当たり前だった定義や価値観が毎日のように変わっていく現代で、どんな行為や発言がセクハラになってしまうのか、判別が難しいですよね。しかしセクハラと見なされる行為には、具体的な定義が存在します。
この記事ではセクハラになってしまう発言などを、具体例を用いて分かりやすくご説明致します。簡単な対処法も2つ、ご紹介していますので、ぜひ読み進めて、参考にしてみてください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/%E6%8A%95%E7%A5%A8-%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA-%E5%AB%8C%E3%81%84%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE-%E6%84%8F%E8%A6%8B-4461710/)
現代におけるセクハラの定義とは?
まずは前提条件として、法律におけるセクハラの定義をご紹介します。条文を丸写しするとややこしくなるので簡単にまとめると、以下に書かれている2つの内容になります。
- 職場における性的な言動などにより、労働者の就業環境が害される事(環境型セクハラ)
- 性的な言動や行為に対する労働者の対応により労働者が不利益を受ける事(対価型セクハラ)
この定義だけ見ても実際の言動とは合致しづらいので、理解しやすいように以下の項目で詳しくご説明します。
代表的な2種類のセクハラ【環境型、対価型】
まず環境型セクハラとは、性的な質問をされたり、性的なコンテンツなどが職場に溢れている事で不快になり、業務に支障をきたしてしまう、というセクハラです。
次に対価型セクハラとは、立場や昇進を引き換えに関係を迫ったり、ボディタッチが不快であるのに上司だから文句を言えないなど、労働者に不利益が発生している、というセクハラです。
以上の2点をまとめると、性的な言動などが理由で労働者が不利益を負わされている状態を、セクハラと言います。
以下の項目から具体例をご紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
セクハラの定義の具体例①性的な意味合いを含む発言
まず1つ目の具体例です。「彼氏いるの?」「今日はスカート短いね」「大胆な服だね」など、性的な意味合いを含む発言は、セクハラと見なされる可能性があります。
年を重ねた人によくありがちな発言ですが、業務内容に全く関係無い性的な発言は控えた方がよいです。女性だけではなく、男性に対しての発言も同様です。
上記のような性的な発言は、不快に感じている人の業務に支障をきたしているので「環境型セクハラ」にあたります。
セクハラの定義の具体例②性的な関係などを流布する事
2つ目の具体例は「〇〇さん彼氏募集しているらしいよ」など、性的な関係や発言を第三者や不特定多数に流布してしまった、というものです。
例えばオフィスなど不特定多数の人間がいる中で上司が、恋人を探している特定の部下の事を言いふらしてしまったとします。結果、部下は恋人募集発言の影響で、茶化されるようになってしまいました。
もしも恋人募集発言で部下が仕事に集中できなくなってしまった場合、業務に支障をきたしているので「環境型セクハラ」にあたります。
セクハラの定義の具体例③性的な写真などを見せつける事
次の具体例は、グラビア写真などを見せながら「この子エロくない?」などと無理やり見せて感想を求めたりした、というものです。
週刊誌やスポーツ新聞などには、ひんぱんにグラビア写真や女性の裸体の写真などがあったりしますよね。それを無理やり見せびらかしたりするのは、止めましょう。
性的な写真を見せられ不快になる事で、業務に支障をきたしているので「環境型セクハラ」にあたります。そして感想を無理やり求めたりした場合は「対価型セクハラ」にもあたります。
セクハラの定義の具体例④無理やり業務外の食事などに誘う事
次は業務に関係無いのにしつこく連絡先を聞いたり、何度も食事やデートへ誘ったりしてしまった、という具体例です。
プライベートな理由で連絡先を聞き出そうとしたり、何度も食事に誘ったりする行為は「対価型セクハラ」にあたります。
部下からすると「断ったら評価や、上司からのイメージが悪くなるんじゃないか」と思ってしまい、断りづらいのです。なので連絡先をしつこく聞いたりする行為は、止めましょう。
セクハラの定義の具体例⑤性的な関係や行為を強要する事
最後の具体例は、性的な関係や行為を、立場を利用して強要するというものです。
よくある事例として、労いの意味を持って部下の頭や肩に手を置くというものがあります。ボディタッチをしていますが、下心もないですし、問題は無さそうに見えます。
しかし労いの意味であっても、部下がボディタッチをされた事で不快に感じているのに、断れなかったとしたらこの行為は「対価型セクハラ」にあたります。
無意識にセクハラをしないための対処法①性的な話をしない
ここからはセクハラをしないための対処法をご紹介します。まず1つ目は性的な話を部下に聞かせたり、部下の交友関係をしつこく聞き出そうとしたりしない事です。
性的な話などは親しい友達ならいざ知らず、女性だけでなく男性であっても苦手にしている人は少なくありません。よほど相手と信頼関係がない限り、性的な話は避けた方が安全です。
そして例え善意であったとしても、よく知らない部下に対しては友達や恋人の話題は、避けた方がよいです。
無意識にセクハラをしないための対処法②発言の前に少し考える
そして2つ目の対処法は、発言や行動する前に少しだけ内容について考えてみる事です。考えてみると言っても、わざわざ胸に手を当てて自分と対話をする、みたいな面倒くさい事はする必要ありません。
この発言で相手は傷ついてしまわないか。このボディタッチをする事で、相手は不快に感じてしまうかもしれない。このように、少しだけも考えてみるだけで、セクハラになる可能性は減ります。
まとめ【必要以上に恐れる必要はない】
今回はセクハラの定義と、対処法について具体例を用いながら説明してきました。
- 職場における性的な言動などにより、労働者の就業環境が害される事(環境型セクハラ)
- 性的な言動や行為に対する労働者の対応により労働者が不利益を受ける事(対価型セクハラ)
- 性的な話や、交友関係について聞き出そうとしたりしない。
- 発言する前に少し考える
セクハラは現代における定義と、対処法をしっかりと知っておけば、避けられる問題です。ぜひこの記事の内容を参考に、役立ててみてください。