「どうして、私は部下に舐められるのだろうか…。」と、部下との人間関係にお悩みの上司もいるのではないでしょうか?
近年、長時間労働やハラスメント問題によって、部下に優しく接する上司が増えるようになってきました。一方で、部下に配慮しすぎてしまい、舐められる上司も目立つようになっています。
部下に指示を出そうにも相手は言うことを聞かず、挙句の果てには上司を軽く見る態度を取ってしまう。そんな状況を変えて、自信を持って仕事をしたいところです。
そこでこの記事では、部下に舐められないようにするための4つの秘策を紹介します。この記事では、次の順番で内容を解説していきます。
- 部下に舐められる上司が出てくる社会背景
- 部下に舐められる上司の特徴など
- 部下に舐められないようにする4つの対策
この記事を読めば、自信を持って仕事ができる第一歩を踏み出せます。ぜひ、最後まで記事を読んでみてください。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E8%87%AA%E4%BF%A1-%E9%9B%BB%E6%BA%90-%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-2121159/
部下に舐められる上司が出てきてしまう社会背景
部下に舐められる上司が出てきてしまう原因は、最近の時代の変化によるものが考えられます。
2000年代後半、社員に過剰労働を強いる「ブラック企業」の台頭や、2015年、電通で働く20代女性が長時間労働やハラスメントによって自殺してしまった「電通事件」が、社会に衝撃を与えました。
こうした社会背景があり、部下に優しく接する上司が増えてきたことから、上司を舐める部下が目立つようになってきているのです。
部下に舐められてしまう上司が出てくる原因は、ブラック企業問題や長時間労働、ハラスメントに関する世間の認識が変わったことにあります。
次の項目では、どんな上司が部下に舐められてしまうのかに関して、特徴を挙げていきます。
部下に舐められる上司の特徴とは?
部下に舐められる上司とは、どのような特徴があるのかを具体的に説明していきます。例を挙げると、次の通りです。
- 自分の意見を上手く伝えられない
- 自分より他人を優先してしまう
- 自分に自信がない
- 自己肯定感が低い
- 一生懸命仕事をこなす頑張り屋
部下に舐められる上司は、自分の意見を上手く伝えず、自分に自信がありません。また、自分よりも他人を優先する思いやりのある性格なので、相手に対して強く言えません。
つまり、部下に対して思いやりのあるいい上司が、部下に舐められやすいのです。
いい上司が部下に舐められる心理的な側面とは?
部下に舐められやすい、いい上司の心理とは、一体どのような心理状態なのか気になるかと思います。
いい上司は、部下に「嫌われたくない。」という心理が過剰に働きやすく、うまく部下を叱れません。叱るどころか、部下に面倒なことを起こさせないように、ご機嫌を取ろうとしてしまいます。
つまり、上司が部下に舐められる背景には、「嫌われたくない。」という心理があるのです。嫌われたくないという気持ちがあるため、部下から舐められてしまうのです。
舐められる上司は、相手から嫌われたくないという気持ちが過剰に働いています。その優しさが、返って部下が調子に乗りやすい関係を生み出しているのです。
ただ、部下が上司を舐める態度を取るのは昔からあることなのです。次の項目で詳しく解説していきます。
上司が部下に舐められることはよくありがち
今も昔も、部下が上司に舐める態度を取ることはよくあります。今に始まった問題ではありません。
昔、あなたも「なんでこんな上司の言うことを聞かないといけないんだ…。」と、あからさまな態度を取らずとも、そう思ったことがあるでしょう。誰でも上司に対して不満は持つものです。
ただし、社会背景の変化によって、上司を舐める態度を取るようになった部下が増えてきています。
また、部下が上司に対して舐めた態度を取ってしまうのは、単に上司の指導方法などが悪かった可能性もあります。やり方さえ修正すれば、部下に舐められなくなるのです。
では実際に、次の項目から上司が部下に舐められなくなる対策方法を4つ紹介していきます。
部下に舐められる上司から脱却する4つの秘策とは?
ここで、部下に舐められる上司から脱却するための4つの秘策を紹介します。4つの秘策とは、それぞれ次の通りです。
- 言葉遣いを変える
- 叱り方を工夫する
- 権限をちらつかせる
- 曖昧な態度を取らない
優しい性格であるいい上司は、時には言葉遣いを変え、叱る必要があります。それでも、部下が相手を舐めた態度を変える気がないのであれば、権限をちらつかせることも大切です。
場合によっては、年上の部下に舐められることもあるでしょう。そんな時には、自分が組織では上という意識のもと、相手を尊重したうえで毅然としていることが重要です。
これら全ての4つの秘策を実行できれば、いい人という印象だけでなく、時にはしっかり対応できる自信にあふれた上司になれます。
早速、次の項目から言葉遣いを変えることに関して解説していきます。
上司が部下に舐められない対策①言葉遣いを変える
上司は部下に接する時に、自分の言葉遣いを変えてみる方法が有効です。もしかしたら、あなたは必要以上に「ごめんなさい。」「すみません。」と、部下に言っていないでしょうか?
相手に謝ることは、自分の否を認められる素晴らしい行為です。ですが、必要以上に相手に謝る言葉を使ってしまうと、部下に弱々しい印象を与えてしまいます。しだいに、部下に舐められやすくなってしまうのです。
試しに、1日だけでもいいいので「ごめんなさい。」「すみません。」の多用をやめてみましょう。そうすることで、物事をストレートに伝えられ、弱々しい印象を払拭できます。
上司が部下に舐められない対策②叱り方を工夫する
いい上司は、時には部下に対して叱ることも大切です。優しい性格の上司は、なかなか部下に対しては叱れないものです。ですが、部下に叱れないままだと、舐められるようになります。
そんな時には、工夫して叱ってみる方法が有効です。具体例として、上司が部下に研修へ行くように指示したのにも関わらず、いつも「体調が悪い。」と言って研修へ行かない部下がいたとしましょう。
そこであなたは、「体調が悪いなら仕方がない。」と言ってしまうかと思います。この言葉をかける前に、しばらく黙った後、次のことを言ってみましょう。
参加すると言ったのは、君だろう。何を考えているんだ!自分の体調を自分で管理できなくてどうする。
そして、すぐに優しい口調に戻り、「体調が悪いなら仕方がない。ゆっくり休んで明日に備えなさい。」と、切り替えてみましょう。
いつも優しい上司が部下に対して叱ることで、相手はそのギャップに驚きます。そして、「あんまり怒らせない方がいいんだな。」と感じ、舐められることが少なくなります。
上司が部下に舐められない対策③権限をちらつかせる
上司が部下に舐められないためは、自分の持っている権限を相手にちらつかせる方法もあります。
部下に対して指示する時に、理屈で説明し、気持ちに訴えてもなお、部下が舐めた態度を取ることもあります。こんな時は、権限をちらつかせる方法が有効です。具体的には次の通りです。
田中君、最近、君の態度が悪いと会議の話題になっているんだ。このままだと、配置転換せざるを得ないかもしれないよ。
上司の権限をちらつかせることによって、部下に「下手に出ないほうが良いな…。」とプレッシャーを与えることができます。
ただし、上司の持っている権限を利用する方法は、やりすぎるとハラスメントに当たってしまう危険性もあります。そのため、ここぞという時だけにしましょう。
上司が部下に舐められない対策④曖昧な態度を取らない
部下は同い年や、年下だけでなく、年齢が10歳以上離れている年上の場合もあります。年上の部下は、自分の経験や能力を過信して、年下の上司相手に舐めてかかることもあります。
そんな時には、あくまで自分が上司であることから、部下よりも上であるという認識を持つことが大切です。さらに、年上の部下に敬意を払いつつ、自分は上であるという雰囲気を出しすぎないようにしましょう。
そして、相手に対する指示は曖昧にせず、明確な指示にします。「できれば」、「可能であれば」、「~かもしれない」といった曖昧な言葉を使わずに指示を出してみましょう。
そうすれば、年上の部下に対してストレートな指示を出せます。相手も、上司の曖昧な態度を見て舐めてかかることはしなくなります。
上司が部下に舐められない対策を行うことで得られる効果
ここまで、上司が部下に舐められない4つの対策に関してそれぞれ解説していきました。中には、「この対策を行ったら、部下から嫌われるのでは?」と心配な人もいるでしょう。
でも大丈夫です。上司が4つの対策を行うことで、様々な効果を得られるのです。得られる効果に関して3つ例を挙げると、次の通りです。
- 弱々しいイメージを払拭できる
- かっこいい上司として尊敬されるようになる
- 周囲の人間と対等な関係を築ける
上司が対策を実行することで、弱々しいイメージを払拭し、時には毅然とした態度を取れるようになります。さらに、相手がどんな性格であっても対等な人間関係を作ることができるのです。
そして、かっこいい上司として周囲からひと目置かれるようになります。しだいに、多くの人から支持されるようになるのです。
そのため、部下から嫌われるというデメリットよりも、部下から信頼を得られるという大きなメリットを獲得できます。
部下に舐められる上司まとめ
ここまで、部下に舐められる上司の特徴などについて解説していきました。近年話題になった「ブラック企業」や長時間労働といった社会背景から、社員に配慮する必要性が高まっています。
一方で、社員を配慮しすぎて上司を舐める部下が目立っている側面もあります。相手を配慮しすぎる、いい上司や優しい上司が部下に舐められがちです。
この記事では、そんないい上司が部下に舐められないための4つの秘策を紹介しました。4つの秘策に関して振り返ると、次の通りです。
- 言葉遣いを変える
- 叱り方を工夫する
- 権限をちらつかせる
- 曖昧な態度を取らない
いい上司は、よくも悪くも相手に配慮しすぎて、優しすぎる部分があります。相手に優しくすることは素晴らしいことですが、時には毅然とした態度で部下に指示を出すことも重要です。
そうすることで、部下に舐められなくなり、対等な関係性を築き上げることができます。
これらの秘策を使っても、部下から嫌われることはありません。むしろ、相手からかっこいい上司として尊敬されるようになります。ぜひ、実践してみてください。
部下に舐められてしまう上司は、その人間性が悪いわけではありません。自分の性格を大切にしつつ、上司と部下、お互いにとって良い関係を築き上げていきましょう。