仕事を休みすぎる部下に対して「大丈夫だろうか…」と心配しつつも「仮病ではないのか?」と疑ってしまうのが上司としての心情ですよね。
いざ指導しようとしても「本当に体調不良なのか」それとも「ズル休みなのか」と考えてしまい、躊躇してしまう人も多いでしょう。
この記事では、仕事を休みがちな部下への対応を4つ紹介します。また、4つの対応を紹介する前に、仕事を休む原因や休みがちな部下にやってはいけないことなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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部下が仕事を休みすぎる原因は?
休みがちな部下がいると、上司として「何かあったのだろうか」と心配になりますよね。
人によって休みがちになる原因は様々ですが、主に以下のような原因が考えられます。
- 自己管理上の理由(寝坊、二日酔いなど)
- モチベーションの低下(職場環境への不満・人間関係の悪化など)
- 体調不良(怪我や病気、ストレスによる影響など)
他にも、身内の不幸や失恋などのショックにより、情緒不安定になって休んでしまうこともあるようです。
休みが多くなるには必ず原因があります。上司として注意したくなる気持ちもありますが、まずは休みがちになっている原因を尋ねましょう。
直接聞くことが難しいのであれば、電話やメールを利用したり、周りの社員に尋ねたりするのも1つの方法です。
頭ごなしに話さずに部下の心境を確認しよう!
「最近、◯◯は休みすぎだな…」と気にしていると、どうしても浮かんでしまうのが「ズル休み」ですよね。
たしかにズル休みをする部下もいますが、人には言えない悩みを抱えており、やむおえず欠勤してしまう部下もいるようです。
例えば、「人間関係によるストレスで体調が優れない」「身内に不幸があって気分が優れない」など、業務に関係のないことで休んでいるケースもあります。
一旦、部下に対する疑いを抑え、部下の心境を確認してみましょう。部下の方からは相談しにくいこともあるので、上司の方から声を掛けたり、毎日健康状態を確認したりすると良いですね。
休みすぎな部下に対して直接的な表現はNG!
前章では、部下の心境を確認しようと述べましたが、「仮病じゃないのか?」というような直接的な表現はNGです。
たしかに「絶対に仮病だろうな…」と思う場合もありますが、最初から仮病と決めつけてしまうと、部下との関係がこじれてしまう可能性もあります。
まずは「最近、病欠が多いみたいだけど大丈夫か?」「1度、病院で検査してもらった方が良いんじゃない?」というように、相手の心情を察してあげると良いでしょう。
そうすることで、部下の方から相談してくれたり、ズル休みをしていた部下なら「騙してるようで申し訳ない」という気持ちが生まれたりして欠勤が減ることもあります。
休みがちな部下は精神的に弱っている可能性が高く、「直接的な表現」や「強い口調」などが原因で、精神的苦痛を受けてしまうこともあります。
場合によっては「パワハラ」と感じてしまうこともあるので、言葉の表現・声の大きさにも注意しておくと良いですね。
仕事を休みすぎな部下への具体的な対応
ここからは、休みがちな部下への対応を具体的に紹介していきます。前章では、「部下の心情を察することが大切」と述べましたが、優しい言葉だけでは解決できないことも多いです。
あまりにも欠勤が多いと、職場の雰囲気が乱れたり、業績が下がったりする恐れもあります。状況を悪化させないためにも、以下の4つの対応を取ることをおすすめします。
- 健康管理について指導する
- 就業規則を見直す
- 年次有給休暇を適用しない
- 処分を検討する
次の章からは、休みがちな部下に対する4つの対応について詳しく解説していきます。
仕事を休みすぎる部下への対応①健康管理について指導する
1つ目は、部下の健康管理について指導することです。部下の健康状態を把握するのはもちろん、しっかりと自己管理するように促すのも上司の務めです。
よく休んでしまうほど体調が悪いということは、病気を患っている可能性があります。周りの方が気づきにくい「うつ病」などの恐れもあるので、早めに診察を受けてもらうと良いでしょう。
また、欠勤による業務への影響について伝えることも大切です。業務に支障をきたすことを再認識してもらい、自己管理への意識を高めるようにしましょう。
前述したように、指導するときは「仮病じゃないのか?」といった直接的な表現は控えましょう。
仕事を休みすぎる部下への対応②就業規則を見直す
2つ目は、改めて就業規則を見直すことです。就業規則に休職のルールがあれば、欠勤が多い部下に対して正当な措置を取ることができます。
例えば、「◯日間連続で休んだ場合、診断書を提出する」「◯ヶ月以内に◯日休んだ場合、休職に入る」という規則があれば、ルールに合わせて措置を取ることができます。
また、「休職時は原則無給である」など具体的な説明も示しておくと良いでしょう。このようにルールを定めておくことは、ズル休みを防ぐ手段にもなります。
部下も気軽に休むのは得策ではないと判断するので、より上の立場の方に休職ルールの設定・見直しをお願いしてみましょう。
仕事を休みすぎる部下への対応③年次有給休暇を適用しない
3つ目は、安易に年次有給休暇(以下、有休)を適用しないことです。以前ほどではありませんが、積極的に有休を取らない日本では、病欠の際に有休を取ることが多いです。
一概にこの風潮が悪いとは言えませんが、病欠をすると有休になると考えてしまう人も多く、中には仮病を使う人もいます。このようにして突発的に休まれては、業務にも支障が出てしまいますよね。
あまりにも休みが多い部下に対しては、給与の減給や昇給・昇格に影響する「欠勤」扱いをして、危機感を促すことも1つの手段です。
安易に対応するとズル休みされることもあるので、判断を下せる立場の方に厳格に対応してほしい旨を伝えてみましょう。
仕事を休みすぎる部下への対応④処分を検討する
4つ目は、休みが多い部下に対して処分を検討することです。休みが多くなることは会社にとって損益となるので、いつまでも見逃しておく訳にもいきません。
尚、ズル休みは虚偽申告となり、非違行為に該当します。職務専念義務に違反することになるので、懲戒処分を課すことが可能です。
懲戒処分には「戒告」「減給」「出勤停止」「懲戒解雇」などがありますが、ズル休みに対しては比較的処分の軽い「戒告」「減給」を課すのが一般的です。
とはいえ、「あいつは休みすぎだから減給だ!」という勢いだけで処分を課すことはできません。懲戒処分を課すためには、予め就業規則に規定しておく必要があります。
尚、不当な処分を課してしまうと「パワハラ」と訴えてくる可能性もあるので、より上の立場の方と相談しながら慎重に処分を検討してみましょう。
部下には健康に働いてもらう義務がある
ここまで休みがちな部下への対応を紹介しましたが、そもそも社員には、健康で働くという「自己保全義務」があります。
自己保全義務:従業員に求められる義務であり、安全で健康に働けるよう健康状態に注意し、自己管理していく義務。
従業員の安全・健康は、会社の努力のみで築くものではありません。自己管理の欠如で欠勤を繰り返すことは、雇用契約に違反しているも同然です。
病気を患うなどやむおえない場合もありますが、中には簡単に解雇されないことを知っていて、軽い気持ちで欠勤する人もいます。
見極めが難しいところですが、欠勤を繰り返すことは良くないので、安易に欠勤している部下には「契約違反をしている」と説明するようにしましょう。
まとめ
今回は、仕事を休む原因や休みがちな部下に対する4つの対応を紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみますね。
- 部下の心境を確認する(頭ごなしに話さない・直接的な表現は控える)
- 健康管理について指導する(診察を促す)
- 就業規則を見直す(診断書の提出・休職ルール)
- 安易に年次有給休暇を適用しない
- 状況が変わらない場合は処分を課す
休みがちな部下に気を配り、改善策を模索しているあなたであれば、きっと今ある状況を変えることができるでしょう
今回紹介した内容も参考にして頂き、現状改善に努めてみてください。