「部下が退職を考えているサインがわからない…。どうすれば退職を止められるんだろう。」
あなたの職場に退職したいと相談しにきた部下はいませんか。今まで何も問題が無かったのに会社を辞めるなんて…と思いますよね。しかし、部下は会社を辞めると決めてから色々と手をつけているのです。
この記事では、部下が退職の準備をしているサインを5つ紹介します。サインがどのような心境から現れるのかも紹介するので、部下の退職に悩んでいる管理職の方は読んでみてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1815142?title=%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%81%AB%E5%BA%A7%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BC%9A%E8%A9%B1%E3%81%99%E3%82%8B%EF%BC%92%E4%BA%BA%E3%81%AE%E7%94%B7%E6%80%A7)
部下がいきなり退職したいと来た…なんで?
課長、ちょっとお話があるのですが…。今月末で退職させていただきたいのです。
えっ…。そんな急に。どうして辞めるの?今まで頑張ってきたのに…。
管理職のあなたは、部下から退職の話を受けたことはありませんか。今まで頑張っていた部下が急に退職を言い出したら慌てますよね。何が原因なのか、不満なのかがわからず混乱します。
1人部下が抜けるだけでも、あなたの業務は大変になりますよね。業務を再度振り分けたり、後任の採用計画を立てるなどやることがたくさん増えます。
ただ、部下は退職を突然言い出しません。何かしら退職のサインを以前から出していて、準備ができたタイミングで話をするのです。あなたはそのサインを見逃していたかもしれません。
部下の退職のサインは早くから出ている
部下が退職をある日突然切り出すことはありません。退職は大事な決断ですので、普通はどうするか時間をかけて慎重に検討し、決断をしてから徐々に行動に移すでしょう。
退職を決断したら、目標に向けて動き出して、全ての準備ができたときに初めて自分の決意を上司に話します。何か行動し始めたら、退職を決めて動き出したのかもしれませんね。
部下の中には、ある日突然退職したいと言い出す人がいるかもしれませんが、基本的には部下の行動を注意深く見ていれば、以前と違う行動をしています。
部下の行動に異変があったら、個人的に何かあったのかと考えても良いでしょう。まずは、部下と会話の機会を作ることをおすすめします。
部下が退職を考えているサイン①ギリギリに出社・定時に帰る
ここから紹介するのは、部下が退職を考えているサインとして代表的な5つの行動です。部下が退職を考えているサインの1つ目が「ギリギリに出社・定時に帰る」です。
- 余裕を持って始業時間の30分前には来ていた→5分から10分前に出社している
- 定時を過ぎても業務をしていいた→定時になったらさっさと帰っている
自分の業務を真剣に考えている場合は、準備の時間も含めて出社時間を調整しているので、余裕をもって出社するはずです。始業時間のギリギリに来ている場合は、自分の業務にやる気が無いのかもしれません。
また、基本的に残業をせず定時で帰るのは良いことです。しかし、部下が以前は業務に真剣に取り組んで残業していたのに、最低限のことしかやらないで定時で帰る場合は、職場に長くいたいと思っていないでしょう。
さらに、出世してまで自分の業務に責任を持ちたくないと考えてもいます。上記のような行動があれば、部下は退職を考えているサインかもしれませんね。
部下が退職を考えているサイン②仕事に消極的で意見を言わない
部下が退職を考えているサインの2つ目が「仕事に消極的で意見を言わない」です。
仕事熱心な部下だと、上司の考えが正しくても自分の考えを主張したり、会議で積極的にアイデアを出したりします。また、このような部下は自分から積極的に仕事を取りにいこうとするでしょう。
しかし、退職を考え始めると、与えられた仕事をやるだけで、必要以上に仕事をしようとしません。また、会議でも以前よりは発言をしなくなります。
やがて自分には関係がなくなることだからと、業務に消極的になるのです。業務を真剣にやっても、自分はこの職場に長くいるつもりがないので無駄だと感じ、退職を決めているでしょう。
部下が退職を考えているサイン➂資格取得の勉強をしている
部下が退職を考えているサインの3つ目が「資格取得の勉強をしている」です。
昇進のために資格の勉強をする人もいますが、業務と関係のない資格の勉強をしていたら転職を考えているかもしれません。
資格を持っていると採用されやすく、手当が付いたり、給与自体が上がる職種があります。部下は、給与に不満がある場合、資格を取得して未経験の業種で頑張ろうと考えています。
資格が取得できて転職先が決まると、退職に向けて動きだすでしょう。部下が資格取得を目指している場合は、本当に業務に関係あるものなのか、退職を考えていないか確認した方が良いでしょう。
部下が退職を考えているサイン④身の回りを整理する
部下が退職を考えているサインの4つ目が「身の回りを整理する」です。
部下が自分の机の回りを整理し始めたり、業務の引き継ぎの準備をし始めたら退職のサインかもしれません。身の回りを整理するのは、直前に慌てないよういつでも職場を出て行けるようにしているのです。
また、業務の引き継ぎのようなことを始めたら、自分が不在のときでも誰かが業務をできるように体制を整えているのでしょう。優秀な部下ほど、現在の職場に迷惑をかけないようあらかじめ準備をしているのです。
人間関係に影響がでないよう食事に1人で行ったり、職場の飲み会などに参加しなくなったりもするでしょう。1人行動が目立つようになったら、会社との距離を置いて去ろうと考えている可能性がありますね。
部下が退職を考えているサイン⑤有給休暇が多くなる
部下が退職を考えているサインの5つ目が「有給休暇が多くなる」です。
転職を考えていれば、選考があるので業務を休まなければいけなくなるでしょう。この場合、有給休暇を使って転職活動を進めているかもしれません。
または、既に転職先は決まっていて、有給休暇が未消化で退職になるのを避けるために急いで消化をしていることも考えられます。
有給休暇をほとんど使っていない部下が、急に使い始めたら退職を考えている可能性は高いでしょう。
退職を話されたら部下にどうやって接すればいい?
部下から退職を切り出されたら、どのように接すればいいのか迷います。今後のことも考えなければいけませんし、仕事ができる部下であればなるべくなら引き止めたいですよね。
部下から退職を伝えられたときにする対応は、まずは次のようにしましょう。
- 退職の詳細な理由をヒアリングする(問題点を明確にする)
- 解決方法を提示する、退職を考え直すよう交渉する
- 人事に部下の退職の相談をする
部下の意思が固い場合、退職理由が職場への不満である場合の2つに分けて上記の対応をどのようにするか紹介しますね。
部下の退職の意思が固い場合
部下から退職理由を聞いて、「新しい職場で自分を成長させたい。」「起業して自分のビジネスを広げたい。」など理由が前向きな場合、引き止めが難しいでしょう。この時点で次の職場が決まっている可能性が高いです。
部下には、職場に必要な人材であることや、次の職場でも頑張ってほしいことを伝えておいた方が、部下の退職への後ろめたい気持ちが少し減らせるでしょう。
無理に引き止めても、部下と今まで築いてきた関係が悪化します。退職のスケジュールや引継ぎなどどのようにするか相談し、部下が最後まで業務を快くできるよう人事とも相談し、サポートしましょう。
部下の退職理由が職場への不満の場合
部下の退職理由が職場の人間関係や、給与などの待遇の場合は、まずは解決案を一緒に考えましょう。人間関係であれば、原因を詳しく聞いて対処しないと、配置転換など根本的な解決ができませんよね。
退職理由が給与など待遇であれば、どこを改善すれば良いのか、お互いに妥協点を見つける必要があります。もし、人事に待遇で解決できる部分があれば相談をしてみましょう。
本人に解決案を提示しても納得せず、退職の決意が固い場合は、引き止めることはやめたほうが良いです。既に会社自体に嫌悪感を持っていて、すぐにでも退職したい気持ちがあるからです。
部下と普段から意見交換することが大切
優秀な部下が突然退職すると、業務全体に支障が出て大変ですよね。普段から部下が何を考えていて、将来何をしたいのかヒアリングしておくことが大切です。
特に「結果を出しているのに評価されない。」「昇進したのに給料に反映されていない。」など職場に不満がある場合は、部下が退職を考えるきっかけとなります。
不満があると、退職のサインを出し始める可能性もあるので、早い段階で対処をしましょう。職場の異動や業務の変更など対応できるように準備しておくことが大切です。
部下が退職するサインを見抜こう まとめ
今回は部下が退職するサインを見抜く例を紹介しました。転職がしやすくなった時代なので、管理職にいる人は部下から退職の話を受ける機会が多くなるでしょう。最後に部下が退職したいサインをおさらいしましょう。
- ギリギリに出社・定時に帰る
- 仕事に消極的で意見を言わない
- 資格取得の勉強をしている
- 身の回りを整理する
- 有給休暇が多くなる
普段から部下を見ていれば、いつもと違う行動をとる時は、何かしら目的があります。退職であれば、今回紹介したような行動をとる傾向があるので、事前に対応を考えられるでしょう。
前向きな退職理由であれば、応援してあげるのも管理者の役目ですし、ネガティブな退職理由であれば、今後の職場環境の改善に反映できるよう努力する必要がありますね。