上司という立場上、部下が辞めることはとても辛いことですよね。中には、あまりにもショックが大きく、「これからどうすれば良いのか…」と落ち込んでしまう方もいるでしょう。
この記事では、ショックを受けたときの気持ちの切り替え方を4つ、上司としてやるべきことを2つほど紹介します。
「早くショックから立ち直らないと…」と焦る気持ちもありますが、この記事を参考にして頂きながら、着実に気持ちを切り替えていきましょう。
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部下が辞める!?大切なのはショックを受けた後!
大切な部下が辞めるとなると、どうしてもショックを受けてしまいますよね。ショックを受けるのは人として仕方がないことですが、仕事に影響を及ぼすのは上司として避けたいところです。
また、どんなにメンタルが強い人でも、「ショックを受けないようにする」「ショックを無かったようにする」というのは難しいのかもしれません。
大切なのは、「ショックを受けた後にどうするか」ということです。人によってショックの受け方やメンタルの保ち方は異なり、「これをやれば立ち直れる!」という絶対的な方法はありません。
しかし、精神状態を安定させることで、気持ちを上向きにしていくことは可能です。次の章では、部下が辞めることにショックを受けてしまう理由を紹介します。
部下が辞めることにショックを受ける理由
そもそもの問題として「何でこんなにショックを受けてるのだろう…」と思っている方もいるでしょう。
ショックの大きさは、部下との関係性などによっても変わりますが、主に以下のような理由でショックを受けている方が多いようです。
- 手塩にかけて育てた部下が辞めてしまうため
- 相談されることなく突然辞めてしまうため
- 辞める理由が自分であったため
- できる部下が辞めることで、仕事への不安を感じたため
- 部下の辞めることで、自分の評価に影響すると感じたため
- 転職先が競合他社であったため
部下がいなくなることにショックを受けている方もいれば、自分の立場を気にしてショックを受けている方もいるなど、ショックの理由は様々です。
また、上司として部下が辞めることに責任を感じてしまい、ショックを受けている方も多いようです。
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「自分にはもっとできることがあった」と後悔している方もおり、その後悔が自分を追い込んでしまうこともあります。
ショックの理由や大きさは人それぞれですが、前述したようにショックを受けた後の切り替えがとても大切です。
次の章からは、気持ちを切り替えやすくるための方法を4つ紹介していきます。
部下が辞めるショックから気持ちを切り替える方法①人に相談する
ショックを受けたときに1人で悩んでいると、どうしてもネガティブな思考が増えてしまいますよね。また、余計なことを考えたり、自分の意見に捉われたりすることもあるでしょう。
気持ちを上手く切り替えられない時は、思い切って誰かに相談してみましょう。話を聞いてもらったり、共感してもらったりすると、自分の気持ちを整理しやすくなります。
また、自分と同じ経験をした方であれば、どのようにして乗り越えたのかアドバイスを貰えるかもしれません。ネガティブな思考から脱却するためには、人の意見を取り入れることも大切です。
部下が辞めるショックから気持ちを切り替える方法②運動する
気持ちを上向きにするためには、運動がとても有効的です。これには科学的根拠が伴っており、運動をすることで幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が促されるという研究結果が出ています。
セロトニンには、「ストレスの軽減」「精神を落ち着かせる」といった効果があるので、落ち込んでいる方こそ運動をするべきと言えるでしょう。
尚、息切れをするような激しい運動は必要なく、散歩をするだけでも構いません。また、日光を浴びるとセロトニンが分泌されやすくなるので、朝に軽い運動を取り入れるのがおすすめです。
この知識を知ってから、筆者自身も朝の運動を行なっていますが、気持ちが不安定な時こそ効果を実感します。運動後は集中力が高まるので、ショックの影響で仕事が手につかない方にもおすすめです。
5分ほど自然の中で軽い運動(グリーンエクササイズ)を行うだけで、ポジティブな感情になるという研究結果も出ています。
大自然に行く必要はなく、公園や都会にある街路樹でも効果があるので、是非1度試してみてください。(川などがある水辺であれば、より高い効果を得ることができます。)
部下が辞めるショックから気持ちを切り替える方法③音楽を聴く
「音楽を聴いて何か変わるの?」という方も多いとは思いますが、音楽には自律神経を落ち着かせる効果があると言われています。
実際に医療の世界では、「音楽療法」という治療法が取り入れられており、音楽を聴くことで「脳の活性化」や「リラックス効果」が期待できるとされています。
ショックを受けるストレスにより、自律神経のバランスが崩れてしまうこともあるので、「心が落ち着かない」「仕事に集中できない」という方は音楽を聞いて気持ちを落ち着かせてみると良いでしょう。
また、気持ちが安定することでショックによるダメージが和らぎ、次にするべき行動へ目を向けやすくなります。部下のことで頭がいっぱいになっている方は、気持ちにゆとりをつくることが大切です。
部下が辞めるショックから気持ちを切り替える方法④湯船に浸かる
些細なことかもしれませんが、ショックによるストレスや仕事での疲労が溜まっている人ほど湯船に浸かることをおすすめします。
湯船には「温熱効果」「静水圧効果」「浮力効果」という3つの効果により、心身ともにリフレッシュ効果を得られると言われています。
ショックを受けたときに心配なのが、精神状態が不安定になり、身体や仕事に影響を及ぼすことです。ショックから立ち直るためには、気持ちを安定させ、健康な身体を保つことが何よりも重要です。
心身ともに安定していれば、自分が何をするべきか冷静に判断することができ、苦しい状況においても活力が湧き出しやすくなります。
ショックから立ち直るためには「現実を受け入れる」ことが重要
ここまで気持ちを切り替える方法について紹介しましたが、ショックから立ち直るためには、現実を受け入れて行動に移すことが重要です。
人間は考えごとをするだけでエネルギー(ウィルパワー)を消費しますが、残念ながら使えるエネルギーには限度があります。
ウィルパワー:脳の前頭葉で思考や感情をコントロールする力。総量が決まっており、集中力を使うことで消耗していく。
このエネルギーを部下が辞めるという変わらない現実に充てるのか、立ち直るための思考・行動に充てるのかによって、自分の精神状態は大きく変わります。
今回起きた「部下が辞める」という物事から、「自分がダメだったこと」「これからできること」を整理し、考えるだけではなく改善するための行動に移していきましょう。
ショックから立ち直れないときは専門家の意見を参考にしよう!
ここまで気持ちを切り替えるための方法を紹介してきましたが、全ての人がスムーズに切り替えられる訳ではなく、自分の力だけではどうにもならないという場合もあるでしょう。
そのような場合は、専門的に相談してみるのも1つの手段です。例えば、厚生労働省の委託により運営している「こころの耳」というサイトでは、働く人に寄り添ったメンタルヘルスを行なっています。
相談窓口が設置されているので、自分の悩みを打ち明けたり、的確なアドバイスを受けたりすることができます。
ショックから立ち直るためには、無理をしないことも大切なので、直実に気持ちを切り替えていきたい方は利用を検討してみてください。
上司がやるべきこと①職務をこなす部下・辞める部下のケア
この章からは、部下が辞めることにショックを受けても、上司としてやるべきことを2つほど紹介します。まず1つ目は、今もなお懸命に働いている部下や会社を辞める部下のケアです。
上司であるあなたを含め、退職する部下と仲が良かった同僚・先輩・後輩たちの中には、少なからずショックを受けている方がいるかと思います。
また、退職を決めた本人も精神状態が不安定になっていることも考えられるでしょう。このような状況では、職場の雰囲気が悪くなり、円滑に仕事を進めることが難しくなるかもしれません。
コミュニケーションの場を増やしたり、体調やモチベーションを確認したりするなど、部下たちの状況には目を配るようにしましょう。
上司がやるべきこと②職場環境の見直し
上司としてやるべきことの2つ目は、職場環境の見直しです。部下の退職にショックを受けたことを考えると、できれば退職者を出すことを防ぎたいですよね。
退職理由は人それぞれですが、多くの人が「人間関係」「労働時間」など職場環境への不満が募り、会社を辞めていきます。
特に部下という立場の方は、「自分の考えが伝わらない」「意見を伝える場がない」「人事・給料など環境に変化がない」といった不満を持っている方も多いようです。
職場環境に対する相談窓口を設けたり、昇給や労働時間を見直したりなど、できることから職場環境を改善していきましょう。
部下が辞めないために日頃からできること
最後に、部下が辞めないために日頃からできることを紹介します。退職を完全に防ぐことは難しいですが、日頃から部下の様子を気にかけることで、退職の前兆を見つけられるかもしれません。
- 部下の言動に注視する(言葉遣いなど)
- 部下と話し合える場を設ける
- 仕事量・レベルが適正であるか確認する
不安やストレスを抱えていると、態度が悪くなったり、遅刻・休みが多くなったりする傾向があります。日頃から部下の言動を注視しておくことで、部下の心境の変化に気づくことができるかもしれません。
また、部下と話し合える場を設けることで退職の前兆を見つけたり、早めに対応を取ったりすることができるでしょう。
尚、期待している部下ほど仕事を任せがちになってしまうので、仕事の量やレベルが適正なのか判断することも大切です。
まとめ
今回は、ショックを受けたときの気持ちの切り替え方や上司としてやるべきことを紹介しました。上司という立場からすると、手塩にかけて育てた部下が辞めるのはとても辛いことです。
そのような状況の中、何とかしてショックから立ち直ろうとしている姿勢は、とても素晴らしいことだと思います。
尚、精神状態を安定させるためには、「運動」「音楽」「湯船」などを利用して気持ち落ち着かせることが大切です。
今が1番苦しい時かもしれませんが、自分変えようとしているあなたであれば、必ず立ち直ることができると信じています。