部下に仕事を任せることが良くわからない、部下に正しく仕事を一任する方法が知りたいと、お悩みではありませんか?
部下に仕事を一任することに難しさを感じているのは、任せることの意味が曖昧だったり、一任することに苦手意識を感じたりしているからかもしれません。
部下に上手く指示できれば、仕事を通して部下は成長し、チーム単位で成果を出しやすくなります。
この記事では、部下に仕事を任せることの意味を明らかにし、仕事を一任しづらくする3つの理由と対処法について解説します。部下が育つような仕事の任せ方を知りたい、という時の参考にしてください。
部下に仕事を任せることとは
部下に仕事を一任するということは、マネジメントを実践するひとつの手段です。なぜなら、マネジメントは、組織が成果を出すために部下を管理・運営することを目的としているからです。
仕事を任された部下は、組織の一員として活動し、仕事を通して成長します。部下に仕事を上手に任せられるようになれば、組織単位で成果を出すことも夢ではないでしょう。
部下に仕事を一任することは、組織で働くことにおいて、不可欠な行為と言えます。しかしながら「上手く任せられない」という課題を抱えている場合も少なくありません。
次の章では、部下に仕事を一任することを難しくする3つの理由について解説します。
部下に任せることが難しい3つの理由
部下に仕事を任せづらくしている、おもな理由は、以下の3つです。
- 部下が思うように仕事をしない
- 上司に報告せずに、部下が勝手に仕事を進めてしまう
- 部下が嫌々ながら仕事をする
部下がネガティブな行動をとると、「任せたくない」という気持ちが働きます。部下が思うように動いてくれない結果、任せた仕事を自分で引き受けて、やり直す上司も多いのではないでしょうか。
また、部下の仕事ぶりに対して不満を持つと、知らないうちに口うるさくなってしまうことも考えられます。部下は、「一任すると言ったのに、全然任されてない」と、上司に対して不信感を抱くようになるでしょう。
このように、部下に仕事を一任することを難しくする理由は身近にあります。次の章から、各理由と対処法について、詳しく解説します。
部下に任せることが難しい理由①思うように仕事をしない
部下に任せづらい理由の1つ目は、部下が思うように仕事をしないことです。
部下に仕事を任せたのに、仕上がりが中途半端だったり、大事な要点が抜けていたりすると、上司は、「自分ですべきだった」と考え、次回から部下に任せたくないと思うようになります。
特に完璧主義な人は、人に頼ることが苦手で、他人にも完璧を求める傾向があります。また、失敗を恐れるため保身に走る人も、部下に仕事を一任することに不安を感じ、自分で処理するという選択肢を選びがちです。
「部下に任せても無駄」「自分でやったほうが早い」という姿勢で仕事に取り組むと、常に多くの仕事を抱え込むことになり、部下に仕事を一任する仕組み作りから遠のいてしまいます。
部下に任せることが難しい理由②勝手に仕事を進めてしまう
部下に任せづらい理由の2つ目は、部下が上司に報告せず、勝手に仕事を進めてしまうことです。任せた仕事に対して部下が報告しない理由は、「叱られたくない」「必要だと思わなかった」など複数あります。
たとえば、上司としては仕事の経過を報告して欲しいと思っていても、部下は、「しなくても大丈夫だろう」と考えていることも少なくありません。このように、上司と部下では、考え方にギャップがあります。
ギャップを抱えたまま部下が自分の考えた通りに仕事を進めると、仕上がりは、期待していたものとは程遠くなりがちです。
その結果、たとえば資料作成であれば、部下にはじめから作成し直してもらうことになるでしょう。もしあなたがやり直した場合は、その分仕事が増え、大きく時間を費やしてしまうことになります。
部下に任せることが難しい理由③嫌々ながら仕事をする
部下に任せづらい理由の3つ目は、部下が嫌々ながら仕事をすることです。部下には一人ひとり個性があり、仕事ができるレベルも人柄も異なります。
それを無視してしまうと、部下がやりたくないような仕事を任せてしまうケースも出てきます。部下にとってやりがいがあると思った仕事でも、必ず部下も同じように考えているとは限りません。
たとえば、部下にとって成長する機会になる仕事だと思って任せたのに、部下は「面倒な仕事を押し付けられた」と受け止めてしまうこともあります。
上司と部下との間にある考え方のギャップに気づかないまま仕事を続けると、上司は仕事を頼みづらくなり、部下は仕事に対するやる気を失いがちになります。
思うように仕事をしない部下への仕事の任せ方
この章から、部下に仕事を任せるための方法について解説していきます。思うように仕事をしない部下への仕事の任せ方は、仕事内容を具体的に伝えたうえで仕事を任せることです。
あなたが考える仕事の完成度のイメージと、部下が描くそれは、必ずと言ってよいほど異なります。曖昧な指示内容であればあるほど、部下は自分が描くイメージを基に作業を進めるようになります。
たとえば部下にレポートの作成を指示する時は、「結果がわかるように要点をまとめて、3日以内に提出するように」と、レポートの仕上がりと提出期限について、具体的に伝えることがポイントです。
どのような仕事をすればよいか部下が理解することで、積極的に業務を遂行してくれます。すると、部下に仕事を任せられるようになります。
勝手に仕事を進めてしまう部下に仕事を任せる方法
勝手に仕事を進めてしまう部下に仕事を任せる方法は、進捗状況を報告させることです。
進捗状況を報告させることで、部下の仕事の進み具合を確認し、必要であればその場で軌道修正が可能になるからです。部下に仕事を一任する時に、進捗状況を確認するタイミングを伝えましょう。
例えば、営業資料の作成を部下に任せる際に、「アイデアが2つ出たら報告する」「資料の見出し構成ができたら報告する」のように仕事を細かく分け、細かな仕事が終了次第報告させるようにしましょう。
具体的に報告する期限を伝えることで、あなたは欲しい時に報告を得られ、安心して部下に仕事を任せられるようになります。
嫌々ながら仕事をする部下に仕事を任せる方法
嫌々ながら仕事をする部下に仕事を任せる方法は、部下の能力に合った仕事をさせることです。
部下の能力に即した仕事をしてもらうことで、部下のモチベーションアップに繋がります。なぜなら、できることに対して、部下は「面倒な仕事を押し付けられた」とは感じにくくなるからです。
部下ができることを知るには、普段の仕事ぶりを観察するだけでなく、部下に「どんな仕事をできるのか」直接聞くことも大切です。
部下の能力に合った仕事を把握すれば、部下の能力に合わせて仕事を任せられますよ。
より上手く部下に仕事を任せるには
部下に仕事をある程度任せられるようになったら、より任せやすい環境作りを目指しましょう。
上手く仕事を任せられるようになることは、部下の成長を促し、できる仕事の範囲を広げます。部下に任せられる仕事が増えることで、あなたは他の業務に集中できるようになるでしょう。
そのためには、普段から部下とコミュニケーションを取ることが大切です。コミュニケーションを通して、部下のやりたいことや趣向などを把握するように心がけると良いでしょう。
部下に対して理解を深めると、仕事が発生した時に、任せるべきかどうか判断しやすくなります。また、部下一人ひとりに適した仕事を任せられ、より仕事がスムーズに進むようになります。
まとめ
部下に仕事を任せる意味と、上手く仕事を一任する方法について解説しました。最後に部下に仕事を任せられない理由と部下に仕事を任せる方法について紹介します。
- 部下が思うように仕事をしない
- 上司に報告せずに、部下が勝手に仕事を進めてしまう
- 部下が嫌々ながら仕事をする
- 仕事内容を具体的に伝える
- 進捗状況を報告させる
- 部下の能力に合った仕事を任せる
一任することを難しくする理由を知り、適切に対処することは、仕事を任せられる仕組み作りの第一歩です。
仕組み作りが上手く行けば、チーム単位で仕事を進められるようになり、皆で成果をあげるという結果をもたらすようになるでしょう。
部下に上手く仕事を任せ、本来の意味での仕事ができるチーム作りを目指しましょう。