職場で経験年数を重ねると、部下や後輩が増えてきて教育を任せられます。そんな中、関わり方で悩むこと、上司・先輩としてのあるべき姿となれているか不安になることはありませんか。
部下・後輩に教育することで、自身の仕事に対する向き合い方や人としての関わり方を見つめ直すきっかけになるので、一緒に大きく成長できる絶好の機会でもあります。
今回は頼れる上司・先輩なるための心構えや実践的な教育方法をまとめました。ぜひ参考にしてください。
部下・後輩の教育【心構え編】
部下・後輩を教育していくにあたり、自身の行動や教育方法を見直し改善していくことは大切ですが、その前にまずは自身の意識の部分を見直していきましょう。
意識や考え方を改善し、確立した軸を持つことで行き詰った時に立ち返ることができます。また考えがぶれないことで一貫性があり、後輩・部下からの信頼も大きく得られますよ。
ここでは3つ紹介します。紹介する心構えが部下や後輩にも継承されていくと職場全体の雰囲気もかなり良くなりますし、人としての魅力も増していきますよ。
- 常に余裕を持つ
- 前向きな発言をする
- 気持ちの切り替えをする
部下・後輩の教育に対する心構え①常に余裕を持つ
余裕を持つことで周囲を気にかける時間が増え、後輩・部下の様子をこまめに確認することができます。こちらからコミュニケーションをとる機会も生まれるため信頼関係も築きやすくなりますよ。
反対に部下・後輩の立場に立った時、余裕のある上司・先輩の方が声をかけやすいです。何か困ったことがあり相談したいときでも忙しそうにしている上司・先輩だと気を遣い、声をかけづらくなってしまいます。
さらに余裕がある方が仕事ができるように見え、魅力的でもあります。話し方一つでもゆっくり話すこと、間をあけながら話すことで余裕があるように感じます。まずは話し方から意識していきましょう。
部下・後輩の教育に対する心構え②前向きな発言をする
後ろ向きな発言は控え、前向きな発言を意識しましょう。指示仰ぐ時、後ろ向きな発言が多い上司・先輩より前向きな発言を送ってくれる上司・先輩から聞きたいですよね。
職場に対する文句や不満を言わないことも大事です。良いことも悪いことも部下・後輩へは影響を与えます。文句や不満が多い上司・先輩がいると、若手へ負の連鎖が起きてしまい、職場全体の雰囲気が悪くなります。
否定的な発言は意識的に控えてみましょう。また、文句や不満を言いたくなる場面もこらえて、そのような時こそ感謝することや褒めることを意識してみてください。
部下・後輩の教育に対する心構え③気持ちの切り替えをする
部下・後輩との関係がうまくいかない場面も時にはあります。そのような時はお互いがわだかまりを抱えた状態となっていることが多いです。
部下・後輩からすると更に声を掛けづらい状況となり、より関係性が悪化します。こちらが気持ちを切り替えて接することで部下・後輩も安心することができ、信頼関係を築くことができます
失敗した場合は1度その内容を頭から消し去ることがおすすめです。関係ない別の業務に切り替えることや他の人と交流することで気持ちをリセットしましょう。
部下・後輩の教育【実践編】
教育方法に対する意識を持つことができたら実際の方法や行動していく際のポイントをお伝えしていきます。ここでは以下の5つを紹介します。
- 基本の流れを定着させる
- 目標を設定させる
- 手本を示す
- 信頼して任せる
- ミスした時は責任を取る
実際に試してみてそこから自身の中で確立したものにしていきましょう。そうすることで一貫性のある教育が可能となり、部下・後輩からの信頼を得ることができます。
部下・後輩の教育方法①基本の流れを定着させる
まず教育の基本的な流れを紹介していきます。部下・後輩の教育に限らず自身が仕事を行う上でも役立つ方法です。基本的な流れを部下・後輩と一緒に取り組み、身に付けてもらいましょう。
目標を設定
まずは目標を設定します。目標設定の方法は次の項目で詳しく解説します。
評価・反省
目標を立てたうえで業務を実際に行ってもらい、自己評価や反省を行います。大事なのは良い点も悪い点もどうしてその結果になったのかを考えていくことです。原因を分析することで再度行う際に活かしていきます。
再度実施
評価、反省を生かして再度業務を実施し、改善したのか確かめます。ここでも実施後評価、反省を行っていきましょう。この流れを繰り返していき、徐々に悪い点を良い点に増やしていきます。
部下・後輩の教育方法②目標を設定させる
前の項目で紹介した目標の設定方法です。長期目標と短期目標の2つを設定します。期間が異なると設定のコツが変わってきますのでそれぞれ確認してみましょう。
最初は先輩・上司も一緒に考えてその人に合わせたものにしていきましょう。
長期目標
1年~数年後の目標です。長期的な目標は具体的ではなく抽象的に立てるのがおすすめです。「こうなりたい」というような自分の理想像を立てるのが良いでしょう。
具体的な数値などを立ててしまうと、途方もない数字となってしまい途中で挫折してしまうことが多いので注意します。
短期目標
長期目標になるための短期目標を立てていきます。ベストは1日ごとに目標を立てること。最低でも1週間ごとに目標を立てるようにしましょう。
内容はできるだけ具体的にし、達成できたかどうか判断しやすい内容にします。難易度の設定は難しすぎるとモチベーションが低下しやすいので達成できるかどうかのレベルがおすすめです。
部下・後輩の教育方法③手本を示す
業務内容を、口頭での説明やマニュアルに目を通しただけでは、頭では理解しているつもりでも、実際やってみるとさっぱりできないなんてことありましたよね。
口頭での説明だけで実際に手本を見せてもらえないと「口だけの上司か…」と部下・後輩から不信感を抱かれてしまうこともあります。
部下・後輩に業務内容のイメージを持ってもらい、信頼を得るためにも手本を示しましょう。また、手本を示しながら伝えることで頭の中を整理することができ、自身の業務を見つめ直す良いきかっけになります。
部下・後輩の教育方法④信頼して任せる
前の項目では手本を示すと伝えましたが、その方法を押し付けるのは控えましょう。最も自分に合った方法を見つけていけるように導いてあげましょう。
最初は見様見真似も大切ですが、続けると結果を出すための過程を考えずに作業化してしまい、そのことを他に活かしたり応用したりすることができなくなります。楽ではありますがモチベーションも下がります。
部下・後輩も上司・先輩から仕事を任せられる方がモチベーション向上につながります。こまめに進捗状況は確認しつつも口を出さずに見守りましょう。
部下・後輩の教育方法⑤部下のミスは上司が責任をとる
ミスは人間誰しもあることです。経験年数が浅いと尚更です。理不尽に一方的に注意せず、部下・後輩の話を傾聴しながら原因を見つけ出し、同じミスを起こさないような対策を立てていきましょう。
一人前になるためには失敗やミスはつきものであり、その責任を上司が引き受けることで、失敗を恐れず果敢にチャレンジする力が生まれ、成長していくのです。
ミスを引きずっているようであれば励ましていくのは先輩・上司の腕の見せ所です。ミスした中でもうまくできている部分はあると思います。できている部分をしっかり誉めてあげましょう。
まとめ
今回は、部下・後輩の教育する時の心構えと実践方法を紹介しました。本記事で紹介した内容をそれぞれポイントごとにまとめます。
- 常に余裕を持つ
- 前向きな発言をする
- 気持ちを切り替えをする
- 基本の流れを定着させる
- 目標を設定させる
- 手本を示す
- 信頼して任せる
- ミスした時は責任を取る
1つ目が教育する時の心構え3つです。2つ目が教育する時の実践方法5つです。以上のことを活かして頼れる上司・先輩になりましょう。