職場の中には「どう接すれば良いのか分からない」という人が意外と多く、特に心を閉ざした部下への接し方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
心を閉ざしている原因かも分からず、誰に対しても「目を合わせない」「本心を言わない」という部下を見ると、「どうすれば心を開いてくれるのだろうか」と頭を抱える方もいるでしょう。
今回は、心を閉ざした人の心理や心を閉ざす部下への接し方について紹介していきます。この記事の内容を参考にしてもらい、現状を少しずつ改善していきましょう。
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心を閉ざした人の心理状態
まずは、常に心を閉ざしている人の心理状態について理解しておきましょう。
そもそも心を閉ざした人の状態が分からなければ、どんなにコミュニケーションを図っても心を開いてくれることはありません。
心を閉ざす:人との関わりを必要としない・人と親しくなろうとしない状態
つまり、心を閉ざすということは、余計なコミュニケーションを避けて自分の世界に閉じこもる状態を指します。
積極的に話をしても相手が受け入れようとしないので、心を開いてもらうには時間と労力が必要となるでしょう。
部下自身が心を閉ざしているつもりはなくても、内気な性格などが影響して心を閉ざしているように見えることもあります。普段から部下の様子・性格を把握しておくことも大切です。
人が心を閉ざしてしまう主な原因
続いて、人が心を閉ざしてしまう主な原因について紹介します。心を閉ざす原因は人によって異なりますが、主な原因としては以下のようなものが挙げられます。
- 裏切り
- 過去のトラウマ
- 集団からの孤立(いじめ・無視など)
上記の原因からも分かるように、心に傷を負うことで周りに対して「不信感」が募り、心を閉ざしてしまうケースが多いです。
人によって原因は様々ですが、仕事なら職場の人間関係や業務での失敗・プライベートなら失恋や家族との不仲などが原因となり、周りに対して心を閉ざしてしまう人もいるようです。
心を閉ざす人に見受けられる特徴
前述したように、心を閉ざすのには様々な原因がありますが、周りの人に心を開かないのは当人の性格が影響している場合もあります。心を閉ざす人の性格には、以下のような特徴が多く見受けられます。
- 自己肯定感が強い
- 自分に自信がない
- 周りを気にしすぎる
- ネガティブ思考
- 自分のテリトリーに踏み込まれたくない
前章では、「不信感」によって心を閉ざす人が多いと述べましたが、「自己表現が苦手」「自分に自信がない」といった内向的な性格が影響していることもあります。
また、自分のテリトリーを守るためにあえて感情を出さない人もいるようです。
「心を閉ざす」という状態は、「原因」や「性格」が複雑に絡んで起きているものなので、簡単に解決できる訳ではありません。
とはいえ、上司として部下を放っておく訳にもいかないので、次の章からは心を閉ざした部下との正しい接し方について紹介していきます。
心を閉ざした部下への正しい接し方とは?
ここまでの内容で、心を閉ざすという状態がいかに複雑なものであるか理解できたかと思います。
人によって原因や性格が異なるため、「これをすれば大丈夫」という絶対的な方法はありませんが、現状を改善するためには以下の5つの接し方が有効的です。
- 無理に干渉しない
- 頭ごなしに批判しない
- 必要以上に期待しない
- 安心感を与える
- 得意分野・興味のある話題を振る
次の章からは、上記の5つの接し方について具体的に解説していきますね。
心を閉ざした部下との接し方①無理に干渉しない
まず1つ目が、心を閉ざしている部下に対して無理に干渉しないことです。
上司として「早くどうにかしたい」という気持ちも分かりますが、無理に心を開こうとすると余計に不信感を募らせてしまいます。
大切なのは無理に干渉することではなく、本音を言いやすい環境をつくることです。また、部下の性格によっては、あえてコミュニケーションを避けている場合も考えられます。
何か伝えたいことがある場合は、少しずつ要点を絞って話すと良いでしょう。パーソナルスペースに入らないことも、人との接し方には欠かせない重要なスキルです。
パーソナルスペース:個人の心理的な安全を確保できる空間
心を閉ざした部下との接し方②頭ごなしに批判しない
2つ目は、部下が話すことに対して頭ごなしに批判しないことです。心を閉ざしている部下は、繊細な性格である可能性が高く、批判されることで自信を失ってしまう場合があります。
まずは、部下が話すことを受け止め、最後まで傾聴してあげることが大切です。心を閉ざした人にとっては、話すこと自体に勇気が必要であり、話を受け止めることによって共感や安心感を与えることができます。
尚、自分とは意見が異なる場合でも、話の途中で割り込むのは良くありません。部下の話を聞いた後、意見を押し付けるのではなく、上司としてアドバイスを与えられると良いですね。
心を閉ざした部下との接し方③必要以上に期待しない
3つ目は、部下に対して必要以上に期待しないことです。前述したように、心を閉ざしている人は自分に自信を持っていない人が多いため、必要以上に期待されるのは大きな負担となります。
また、周りからの評価を気にする性格であれば、尚更プレッシャーを感じてしまうでしょう。
上司として部下に期待するのは自然なことですが、心を閉ざしてしまう人は、多くの要求に応えられるほどメンタルが強くありません。
新しい仕事を与えたり、スキルを学ばせたりするときは、部下がこなせる分だけにしておきましょう。今後、少しずつ心を開いてもらうためにも、余計なプレッシャーを与えるのは避けたいところですね。
心を閉ざした部下との接し方④安心感を与える
4つ目は、心を閉ざしている部下に対して安心感を与えることです。
心を閉ざす人の中には、周りからの批判や評価を恐れて感情を閉じ込める人もいますが、心を閉ざしているゆえに「周りから嫌われるかもしれない」と不安を抱いている人もいます。
心を閉ざしてしまい、頼りにできる人もいなければ、精神的に追い込まれてしまう可能性もあるでしょう。
不安を抱えていそうな部下には、「無理に話さなくても嫌わないから心配いらない」など味方である姿勢を示して不安を取り除いてあげましょう。安心感を与えることで、少しずつ心を開いてくれるかもしれません。
心を閉ざした部下との接し方⑤得意分野・興味のある話題を振る
5つ目は、部下の得意分野・興味のある話題を振ることです。心を閉ざす人は内向的な性格が多いですが、自分の得意分野・興味のあるものには積極的になりやすいこともあります。
人間は共感を求める生き物なので、相手の好きなものに興味を持ち、話題を共有することが1番効果的なコミュニケーションとなるでしょう。
また、部下に仕事を与えるときも、得意分野の仕事を振ってあげると効果的です。効率良く成功体験を積むことができ、自分に自信も持ちやすくなります。
心を閉ざした部下との付き合い方に迷ったら、まずは相手の趣味や好きなものに注目してみてください。場合によっては、趣味や間人事を通じて心を開いてくれるかもしれません。
心を閉ざす原因・心を閉ざした部下との接し方まとめ
今回は、心を閉ざす原因や心を閉ざしやすい人の特徴、心を閉ざした部下との接し方について紹介しました。改めて紹介した内容をまとめてみますね。
- 裏切り
- 過去のトラウマ
- 集団からの孤立(いじめ・無視など)
- プライベートの問題(失恋・家族との不仲)
- 自己肯定感が強い
- 自分に自信がない
- 周りを気にしすぎる
- ネガティブ思考
- 自分のテリトリーに踏み込まれたくない
- 無理に干渉するのではなく、本音を話しやすい環境をつくる
- 頭ごなしに批判せず、まずは部下の話に耳を傾ける
- 必要以上の機体は避け、プレッシャーを与えないようにする
- 味方である姿勢を示し、安心感を与える
- 得意分野・興味のある話題を振り、積極性を生み出す
1度心を閉ざしてしまった状態を改善するためには、辛抱強く付き合っていく必要があります。
決して簡単なことではありませんが、何とかして状況を変えようとしているあなたであれば、きっと部下とも良い関係を築いていけるでしょう。
上司であるあなたにも負担は掛かりますが、自分の心身にも気を遣いつつ、現状の改善に努めてみてください。