危険物取扱者の資格を活かして転職を考えているなら、「どんな転職先があるだろうか?」「危険物取扱者は転職に有利だろうか?」と気になっているのではないでしょうか。
危険物取扱者の資格を活かして転職を成功させたいと思っていても、どんな転職先があるのか、今の職場を辞めてスキルアップができるのか不安な部分もあるはずです。
そこで、本記事では危険物取扱者の資格を活かした転職先は、どんなところがあるのか解説していきます。
また、おすすめな転職サイトなども併せて紹介していきます。危険物取扱者の資格を活かして、今よりもスキルアップして転職を成功させましょう。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/844022)
危険物取扱者の3つの資格の違いと取扱いの違い
危険物取扱は「甲種」「乙種」「丙種」の3種に分かれていて、それぞれ取扱える危険物の種類が異なります。
免状の種類 | 取扱いのできる危険物 | |
甲種 | 全種類の危険物 | |
乙種 | 第1類 | 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体 |
第2類 | 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体 | |
第3類 | カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質 | |
第4類 | ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体 | |
第5類 | 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質 | |
第6類 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体 | |
丙種 | ガソリン、灯油、軽油、重油など |
(参考:https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/kind.html)
甲種は難易度が一番高い資格で、1~6類すべての危険物を取り扱うことができます。乙種は、1~6類の中で免状を取得したものだけ取扱い可能です。
そして、丙種は第4類の危険物の一部だけを取り扱えます。1類から類6まである中で、乙種4類は、ガソリン・灯油・軽油・エタノールのような、メジャーな危険物を取り扱えるので転職に有利な資格です。
危険物取扱者の主な仕事内容
危険物取扱者は、危険物の取り扱い・保守管理・点検・運搬を行うのが主な仕事です。
①危険物を取り扱う職場、②危険物を保管する職場、③危険物を運搬する職場の3つには危険物取扱者をおかなくてはなりません。
例えば、ガソリンスタンドをはじめ、危険物を製造する化学・石油メーカーでは、取扱いの監視や管理が徹底されているか点検作業を行います。
発電所やプラント施設では、プラントの見廻りや監視をはじめ、燃料の投入、設備の点検・修理、非常時の対応などの業務をこなすことになります。
危険物取扱者の転職を有利にするならどの資格まで取ればいいのか
危険物取扱者の資格の転職を有利にするなら、どの資格まで取るべきでしょうか?実は、6種すべて取り扱っている企業が少ないので乙4種だけでも充分転職は有利になります。
ただし、大手メーカーなどでは甲種取得を求められる場合もあるので、確認が必要です。甲種を受験するには以下の受験資格が必要となります。
- 修士・博士の学位をもっている
- 大学等で化学に関する学科等を修めて卒業している
- 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者である
- 乙種危険物取扱者を取得後 実務経験2年ある
- 乙1~6類のうち4種類以上もっている
大学で化学を専攻していれば、甲種の受験資格を得ることができます。実際は、就職後乙種の危険物取扱者取得後2年の実績経験を経験した後、甲種の資格が取れるのでこちらの場合が多いようです。
転職先が求める資格が、乙4類で対応できるなら甲種の資格は必要ありません。転職先の求める資格は何か確認してみましょう。
危険物取扱者が転職できる主な職業
危険物取扱者の資格を持っていると、どんな職業に転職できるのでしょう。主に次の6つの職業があげられます。
- ガソリンスタンドのスタッフ
- タンクローリー運転士
- 食品製造業
- ビル設備管理スタッフ
- 石油や化学系のメーカー
- 発電所やプラント施設
①ガソリンスタンドのスタッフ
危険物取扱者の主な転職先の一つにガソリンスタンドがあります。ガソリンスタンドは、危険物であるガソリンや灯油を取り扱う場所です。そのため、危険物取扱者を置かなくてはなりません。
乙種4類を持っていれば、ガソリンスタンドで危険物の取扱の安全性を監視する危険物保安監督として働くことができます。
ガソリンスタンドの求人は多くありますが、乙種4類を取得しておけばガソリンスタンドへの転職が有利になるばかりでなく、責任ある仕事を任せてもらえるでしょう。
②タンクローリー運転手
危険物取扱者の業務の一つに危険物の運搬があります。そのため、危険物の運搬に使われるタンクローリーの運転手も転職先として考えられます。
企業は、危険物取扱者の資格を持ったドライバーを必要としているので、危険物取扱者の資格を持っていれば転職が有利になります。
タンクローリーを運転の際には必ず危険物取扱者が運転、もしくは同乗しなくてはならないため資格保持者の求人は多くあります。
③食品製造業
危険物取扱者の主な転職先の一つに、食品製造業があります。食品製造で取り扱う動植物油類などの油も、引火性液体として危険物に分類されるため企業は危険物の知識のある人材を必要としています。
乙種4類では、ガソリンや灯油などの危険物の他にも動植物油類の知識も取得できます。そのため、食品製造業への転職も考えられるのです。
企業は、食品製造業で取り扱う油への危険知識のある人材を求めています。つまり、危険物取扱者の資格を持っていれば転職が有利になるのです。
④ビル設備管理スタッフ
危険物取扱者の転職先として、ビル設備管理のスタッフがあります。ビルにある非常用発電機の燃料には、危険物である重油や軽油を使う場合があります。
そのため、ビル設備管理への転職には危険物取扱者の資格が有利になるのです。また、危険物取扱者は保守管理や点検業務も仕事の一つなので、ビル設備管理スタッフへの転職は資格を活かせる職場と言えます。
⑤石油や化学系のメーカー
危険管理の仕事もこなす危険物取扱者にとって、石油や化学系のメーカーへの転職も考えられます。
石油や化学系のメーカーでは、危険物を取り扱います。危険物を取り扱う場合や保管する際には、危険物取扱者の立ち合いが必要です。そのため、資格を持っていると転職に有利なのです。
転職先は、石油コンビナートや化学、印刷工場などがあります。さまざまな危険物を取り扱う可能性があるため、甲種の資格を取得している方が更に転職は有利になるでしょう。
⑥発電所やプラント施設
危険物取扱者は、発電所やプラント施設への転職も期待できます。
発電所やプラント施設では、見廻りや監視をはじめ、燃料の投入、設備の点検・修理、非常時の対応などさまざまな仕事があります。現場では、危険物取扱者しか行えない業務も多いため転職には有利なのです。
発電所のメンテナンスをする場合、危険物取扱者の資格は必要なため、資格支援をしている企業も多いほどです。
企業から危険物取扱者の資格保持者は、即戦力がある人材と見られるでしょう。
転職に危険物取扱者のメリットはあるか
危険物取扱者の資格を取得しているとどんなメリットがあるのでしょうか。危険物取扱者の資格をもっていれば、転職の幅が広がりスキルによっては給与・年収アップが期待できるのです。
危険物取扱者の資格は、誰もが持っている資格ではないため保持しているだけで、資格を持っていない人と比べると転職の成功率は高くなります。
また、取得後も定期的に保安講習を受ける義務があります。保安講習を受けることで、さらに危険物に対する知識が身に付きスキルアップすることができるのです。
危険物取扱者の資格のスキルが、給与にも反映されキャリアアップにつながるでしょう。
危険物取扱者が転職で求められる能力とは?
では、企業が危険物取扱者に求める能力とはどんなものでしょうか。それは、以下の3つがあげられます。
- 危険物に関しての高い知識や経験
- 通常以上の集中力
- 専門家としての強い責任感
企業は、危険物取扱者の知識や法令や化学の高い知識などの能力を求めてきます。面接時には、自分の知識をしっかりアピールすると良い印象を得られるでしょう。すでに経験があればそれも強みになってきます。
危険物取扱者は、転職後は危険物取扱の監督者としてのポジションを任されることが予想されます。現場では、危険を伴う恐れもあるため高い集中力が求められるのです。
危険物を取り使うということは、火災の恐れも否定できません。危険物取扱者は火災を予防する対策や、万が一火災が発生してしまったら最小限に食い止めるための対応を求められるます。
危険物取扱者は企業から、火災への対策を要求されるため強い責任感が求められます。
危険物取扱者の資格取得者の平均収入や手当は相場は?
危険物取扱者の資格を活かして転職を考えるなら、平均年収や手当はどのくらいもらえるのか気になるところですよね。
そこで、この章では危険物取扱者の平均収入や、手当の相場を紹介していきます。平均年収と平均手当は以下のとおりです。
- 平均年収は 350~600万円
- 平均手当て 1,000円~3,000円
これは、あくまで平均ですが年収の幅が大きいのは、就職する会社によって大きく異なるからです。年収500万を超えてくるのは、大企業に転職して危険物取扱者の資格を生かした場合です。
例えば、三菱・住友・三井化学のような化学メーカーや、JX日鉱日石エネルギー・東燃ゼネラル・出光・昭和シェル・コスモ石油などの製油所などでは年収500万越えも夢ではありません。
給与に上乗せされる危険物取扱者の資格に対しての平均手当は1,000円~3,000円とこちらもバラツキがあります。
こちらも、転職先によって違いがでてくるようです。手当についての感想の口コミがあったので紹介しておきます。
危険物取扱者乙種4類の資格手当
ヒロモエ(33歳 車両整備)
私は危険物取扱者乙種4類の資格を持っています。仕事の特性上、軽油などの燃料関係を扱うので危険物の資格を取得している人がいなければならないため該当している私には技能、措置手当として月3000円支給されています。
私は工業高校出身で在学中に資格は自体は取得していました。受講料は3400円だったと思います。2回目で合格しました。テキストなどの勉強資料は学校にあったのでテキストなどの費用はかかっていません。
今回は社員の異動によって急に資格のある私が責任者となりました。合格から10年以上が経過し、免状等もなかったのですが会社から再交付手続きをしてもらいました。費用は会社負担で行ってくれました。
作業自体は支給される前から日常点検で行っていることなので苦労はありません。月末に所定の記録用紙に記入して現場長に提出するのが仕事としては増えました。時間にして10分くらいです。これで月3000円支給されるのはお得と感じています。
引用:https://www.taishoku-a.net/system/qualification-allowance-quotation.html
こちらの方のケースは、在職中の職場で危険物取扱者の資格保持者が他にいないため、会社側から再交付の費用も出してもらい責任者へ大抜擢されました。
本人は、それほど負担に思っていないようですが危険物への知識と注意すべき点をしっかり理解していることが大きいのでしょう。3,000円の手当は本人にとっても満足のいく手当のようですね。
危険物取扱者の資格を活かして転職を考えた時、心強いのは転職サイトです。
では、危険物取扱者の資格を活かして転職するのにおすすめなサイトはどこでしょうか。次の章では、おすすめなサイトを2つご紹介していきます。
危険物取扱者の資格を活かした転職におすすめな転職サイト①
まず紹介するおすすめな転職サイトは、dodaです。dodaは、経験者採用や即戦力人材の採用に強みを持つ求人サイトで専門性の求人も多く取り扱っています。
幅広い業種・職種に対応していて、それぞれのターゲットに特化した専門サイトも併設されています。
また、doda危険物取扱者の資格保有者に関する求人は、200件以上も保持しているので、危険物取扱者の資格を活かした転職も見つけやすいでしょう。
化学工場での勤務など、その種類も豊富なので、キャリアアップを狙う方はぜひ利用してみてください。
危険物取扱者の資格を活かした転職におすすめな転職サイト②
次に紹介するのは、リクナビNEXTです。リクナビNEXTは、登録者数1,000万人を超える日本最大級の転職サイトです。
公開求人数が多いリクナビNEXTですが、特に魅力なのは幅広い業界・職種にて、多くの求人を保有している点です。
そのため、乙4類の資格を持つ方の求人も取り扱っています。ビルの管理やタンクローリーの運転手などの求人が多いのも特徴です。
大手企業関連の求人もあるので、転職先も思いもよらない好条件を見つけることができるかもしれません。自分の資格や経験を活かした転職を希望しているなら、リクナビNEXTを活用してみるのも良いでしょう。
【まとめ】危険物取扱者の資格を活かして転職を成功させよう!
危険物取扱者の資格を持っていれば転職に有利になります。3種類ある中で、最低でも乙種4種を取得しておけば転職先は多く見つかるはずです。
今以上のスキルアップを図るなら、更に上の資格も挑戦してみましょう。大手企業への転職をつかむことができるかもしれません。
資格を保持していれば、企業によってバラツキがあるものの手当や、給与アップに繋がります。また、責任あるポジションを与えられるチャンスもあるでしょう。
危険物取扱者の資格を活かして転職を成功させたいなら、転職サイトを使った転職活動も検討してみてください。紹介したサイトなら、自分ではなかなか見つけられない求人と巡り合う可能性もあります。