この記事では、「現在介護職なんだけど、今後どんなキャリアアップがあるのか知りたい」「介護職がキャリアアップするための方法を知りたい」方向けに書かれています。
介護職をしていたら、どんなキャリアが待っているか知りたいですよね。私は、福祉用具専門相談員という福祉用具に特化した仕事をしていました。
福祉用具専門相談員は、様々な介護職の方と関わるため、介護職の方々がどのようにキャリアアップしていくか勉強できました。
今回は、福祉用具専門相談員の視点から見た「介護職のキャリアアップ」と「具体的なキャリアアップ方法」、「介護職のキャリアアップ先の実際の仕事内容」を解説していきます。
介護職のキャリアアップ【初級編】初任者研修と実務者研修
もし、あなたが無資格なら、まずは、初任者研修および実務者研修を取得していきましょう。世間では、「ヘルパー」と言われる資格です。主に病院や介護施設で、お年寄りの介護を行う仕事をします。
初任者研修は130時間の講義や演習を受け、筆記試験に合格すると取得できます。実務者研修は、450時間の講義や演習を受け、筆記試験に合格することで取得可能です。
実務者研修は、初任者研修を持っていなくても受験可能です。一気にキャリアアップをしたい介護職の方は、実務者研修から取得してもいいかもしれません。
初任者研修や実務者研修は、お近くのスクールに通うか通信教育で受講することができます。大手のスクールでは「ニチイ」や「ユーキャン」が有名です。
介護職のキャリアアップ【中級編】介護福祉士になる
介護職のキャリアアップの次の段階として、介護福祉士を目指しましょう。介護福祉士は、ヘルパーよりもより専門的に病院や施設でお年寄りの介護を行っていく、国家資格の仕事です。
実務者研修を取得して、3年間介護職員として仕事をすると、介護福祉士の受験資格を得られます。介護福祉士を取得すると、給与が上がる可能性が高いです。
主だった仕事内容は、初任者研修や実務者研修と大きな違いはなく、ベテランになった分、介護技術を求められます。
介護職のキャリアアップ【発展編①】生活相談員
初任者研修や実務者研修、介護福祉士を経て生活相談員になるキャリアアップを行えます。具体的な仕事内容は、施設に入りたいお年寄りの利用相談窓口の業務をしています。
生活相談員は、事務系の仕事と世間からは思われていますが、実際は、施設を利用するお年寄りの送り迎えをするといった業務も行っているのです。
初任者、実務者研修や介護福祉士を持っていなくても、「生活相談員」になることはできますが、介護の現場を知らなければ、現場との連携不足になってしまうこともあります。
介護職のキャリアアップ【発展編②】サービス提供責任者
初任者研修や実務者研修、介護福祉士を取得し、介護現場での経験をしていくと、他の介護職員を束ねるサービス提供責任者になれます。
サービス提供責任者の仕事は、お年寄りの介護業務に加えて、他の介護職員への業務を指示するなどマネジメント的な役割を行っていきます。
サービス提供責任者になると給与は上がる反面、他の介護職員に比べて、現場での責任がかかってくるのです。
現場での経験を活かし、「他の介護職員から信頼されるための行動」や「利用者が快適に生活できるために何ができるのか考える力」が求められます。
介護職のキャリアアップ【上級編】事業所長や施設長になる
サービス担当責任者や介護福祉士として経験を積んでくると、事業全体を統括する役職である事業所長や施設長になれます。
事業所長や施設長は、現場から離れ事業や施設を運営する立場を任されることが多いです。具体的には、サービス提供責任者へ業務の指示を出したり、施設の管理業務をしたりします。
事業所長や施設長は、事業運営を円滑に行っていくために、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員、セラピストなどと協力していかなければなりません。
責任も大きくなった分だけ、平均年収も460万ほどあります。中には年収600万円稼いでいる方もいます。
介護職のキャリアアップ【上級編】ケアマネージャーになる
相談員業務や介護福祉士で5年間経験を積んだ介護職員だけがキャリアアップして取得する資格として「ケアマネージャー」があります。
ケアマネージャーは、お年寄りの方が家で快適に過ごすためのサービスを調整する仕事をしています。
ヘルパーやセラピスト、医者や看護師など様々な人と関わるためコミュニケーション能力が求められます。給与は年収400万円前後です。
相談員や介護福祉士として現場で5年間働いた後、ケアマネージャーの試験に合格する必要があります。勉強方法は、「独学」か「ニチイ」などの学校に通うなどがあります。
介護職のキャリアアップ【転職編】看護師になる
介護職のキャリアアップとして、「看護師」になる道も考えられるでしょう。仕事内容は、病院や介護施設で注射など医療行為を行います。
専門学校や短期大学へ3年から4年通い、受験資格を取得してから受験に合格すると看護師になれます。
介護職として働きながら、通信制の「放送大学」などの学校に通い看護師の受験資格を得る人も多いためチャレンジするのもいいでしょう。
資格取得までに時間がかかってしまいますが、看護師は不足しているので、年収は480万前後の求人がたくさんあります。看護師は国家資格なので、ケアマネージャーの資格を取得することもできます。
介護職のキャリアアップ【転職編】セラピストになる
介護職のキャリアアップとして、作業療法士や理学療法士などの「セラピスト」として働く道があります。
看護師と同様で3年から4年の間、学校に通い受験資格を得てから、試験に合格して資格を得られます。
理学療法士と作業療法士は病院や介護施設の利用者のリハビリを行っていく国家資格です。理学療法士は、運動に関するリハビリ、作業療法士は生活動作に関するリハビリを行っていきます。
看護師と同様で、5年間現場経験を積むと「ケアマネージャー」の受験資格を得られます。
介護職のキャリアアップ【転職編】福祉用具専門相談員になる
介護職のキャリアアップの道として、「福祉用具専門相談」として活躍する方法もあります。福祉用具専門相談員の仕事は、家で過ごすために福祉用具や住宅改修によって、家の環境を整える役割があります。
具体的には、ケアマネージャーや介護施設運営者へ営業をする仕事などがあります。給与は400万から600万前後です。
福祉用具専門相談員の資格は、資格学校で講習を受ける必要がありますが、福祉用具専門相談員を雇用する会社が資格を取らせてくれるので、未経験でも転職可能です。
まとめ
- 初任者研修、実務者研修を取得
- 介護福祉士を取得
- 生活相談員やサービス提供責任者になる
- 事業所長、施設長になる
- ケアマネージャーになる
- 看護師になる
- セラピストになる
- 福祉用具専門相談員になる
介護職員がキャリアアップしていくためには、実務者研修の取得と介護福祉士の取得を行っていき、介護事業での責任者を目指していきましょう。
専門学校に通い、看護師や理学療法士、作業療法士として介護分野でキャリアアップする道も良いでしょう。
「専門学校に通うのが、しんどいな」という方は、転職サイトに登録して「福祉用具専門相談員」の求人を探し、転職するのもいいかもしれません。