転職する覚悟を決めたのなら、後は行動に移すだけです。とは言え、転職市場のピークを狙って「良い求人とたくさん出会いたい」「転職を有利に進めたい」というのが、あなたの本音ではないでしょうか。
しかし、転職市場がピークの時期だからといって、必ずしも転職が有利になるとは限りません。ですので、自分に適した活動時期を見極めて、転職活動を進めていくことが重要なのです。
そこで今回は、一般的な転職市場の動きに加えて、転職活動におすすめなタイミングも紹介します。この記事を読めば、転職を有利に進められる活動時期が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/仕事-社会人-成功-曲線-1989126/)
転職市場の動きについて
これから転職活動を始めるにあたり、把握しておきたいのが「転職市場の動き(企業と求職者の活動傾向)」です。何故かと言うと、転職市場の状況により、転職活動を行うメリット・デメリットが異なるからです。
転職市場は、企業の採用活動が活発になる時期と、求職者の転職活動が活発になる時期があります。そして両者の活動が最も活発化したとき、転職市場がピークを迎えます。
反対に、企業や求職者の活動が少ない時期は、転職市場が落ち着いている時期と見ることができます。転職市場の動きに加え、時期による転職活動の利点・欠点を把握しておけば、最適な活動時期を見極められるでしょう。
次の章からは、一般的な転職市場の動きを解説し、各時期に転職活動を行うメリット・デメリットについても紹介していきます。
企業の採用活動がピークになる時期
企業の採用活動は「1月」と「10月」に最も活発化します。1月は12月期決算の企業の期が切り替わる時期で、予算が変わるタイミングで募集をかける傾向にあるようです。
また、新卒採用の4月入社と研修を一本化するため、逆算して1月から募集をかけるケースもあります。更に1月は、求職者の転職活動が活発になる時期でもあるため、企業の採用活動も活発化します。
10月は3月期決算の企業にとって下期に切り替わるタイミングです。下期に向けて社内体制を整えるため、採用活動を行う企業が増える傾向にあります。
採用活動がピークになる1月・10月は、他の時期よりも求人数が増えるので、多くの求人の中から転職先を選ぶことが可能です。
ただ求職者も増える傾向にあるため、ライバルとの激しい競争は避けられないでしょう。
企業の採用活動が落ち着く時期
企業の採用活動は「5月」と「12月」に落ち着きを見せます。5月に採用活動が落ち着くのは、4月に入社した新卒社員の対応に追われていることが考えられます。
また、新卒採用と中途採用の担当者が同じである場合、新卒採用が一段落してから中途採用に着手することも少なくありません。上記のような理由から、5月は採用活動が落ち着く傾向にあると考えられます。
12月は年末であることから仕事が忙しくなり、採用活動に力を注ぐことが難しくなります。求職者側も業務に追われ、転職活動に力を入れられないことから、採用活動を控える企業も多いです。
採用活動が落ち着く5月・12月は、求職者の転職活動も鈍化する傾向にあるため、ライバルが少ないメリットがあります。
しかし、他の時期よりも求人数が少なくなるため、希望の企業が見つかりにくい可能性が高いです。
求職者の転職活動がピークになる時期
求職者の転職活動は「1月」と「4月」に活発化する傾向にあります。1月は冬のボーナスを取得した後で、区切りの良い4月入社を狙えるため、この時期に転職活動を進める方が非常に多いです。
更に1月は、求人数が最も増える時期であることから、多くの求人を比較することができます。上記のように、1月は求職者にとってメリットが多いので、転職活動が活発になると考えられます。
4月は年度初めであり、異動や昇給・昇格などが行われる時期です。環境や気持ちの変化が起きやすいことから、4月に転職活動を進める方が増えると予想できます。
前述したように、1月は区切りが良い4月入社を狙えたり、多くの求人を比較できたりするメリットがあります。
4月は新年度の体制を整える時期であり、採用を急務としている企業が多いことから、スピーディーに選考が進んでいく可能性があります。
但し、どちらの時期も求職者の活動が活発化しやすく、競争率が高くなることは避けられないでしょう。
求職者の転職活動が落ち着く時期
求職者の転職活動は「12月」に最も落ち着きを見せます。前述したように、年末は業務量が増えるため、求職者が転職活動に力を入れられないことが考えられます。
また、12月は“年の瀬”ということもあり、心理的に転職活動を控えることも考えられるでしょう。
更に12月は、企業の採用活動も落ち着く時期であることから、求職者が積極的に活動しないことが予想できます。
転職活動が落ち着く12月は、内定を争うライバルが少ないため、競争率が下がるメリットがあります。
しかし、企業の採用活動も鈍化しているため、条件に見合った転職先を見つけにくいかもしれません。
転職市場がピークを迎える時期
前述したように、転職市場のピークは“企業と求職者の活動が最も活発したとき”に訪れます。
ここまで紹介した内容を踏まえると、両者の活動が最も活発になる「1月」が“転職市場のピーク”と言えるでしょう。
実際に厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」を見てみても、1年の中で「1月」は“求人数と求職者数が大幅に増加している”ことが分かります。
ただ転職市場がピークだからといって、本当に転職が有利になるのでしょうか。次の章では、ピーク時に転職活動を行うメリット・デメリットについて解説していきます。
ピーク時に転職活動を行うメリット・デメリット
転職市場がピークを迎える1月に転職活動を行うと、以下のようなメリット・デメリットがあります。
ピーク時に転職活動を行うメリット |
|
---|---|
ピーク時に転職活動を行うデメリット |
|
ピークの1月に転職活動を行うメリットは、何と言っても“多くの求人を比較できる”ことでしょう。求人数が多ければ、希望の転職先が見つかりやすくなりますし、より条件の良い求人と出会える可能性も高まります。
ただ転職市場がピークのときは求職者も増えるため、競争率が高くなるのが難点です。誇れるスキルや実績がない場合、ライバルとの差別化が難しくなることから、転職が不利になるケースも考えられます。
ですので、アピールポイントが少なく、ライバルとの差別化を図りにくい方は、あえてピークの時期を避けることも検討してみてください。
転職活動に適したタイミングはいつ?
一般的に転職活動は、企業の採用活動が活発になる時期(求人数が増加する時期)が“最適なタイミング”と言われることが多いです。
と言うのも、採用活動が盛んな時期は、求職者にとって「希望に合った求人を見つけやすい」「条件の良い求人が多く公開されている」などの利点があるからです。
尚、厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」によると、「1月〜3月」と「8月〜10月」に求人数が増えているため、この時期に“採用活動が活発化する”と考えて良いでしょう。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/G09-201910.pdf)
「どうしてもこの時期に転職しなければならない」という事情がなければ、上記のタイミングでの転職活動を検討してみてください。
転職市場のピークが過ぎた「4月〜5月」は穴場の時期
前章では、転職活動に適したタイミングを紹介しましたが、穴場とも言える「4月〜5月」もおすすめの時期と言えます。
と言うのも、4月〜5月は採用活動が落ち着いて求人数こそ減るものの、企業の採用に対する本気度が高い傾向にあるからです。
この時期は、新規プロジェクトのための人員補填や、急な退職によるポストの穴埋めなど“必要に迫られた採用活動”が多く見られます。
そのため、掘り出し物の求人が見つかったり、選考がスムーズに進んだりする可能性があるのです。更に4月〜5月にかけては、求職者の数が少なくなるため、ライバルとの激しい競争を避けることもできます。
まとめ:転職市場がピークでも好機になるとは限らない
今回は、一般的な転職市場の動きや、転職活動に適したタイミングについて解説しました。改めて記事の内容を簡単にまとめてみます。
- 転職市場がピークを迎えるのは「1月」
- 転職市場がピークの時期でも転職が有利になるとは限らない
- 転職活動に適した時期は「1月〜3月」「8月〜10月」
- 転職活動の穴場は「4月〜5月」
ここまで説明してきたように、転職市場がピークの時期だからといって、必ずしも転職が有利になるとは限りません。
この記事を読んだあなたなら、自分にとって最適な活動時期を判断でき、採用を勝ち取ることができるでしょう。