大手企業からの転職を検討しているあなたは、「キャリアを活かして転職を有利に進めたい」と考えているのではないでしょうか。
一見、有利になりそうな気がする大手企業からの転職ですが、実は大手企業のキャリアが不利に働く場合もあります。そのため、転職活動をする前に企業の採用事情を把握しておくことが重要なのです。
そこで今回は、大手企業からの転職の有利性について詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたの転職活動をより有利に進められるようになるので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
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大手企業でのキャリアは転職するときに有利になる?
結論から言うと、大手企業でのキャリアがある人は“転職を有利に進められるケースが多い”です。
大手企業そのものにブランド力があるため、“採用担当者の目に留まりやすい”ということもありますが、転職が有利になる主な理由として以下の3つが挙げられます。
- 能力の高さを評価されやすいため
- 教育コストがかからないため
- 組織の活性化を期待されやすいため
大手企業の出身者は、そのキャリアから“能力を評価されやすい”傾向にあるため、転職を有利に進められます。
次の章からは、企業の採用事情も踏まえながら、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
転職が有利になる理由①能力の高さを評価されやすい
中途採用を行う企業は、基本的に“即戦力”となれる優秀な人材を求めています。能力が高い人材を採用すれば、サービスの向上や業務の効率化を図ることができ、業績アップを期待できるからです。
尚、即戦力としての力があるのかどうかは、応募者が持つスキルや経験から判断されるのが一般的です。
その点、大手企業にいた人材は「厳しい選考を通過している」「大規模なプロジェクトに携わっている」ということから、ポテンシャルや能力の高さに期待できます。
上記のように、大手企業の出身者は“能力の高さが評価されやすい”というアドバンテージがあるため、転職を有利に進められるのです。
転職が有利になる理由②教育コストがかからない
中小企業やベンチャー企業の場合、大手企業のような資金力がないため、「なるべく教育コストを抑えたい」と考える企業は少なくありません。
もし企業が求める人材をゼロから育て上げるとなれば、数十万円〜数百万円の教育コストが発生してしまうからです。また、即戦力を求める企業にとっては、出来るだけ教育にかける時間も減らしたいところでしょう。
上記のような企業にとって、徹底された教育・研修を受けている大手企業の出身者は、喉から手が出るほど欲しい人材と言えます。
つまり、教育にお金や時間をかけずとも“即戦力”として期待ができるため、大手企業の出身者は転職が有利になりやすいのです。
転職が有利になる理由③組織の活性化を期待されやすい
せっかく新しい人材を招くなら「自社にはない知見を持った優秀な人材を雇いたい」と考えるのが企業の本音です。と言うのも、新たなタイプの人材を採用することで、組織の活性化を図れるからです。
その人材が大手企業出身ともなれば、中小企業やベンチャー企業にはないノウハウやアイディアを共有できます。
企業は新しい価値観を取り入れることで、既存社員のマンネリ化を防ぎやすくなりますし、より魅力的なサービスを提案できる可能性が高まります。
上記のように、大手企業の出身者は“組織を活性化させる起爆剤”としてのニーズがあるため、転職が有利になりやすいのです。
大手企業からの転職は必ずしも有利になるとは限らない
大手企業からの転職は有利になることが多いですが、応募企業によっては不利になってしまう場合もあります。
この章では、大手企業でのキャリアが不利に働くケースを紹介するので、事前に頭に入れておきましょう。
- 仕事の進め方の違いから適応力が不安視された場合
- 前職の待遇を見てコスト面がネックになった場合
- 即戦力として期待できないと判断された場合
仕事の進め方の違いから適応力が不安視された場合
分業化されている大手企業とは異なり、中小企業やベンチャー企業は1人で複数の役割を兼任するのが一般的です。
仕事の進め方の違いから、企業によっては「上手く適応できないかもしれない」と不安視され、転職が不利になる場合があります。
前職の待遇を見てコスト面が懸念された場合
転職先の給与を決定する際、前職の年収を参考にして提示されるケースが多いです。
しかし、大手企業よりも資金力が劣る中小企業やベンチャー企業は、前職と同じ水準の待遇を用意できない場合があります。
コスト面を懸念した場合、あなたと同等の能力や経験を持つ、他の応募者を採用してしまう可能性があるのです。
即戦力として期待できないと判断された場合
先程も解説したように、中途採用を行う企業は、基本的に“即戦力”として期待できる人材を求めています。
いくら大手企業でのキャリアがあったとしても、採用側に「自社で活かせるスキルや知識がない」と判断された場合、採用を見送られることも少なくありません。
特に異業種・異職種へ転職する場合、即戦力としての活躍が見込めないため、転職が不利になりやすいと言えます。
大手企業からの転職でアピールすべきポイントとは?
これからキャリアを活かした転職活動をしていくにあたり、「どうすれば転職を有利に進められるんだろう」と気になるかと思います。
以下の3つのポイントをアピールすれば、企業側に好印象を与えられるので、より転職を有利に進められます。
- 柔軟性の高さ
- 転職先で活かせるスキルや経験
- 謙虚さ
柔軟性の高さは「環境への適応力」を、そして転職先で活かせるスキルや経験は「即戦力としての能力」をアピールできます。
また、忘れてはならないのが「謙虚さ」です。大手企業でのキャリアは誇れるものではありますが、転職先では誰もが“新人”になります。
ですので、大手企業でのキャリアをアピールしつつ、「御社と共に歩んでいきたい」という謙虚な姿勢を示すことも大切です。
そうすれば、企業もあなたに好感を持つことができ、積極的に採用してくれる可能性が高まります。
大手企業から中小企業に転職するメリット
ここからは、大手企業から中小企業やベンチャー企業に転職するメリット・デメリットを紹介していきます。
大手企業からの転職は有利になりやすいものの、必ずしも転職することがメリットになるとは限りません。
転職した後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、事前にメリット・デメリットを把握しておきましょう。
まずは、大手企業から中小企業やベンチャー企業に転職するメリットについて解説します。
- やりたいことができる可能性が高い
- 幅広い業務に携わることができる
- ある程度の裁量権を持って働ける
- 転勤の可能性が低くなる
やりたいことができる可能性が高い
中途採用の場合、「部署」や「職種」で募集しているケースが一般的で、配属先をコントロールしやすいです。
また、大手企業の出身者は“能力が高く評価されやすい”ため、より自分の希望が通りやすく、やりたいことを実現できる可能性が高いと言えます。
幅広い業務に携わることができる
中小企業やベンチャー企業では、1人で複数の役割を兼任するため、幅広い業務に携わることができます。
任される仕事の範囲が広くなり、様々な角度から会社に貢献できるので、よりやりがいや手応えを感じやすくなります。
ある程度の裁量権を持って働ける
区分けが明確な大手企業とは異なり、中小企業やベンチャー企業は仕事の境界がはっきりしていないため、ある程度の裁量権を持って仕事を進められます。
主体的に業務を遂行できることから、仕事へのモチベーションを維持しやすく、やりがいも感じやすいです。
転勤の可能性が低くなる
中小企業やベンチャー企業は、大手企業のように多くの支社を構えていないため、転勤の可能性が低くなります。
転勤が少なくなることで「社員や顧客と信頼関係を築きやすい」「マイホームの購入を決断しやすい」といったメリットを得られます。
大手企業から中小企業に転職するデメリット
続いて、大手企業から中小企業やベンチャー企業に転職するデメリットについて解説します。
- 収入が下がる可能性が高い
- 企業の安定性・将来性に不安を感じる
- 社会的な評価が低くなる可能性がある
- 教育・研修制度が整っていない場合がある
収入が下がる可能性が高い
中小企業やベンチャー企業は、大手企業よりも事業規模が小さいため、同等の給与・賞与・福利厚生を享受できない可能性が高いです。
将来的に年収が上がる可能性もありますが、収入が減ることで生活水準やライフプランの見直しが必要になるかもしれません。
企業の安定性・将来性に不安を感じる
ニッチな需要を狙った中小企業やベンチャー企業は、シェアが高い大手企業に比べると、事業が安定しているとは言えません。
そのため、企業の将来性に不安を感じ、人によっては大きなストレスを抱えてしまう可能性があります。
社会的な評価が低くなる可能性がある
中小企業やベンチャー企業は、大手企業のようにネームバリューが高くないため、社会的な評価が低くなる可能性があります。
特に“大手企業”というステータスで実績や人脈を築いてきた人にとっては、大きなデメリットになり得るでしょう。
教育・研修制度が整っていない場合がある
大手企業よりも資金力が劣る中小企業やベンチャー企業は、十分な教育・研修制度が整っていない場合があります。
必要な教育・研修が受けられない場合、成長が鈍化しやすくなるため、キャリアアップに影響が出る可能性があります。
大手企業からの転職で後悔しないためにやるべきこと
大手企業からの転職にはいくつかのデメリットがあるため、転職した後に後悔する人も少なくありません。では、どうすれば転職後に後悔するリスクを減らせるのでしょうか。
以下の3つを確認しておけば、転職前と転職後のギャップを減らせるので、入社後に後悔するリスクを下げることができます。
- 給与や賞与など待遇面の詳細を確認する
- 具体的な仕事内容を確認する
- 会社の社風や社員の雰囲気を確認する
給与や賞与など待遇面の詳細を確認する
前述したように、中小企業やベンチャー企業に転職する場合、大手企業と同じ水準の待遇を受けられない可能性が高いです。
ですので、事前に待遇面の詳細を確認しておくことが大切です。自分が求める収入や福利厚生を洗い出し、求人票や面接で待遇をチェックしておけば、入社後に後悔することはなくなるでしょう。
尚、入社後に一時的に収入が減るケースも多いので、将来的な年収も確認しておくことが賢明です。
具体的な仕事内容を確認する
中小企業やベンチャー企業は、仕事の進め方や業務の範囲が大手企業とは異なります。そのギャップから本来の力を発揮できず、転職したことに後悔する人も少なくありません。
事前に仕事内容を確認しておけば、やり方に違いがあってもすぐに順応できるので、ギャップによる後悔を防ぎやすくなります。
尚、仕事内容を確認する際は“自分の性質に合っているのかどうか”も確認しておくと、より転職後のギャップを減らすことができます。
仕事内容の詳細や相性については、後程紹介する「転職エージェント」を利用して確かめてみるのもおすすめです。
会社の社風や社員の雰囲気を確認する
仕事内容と同様に、会社の社風や社員の雰囲気など“職場環境”のギャップから、転職を後悔してしまうケースも多いです。
ですので、転職先の環境についても確認しておくことが大切です。そうすれば、入社後の自分の姿をイメージしやすくなるので、ギャップによる後悔のリスクを下げられます。
会社の内情は、求人票で確認することができないので、面接官や転職エージェントのキャリアアドバイザーに質問してみると良いでしょう。
大手企業からの転職には転職エージェントがおすすめ
大手企業からの転職をより有利に進めたい方は「転職エージェント」を利用するのがおすすめです。
転生エージェントをおすすめする理由として、主に3つのポイントが挙げられます。
- 効率良く希望に合った企業を見つけられるから
- 入社後のミスマッチを防ぎやすくなるから
- 求人票では分からない企業の情報が分かるから
転職エージェントでは、あなたが企業に求める条件を確認し、希望に見合う求人のみを提案してくれます。そのため、効率良く転職活動を進めることができ、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
更にキャリアアドバイザーが応募者の性質や強みをチェックし、仕事の適性も確認してくれるので、よりあなたに合った転職先を見つけることが可能です。
また、転職エージェントは企業と太いパイプを持っているため、会社の内情についても詳しく把握しています。
「企業が求める人材像」や「会社の社風」など、求人票では分からない情報を知ることができるので、1人で転職活動するよりも有利に進められます。
基本的に転職エージェントは“無料”で利用できるので、積極的に活用することをおすすめします。
転職エージェントにより保有する求人の種類は異なりますが、より多くの企業を比較したい方は、求人数が多い「リクルートエージェント」や「doda」を検討してみると良いでしょう。
まとめ:大手企業からの転職は有利に働きやすい
今回は、大手企業からの転職の有利性について解説しました。改めて記事の内容を簡単にまとめてみます。
- 大手企業からの転職は有利になることが多い
- 企業によっては大手企業のキャリアが不利に働くこともある
- メリット・デメリットを把握した上で転職を検討することが大切
- 転職エージェントを利用すれば、より転職を有利に進めやすい
大手企業の出身者は、採用側から能力を高く評価されやすいため、転職を有利に進められる場合が多いです。
しかし、企業によっては大手企業にいたことをマイナスに捉えるケースもあるので油断はできません。
この記事を読んだあなたなら、企業の採用事情やアピールすべきポイントを理解しているので、より転職を有利に進められるでしょう。