上司からの期待を示すためには、部下の能力に応じて昇格させるということが非常に効果的です。
日頃から頼りにしていたり業務に貢献してくれる部下には、後に上の役職に就いてもらい、これからもますます活躍してほしいと考えるでしょう。
この記事では、部下が昇格試験へ臨む際の大切なポイントを紹介しています。昇進を見据えて昇格させたい部下がいるという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/715005?title=%E8%85%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%81%97%E3%81%A6%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3&searchId=3138018121
昇格と昇進の違い
昇格とは、社内の職能資格制度によって自分の能力を表す等級が上がることを指します。これと似ている「昇進」という言葉がありますが、役職が上がることを指すため意味が違います。
そして、昇格により等級が上がることは昇進できるか判断するための基準のひとつになります。しかし、昇格したからといって、必ず昇進できるわけではありません。
昇進するためには、その役職に空きがある必要があります。ですので、いつでも昇進できるよう準備をしておきましょう。
昇格と昇給の関係
昇格と昇給には大切な関係があります。昇給とは勤続年数や等級によって賃金が上がることで、以下の2種類が存在します。
- ベースアップ:勤続年数や働きぶりにかかわらず、基本給が一律で底上げされること。
- 定期昇給:勤続年数や働きぶり、会社の業績などを加味して決められるもの。
社内の制度によりますが、昇格することで賃金が上がる可能性があるということになります。
また、ボーナスや残業手当の支給で給料が上がった場合は、厳密には昇給と見なしません。
次の見出しでは、昇格の際に必ずかかわる「職能資格制度」について説明していきます。
部下の昇格にかかわる職能資格制度とは
1番目の見出しでも出てきた「職能資格制度」について詳しく説明します。これは、社内で業務レベルに階級を設け、その中で社員の能力レベルを定める制度のことです。
この制度によって客観的に社員の能力を判断できるため、多くの企業で導入されています。また、平等な評価がされるので社員のモチベーション維持にも繋がります。
職能資格制度は、部長や課長などの役職とリンクしているわけではありません。
しかし、ポストの空きがなく役職が与えられていなくても、同位の職能資格を得ることができればその役職と同等の給料をもらうことができます。
昇格試験の目的
ここからは、昇格する際には必ず避けては通れない「昇格試験」について説明していきます。まず、昇格試験には以下に挙げた2つの目的があるということを覚えておきましょう。
- 昇格に値するかどうか見極めるため
- 昇格に関する公平性を保つため
昇格試験は、昇格する基準を満たしているかを確認する試験です。
ですので、後に昇進して上の役職に就く人にとっては、自分のことを振り返えられる非常に良いチャンスです。また、その人自身の成長にも繋がります。
昇格・昇進させたい部下には、積極的に受けさせることをおすすめします。次の見出しからは、昇格試験で主に実施される3つの試験内容について説明します。
部下の昇格試験の主な内容①面接
面接では、人事部長などが面接官となって質疑応答を行います。内容としては、以下のような例が挙げられます。
- 今まで行ってきた職務について
- 今後、どのような力を発揮して仕事をしていきたいか
- 業務に対する普段からの意識
このような質問によって、社員の人柄や昇格に値する人物なのかを判断します。また、回答の仕方によって面接官に上手く伝わらないということは避けたいものです。
そうならないためにも、普段から部下との会話で今まで経験した仕事やこれからの仕事に対する考えなどについて話す機会を増やすと良いですね。
部下の昇格試験の主な内容②小論文
小論文では、論理的思考や問題把握力、柔軟な発想力を見極められます。テーマが業務にかかわるものであれば、職務に対する意識を見極められていると言えるでしょう。
回答する際に大切なポイントが2つあります。以下に挙げたので、このポイントをしっかり確認しましょう。
- 論点を正確に把握し、すべての設問に回答すること
- 論理展開に矛盾がないこと
小論文は、文章からその人の能力を確かめる試験です。ですので、試験本番を迎える前に部下には必ず、自分の意見を正確に文章化できる力を身につけさせましょう。
部下の昇格試験の主な内容③適性検査
適性検査では、本人も気づいていない内面的な部分も含めて多角的な視点から分析されます。また、必要な能力や専門性を判断することが主な目的です。
適性検査は面接や小論文と違って事前に対策ができないので、その人の適性が正確に表れやすい特徴があります。しかし、対策ができないからと言って、部下に何もしてあげられることがないわけではありません。
自信をもって昇格・昇進させたいと思っている部下なのであれば、上司から励ましや日頃の感謝をぜひ伝えてください。その言葉が部下のモチベーションになり、後に昇進へと繋がるはずです。
次の見出しでは、昇格試験本番で緊張しすぎないための対策について説明します。
部下が昇格試験で緊張しすぎないための対策
普段から商談やプレゼンテーションを多く経験していても、昇格試験を受けるとなるとどうしても過度に緊張してしまうものです。
部下にはそうならないように、面接や小論文で言いたいことやアピールしたいことを大雑把に覚えておくということをぜひアドバイスしてあげてください。
もし丸暗記で試験に臨んでしまうと、突然違う角度の質問をされたときに柔軟な対応ができなくなります。
また、あらかじめ先輩や上司の協力の下で面接練習をさせたり、考えを文章にまとめる練習をさせたりしておくと、本番で落ち着いて対応できます。
部下が昇格試験に合格するには
昇格試験を合格するために、必ず部下と確認しておいてほしいことがあります。それは、「自分がなぜ昇格したいのか、昇格してどのように活躍したいのか」ということです。
前もってこのようなことをしっかり考えていると、試験本番で自信をもって答えられます。
また、昇格試験合格には上司との信頼関係も欠かせません。ですので、試験の成り行きに任せるのではなく、試験本番で熱意をアピールできるよう普段からしっかり部下をサポートしてください。
チャンスを無駄にせず、万全の状態で昇格試験に臨めるよう準備を進めましょう。
昇進への第一歩を
昇格するということは、本人の更なる成長に繋がるのでモチベーションを上げる方法として効果的と言えます。
そして上司は、後に部下が上の役職に就いた際に自信を持って先頭に立てるようなサポートをすることも大切です。
この記事では、部下が昇格試験へ臨む際の大切なポイントを説明しました。
ぜひ参考にして、大切な部下の昇進への道をともに歩んでいきましょう。そして、前向きで活気に満ち溢れたより良い会社を作り上げていきましょう。