リーダーとしてチームをまとめる人にとって、プライドが高い部下はチームの連携を高める障害となってしまいます。
実力不足にもかかわらず、「何様のつもり?」と言いたくなるプライドばかり高い部下を持ったことはありませんか?
本記事はプライドが高い部下と接するときの心構えや役立つ具体的行動について解説します。プライドが高い部下と信頼関係ができれば、あなたも仕事がやりやすくなるでしょう。
「部下の指導」がもっとも大変な仕事だと感じている管理職はとても多いです。ぜひあなたがリーダーとしてレベルアップするための参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0-%E9%9B%87%E7%94%A8-%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89-4405260/)
プライドが高い部下の5つの特徴
自分自信や仕事に対してプライドを持つことは、良いことです。ただプライドが高い部下がチーム内にいると、衝突やトラブルが起こってしまう原因になってしまうことがあります。
そんなプライドが高い部下の5つ特徴を紹介します。もしかするとあなたの部下にも、特徴が当てはまるかもしれませんね。
- 自分の非を認めない
- 否定されるのが嫌い
- 負けず嫌い
- 仕事ができると思っている
- 臨機応変な対応が苦手
自分の非を認めない
プライドが高い部下は、自分で間違いに気づいていたとしても、自分の間違いを素直に認めません。特に自分が得意の分野や自信のある分野は、絶対に認めません。
否定されるのが嫌い
肯定されたり、認められたときは、ドヤ顔をするにもかかわらず、否定されたときは、過剰に反応したり、攻撃的な一面が見えたりする部下はいませんか?
プライドが高い部下は、理論武装していたり知識が豊富であったりする場合もあり、「こうあるべきだ。」と強い固定観念を持っていることも多く、自分の考えを否定されることを嫌います。
負けず嫌い
プライドが高い部下は、小さなことも何かと勝負事にする傾向があります。正義感が強く、敵対する存在を作ることもあります。正義である自分が必ず勝たないといけないので困ったものです。
特に競争心むき出しのタイプで、相手を挑発したり、攻撃するタイプの部下を持ったときは、あなたのまわりでトラブルが起きないように注意が必要です。
仕事ができると思っている
高学歴の部下や知識が豊富な部下の中には、「高学齢=仕事ができる」「知識がある=仕事ができる」等のように自分に都合の良い法則を信じている人がいます。
それらはイコールではなく、「自分には至らないところがある」と、自分で気づける部下なら良いのですが、なかなか気づけないときは、客観的に気付けるような環境作りが必要ですね。
臨機応変な対応が苦手
プライドが高い部下は、いくつかの成功体験から得た自分の中の成功パターンを貫こうとする傾向があります。自分のパターンから外れたときの臨機応変な対応が苦手です。
こういった傾向がある部下は、自分に考えや主義を尊重するため、他人の考えを受け入れることができません。チーム内の連携強化の障害となるケースが多いですね。
プライドが高い部下の心理
プライドが高い部下を良い方向に導いたり、信頼関係を作ったりするには、心理を知っておくことが大切です。この章ではプライドが高い部下の4つの心理を紹介しますね。
- プライドを守りたい
- 他人から認められたい
- 命令されたくない
- 恥をかきたくない
プライドを守りたい
とにかく自分のプライドを守ることが、行動の優先事項になります。そのためには手段を選ばず、他人のことはどうでもいいという人も多いです。
何かを指摘するときは、言い方や言う場所等に気を使う方のが良いでしょう。プライドを傷つけるような言動は、部下の「攻撃のスイッチ」を入れることもあるので注意したいですね。
他人から認められたい
自信過剰で自分を過大評価していることが多いので、自己評価と他人からの評価のギャップを感じています。そのため認められたり、褒められることに飢えています。
「君しか頼めない」「君しかできない」といったような依頼をすると、喜んでくれる傾向にあります。プライドが高いところを理解して、うまくコントロールしたいですね。
命令されたくない
プライドが高い部下は、例え上司と部下の関係であっても、命令されることが嫌いです。命令口調だと「えらそうに・・・」となってしまいます。
「〇〇してもらって良いかな?」というように依頼やお願いするような言い方が良いでしょう。あなたが相手に合わせて、大人な対応する方が現実的です。
恥をかきたくない
プライドが高い部下は、失敗して恥をかきたくないので、結果が出にくい仕事や負け戦になる可能性が高いプロジェクトには参加しません。結果が出やすい仕事や華やかな仕事を好みます。
失敗して恥をかくことを極端に恐れます。失敗して恥をかかないように、失敗したときの言い訳を準備するケースも多いです。
次の章からは、プライドが高い部下と接するときの3つの心構えについて解説します。部下と信頼関係を築くためには、あなたが部下と信頼関係を築こうとする心構えがとても大切です。
プライドが高い部下と接するときの心構え①相手を尊重する
実力不足でプライドばかりが高い部下にも、今まで生きてきた歴史の中で得てきた経験や成功パターンがあります。それらをまず尊重することが大切です。
「部下の高い鼻をへし折る」「自分の力で支配する」といったようなエゴや傲慢さがあると、部下はあなたのことを警戒してしまい、信頼関係は築けません。
部下と信頼関係を築こうとする誠実な態度を示し、部下の考え方や行動を理解しようとしてくださいね。
プライドが高い部下と接するときの心構え②プライドを守る
プライドが高い部下と接するときは、プライドを傷つけないようにしようとする心構えが大切です。プライドを傷つける人や恥をかかせる人は、敵だと認識してしまいます。
仕事の進捗に大きく関わる場合やトラブルにつながること以外は、基本的に相手を否定しない方が良いでしょう。成長を促すために、他の部下と比較するのもやめておきましょう。
プライドを傷つけられると自虐的になったり、攻撃的になったりしてしまうので、部下のプライドを守るようにするという心構えで接してあげましょうね。
プライドが高い部下と接するときの心構え③丁寧な話を心掛ける
プライドが高い人の中には、雑な説明やそっけない言い方に敏感な人が多いです。あなたがプライドの高い部下と話をするときは丁寧に話すようにしましょう。
話し方や説明の仕方を、丁寧に話すを意識を持つだけで心を開いてくれる可能性があります。柔らかい口調で話をしてみたり、部下の理解や共感を得るように話をしてみたりしてみて下さい。
- わかりやすい内容
- 部下や状況に合わせた表情(態度)
- 聞き取りやすい声
丁寧に話をするときに大切な3つ要素を意識するだけで、部下はあなたのことを「話がしやすい人」「波長の合う人」と認識してくれる可能性がありますよ。
【役立つ具体的行動その1】共通点を探してみる
ここからは部下と接するときに役立つ5つの具体的行動について解説していきます。信頼関係を築いていくうえでとても有効ですので、ぜひ実行してみてくださいね。
「出身地が同じ」「好きなチームが同じ」というように、何かが同じだったというだけで初対面の人に対して親近感を持った経験はありませんか?
心理学に、「類似性の法則」という法則があります。これは、「自分と共通点を持つ人に親近感を覚える」という心理学の法則です。
共通点を見つけることは、あなたにも部下にも親近感がわきやすくなります。親近感を持ってもらえれば、プライドが高い部下があなたを敵だと認識して攻撃してくる可能性が減りますよ。
【役立つ具体的行動その2】プライドを探ってみる
プライドの高い部下と信頼関係を作るうえで大切なことは、部下がどういったことを大切にし、何に対してこだわりがあるのかを、あなたが知っておくことです。
それらを普段の何気ない会話の中で探ってみましょう。あなたの部下が何にプライドを持っているのかがわかれば、部下の不満が出てくることを防ぐことができますね。
部下の不快なことや嫌うこと理解しておけば、衝突やトラブルを回避できます。あなたと部下との信頼関係が少しずつ築かれていくでしょう。
【役立つ具体的行動その3】ミラーリング
ミラーリングは、動作や表情を相手に合わせることで親近感をわかせたり、心の距離をを近づける心理テクニックです。
部下がメモしたらあなたもメモをする、部下がお茶を飲んだらあなたもお茶を飲むというように、さりげなく動作を合わせましょう。可能なら姿勢やまばたきの速度にも注意しましょう。
- 姿勢
- 動作
- 表情
- まばたきの速度
わざとらしくならないようにタイミングを少しずらしてみたりするのが、うまいミラーリングのポイントです。
ミラーリングを行えば、心の距離が縮まるので、プライドの高い部下の警戒心を解くことができます。プライドが高い部下と友好な関係を築くために有効ですので、ぜひ意識してみて下さいね。
【役立つ具体的行動その4】マッチング
マッチングは、会話の中の目に見えない要素をミラーリングすることです。具体的には4つの項目があります。
- 話すスピード
- 声の大きさ
- 声のトーン
- 声の種類(かすれた声やしぶい声等)
話すスピード、声の大きさやトーンを合わせることが、プライドの高い部下と信頼関係を築くうえでとても重要です。これらが合わないと部下は、あなたとの会話を不快に感じます。
人は自分と同じ会話のリズムの人を、より有能だと判断する傾向にあります。部下が有能だと判断したあなたとテンポ良く会話がすることを、心地よく感じてくれるでしょう。
心地良い会話を継続できれば、プライドの高い部下は少しずつあなたに対して心を開き、従順になってくれます。息を合わせて会話をすることが、「息の合う関係」につながりますよ。
【役立つ具体的行動その5】バックトラッキング
バックトラッキングは、相手が使った言葉をそのままあなたがその言葉を使う会話手法で、会話を通して信頼関係を築くことができます。
部下の言葉をそのまま「オウム返し」するのではなく、部下の言葉を類似した言葉に置き換えたり、話が長い場合は、要約したりして、さりげなく会話に混ぜていきましょう。
会話の中で部下が話す言葉と同じ言葉を繰り返すと、部下は「真剣に聞いている」「肯定してくれいる」という印象をあなたに持ちます。
プライドが高い人は、自分の話を真剣に聞いてくれる人や自分を肯定してくれる人をとても大切にします。あなたを貴重な存在だと感じた部下は、あなたのことをきっと慕ってくれるでしょう。
この方法は、動作や表情の見えない電話でも、とても有効な方法のひとつです。ぜひ電話でも使ってみてくださいね。
【まとめ】プライドが高い部下と接するときに役立つ具体的行動
以上、「【何様?】プライドが高い部下と接するときに役立つ5つの具体的行動」でした。プライドが高い部下と接するときの3つの心構えと必要な5つの具体的な方法について解説しました。
- 相手を尊重する
- プライドを守る
- 丁寧な話を心掛ける
- 共通点を探してみる
- プライドを探ってみる
- ミラーリング
- マッチング
- バックトラッキング
プライドが高い部下と信頼関係を築くには、部下を理解し、尊重し、自分を理解してもらおうとする誠実な姿勢が大切です。
プライドが高い部下と一緒に仕事をすることになったあなたは現在、チームリーダーとしてレベルアップするチャンスです。ぜひこの記事の内容を行動してみてくださいね。