでの行動・努力といったプロセスを承認することです。
- 「仕事が早くなったね」
- 「企画書の作り方が上手になったね」
- 「いつもデータをまとめてくれてありがとう」
前述した「成果承認」は結果が出たときにしか行えませんが、「行動承認」は結果までのプロセス・変化を承認するものなので、行動承認の方がハードルが低くなります。
行動承認をすることで、「いつも自分の仕事ぶりを見てくれている」と部下からの信頼が厚くなるでしょう。信頼が高まれば、お互いに本音を話し会えるので、より良い関係性を築くことができます。
部下から信頼を得るためのポイント③存在承認
3つ目の存在承認とは、その人の存在自体を承認することであり、承認欲求を満たす上でとても大切な承認です。
- 挨拶
- 名前を呼ぶ
- 意見を聞く
- 目を見て話す
- 感謝を伝える
承認欲求というのは、褒めてあげることだけではありません。「おはよう」「ありがとう」と言葉を交わしたり、一緒にランチへ行くことも存在承認となります。
会話をするのも存在承認の1つですが、より会話の質をあげるのであれば、目を見て話すなど細かいところも意識しておきたいですね!
まとめ
今回は、部下との会話が噛み合わない原因・会話を弾ませるポイントを紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみますね!
- 自分に意識を向けない
- 相手に興味・関心を持つ
- オープンクエスチョンを使う
- 成果承認
- 行動承認(成長承認)
- 存在承認
会話の質を高めるには、コミュニケーションスキルと共に、部下からの信頼も高めることが必要です。
部下との会話が大切と考え、自分の改善点を模索しているあなたであれば、部下ともより良い関係を築くことができるでしょう。
今回紹介した内容を参考にして頂き、部下との会話が弾むように努めてみてください。