web関連の仕事に転職したいと考えているのなら、ウェブ解析士という資格が役に立つかもしれません。
今回は、ウェブ解析士がどのような資格なのか、また、ウェブ解析士の資格が活かせる仕事などをご紹介します。
この記事を読めば、ウェブ解析士についての一通りの知識が身に付いて、web業界へ転職したいあなたの役に立ちますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/8353802/
ウェブ解析士とはどのような資格なのか
ウェブ解析士とは、webサイトから得られる情報(アクセス履歴、ページビュー数、広告のクリック率など)の解析を目的に、webサイトの売り上げアップに必要なデータ解析知識やスキル量を測るための資格です。
近年のインターネットの著しい普及によって、テレビCMや雑誌などのアナログな広告戦略よりも、webサイト上の売り上げを上げるための技術や知識は、需要が高まっています。
誰もがインターネット上でサービスや物を購入した経験はあるでしょう。消費者に購入を促すためにはwebサイトの出来も大切ですが、購入に繋げるまでの想定顧客のデータ収集、分析、解析は売り上げの要です。
ウェブ解析士の知識があれば、運営するwebサイトから得られるアクセスデータなどの情報を利用し、狙った顧客に対して効果的な広告や購買への導線をwebサイト上で効果的に構築する等の仕事で役立ちます。
ウェブ解析士の資格は転職に有利なのか?
では、そんなウェブ解析士の資格は本当に転職に有利なのか、気になりますよね。ウェブ解析士は、ウェブ解析士協会のホームページにて、以下のように定義されています。
ウェブ解析士はウェブマーケティングの基礎について幅広く学んでいますので、広告、ディレクション、解析、開発、運営等、幅広く知識を保有しています。
引用:https://www.waca.associates/jp/study/wac/benefit/
上記のように、ウェブ解析士とは「web解析業務の専門知識を持った人材」として認識されますので、web業界の転職活動において有利に働きます。
特に、未経験からweb業界への転職を考えている方にとっては、資格を持っていることで一定の権威性を示すことができるので、他のライバルよりも有資格者として優位に立つことができるでしょう。
次の章では、転職活動で有利になること以外の、ウェブ解析士の資格を取るメリットについてご紹介します。
ウェブ解析士の資格を取るメリット
ウェブ解析士の資格を取ることで得られるメリットを、下記にまとめました。
- ウェブ解析に詳しくなれる
- ウェブ解析士名簿に名前が載る
- ウェブ解析士協会から仕事を得られる
ウェブ解析に詳しくなれる
ウェブ解析士の資格を取得するための勉強や試験の中で、単に知識だけでなく、実際にアウトプットする実務に近い経験をすることができます。
つまり、資格のために勉強することや試験を受けること自体が、将来的なウェブ解析技術を養うことに直結しているのです。これは、よくある他の資格試験との大きな違いでしょう。
ウェブ解析士名簿に名前が載る
ウェブ解析士の資格を取得することで、ウェブ解析士協会の名簿にあなたの名前が載ります。(参考:https://membership.waca.world/members/)
これによるメリットは、ウェブ解析士を求めているクライアントから、あなたへ仕事の依頼が来る可能性があることです。
また、自称しなくても協会が名前を載せてくれるので、自身の権威性を簡単に証明できる点も、大きなメリットです。
ウェブ解析士協会から仕事を得られる
資格を持つことで、ウェブ解析士協会がクライアントとあなたをマッチングさせてくれます。
その仕組みは、ウェブ解析士協会のHPから課題を持ったクライアントが相談することで、前述した名簿の中から協会が解析士をあっせんしてくれるというものです。(参考:https://consulting.waca.world/)
つまり、資格を持つことで、協会による就業支援を受けることができるのです。
ウェブ解析士の3つのレベル
ウェブ解析士には、全部で3つのレベルが存在しますので、下記に紹介します。
- ウェブ解析士
- 上級ウェブ解析士
- ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士
ウェブ解析における、基本的な知識を学ぶことができる資格です。例えば、ウェブ解析における用語や、データを解析するツールの読み取り方などの、基礎を身に着けることができます。
これからwebマーケティング関連の知識を付けたい方が、まず取得を目指すとよい資格です。
上級ウェブ解析士
ウェブ解析の応用知識を学ぶことで、実際にwebマーケティング戦略をサイトの運営者に提示するレベルに到達できるスキルが求められる資格です。
試験では実際に、学んだ知識を使って例題のwebサイトが抱える売り上げに関する課題を解決するためのレポートを作成するなど、前述したウェブ解析士より一歩進んだ実務寄りの資格となります。
ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士の中で最上位の資格となります。これまでのウェブ解析士の知識や実務を、後進に指導するまでの知識と技術レベルに達していることが求められます。
公開講座の資料作成から実際に後進へ授業をするまでが試験であり、その内容を現役のウェブ解析士マスターによる審査を受けて認定を受ける必要があるなど、前述した2つの資格以上の難易度となっています。
ウェブ解析士の資格を活かした転職で、注意すること
前述の通り、ウェブ解析士の資格は転職の可能性を広げる効果がありますが、資格の取得に関しては注意点もありますので、ご紹介します。
- 最初から上級やマスターの試験は受けられない
- 資格には有効期限がある
- 資格を持って実務することが重要
最初から上級やマスターの試験は受けられない
上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの知識レベルを持っていても、はじめからそれらの資格試験を受けることは出来ません。
そのため、はじめてウェブ解析士関連の資格を取る人は、まずは初級の「ウェブ解析士」の資格を取得してから、上級の資格へ1つずつステップアップしていく必要があります。
資格には有効期限がある
ウェブ解析士の資格には、1年の有効期限があります。そのため、一度試験に合格したらそれで終わりではなく、1年ごとに無料のフォローアップ試験を受けて資格を更新する必要があります。
これはウェブ解析士という資格の特性上、常に最新の知識と技術を保つ必要があるからです。
また、年会費として6,600円も納める必要もあるため、資格の維持のためには常に学ぶ姿勢と、若干の費用が必要となることを覚えておきましょう。
資格を持って実務することが重要
ウェブ解析士の資格がなくても、ウェブ解析に関わる仕事は可能です。つまり、弁護士や会計士のように、特定の仕事に対して必須の資格ではありません。
重要なのは、ウェブ解析の技術を使って実際に仕事を行うことであり、単に資格を持つことに満足するだけでは意味がないのです。
そのため、「ウェブ解析に関わる仕事に転職をしたい」方や「ウェブ解析士として権威性を示し、アピールしたい」などの人にとっては重宝する資格ですが、ただ資格が欲しいだけの方には取得をおススメできません。
ウェブ解析士の資格の難易度と、かかる費用は?
ウェブ解析士は、上級やマスターでなければ、資格の取得難易度は低めと言われています。公式が発表している2021年の合格率は、54%です。(参考:https://www.waca.associates/jp/qanda/43379/)
また、ウェブ解析士協会が発表しているウェブ解析士の資格を取るための学習時間は、ウェブ業界経験者であれば1~1.5か月、未経験者は2~3か月と言われています。(参考:https://www.waca.associates/jp/study/wac/study-time/)
尚、試験費用は受験申込すると付いてくる公式テキスト代と合わせて、22,000円かかります。前述した年会費6,600円も含めると、資格の取得と維持にはお金がかかることが分かりますね。
そのため、実際に資格を取得する際は、あなた自身と資格との費用対効を考えてから臨むことをおススメします。
ウェブ解析士の資格が活かせる具体的な転職先とは?
続いて、ウェブ解析士の知識と資格を活かせる代表的な転職先を、4つご紹介します。
- webマーケティング職
- webアナリスト職
- web制作・webデザイン職
- webコンサルティング会社
これらの仕事は、すべてウェブ解析士の資格を取るための勉強や試験における実技の経験が役に立つ転職先です。
ただし、前述した通り、ウェブ解析士の資格そのものがないとできない仕事というわけではありません。
次の章からは、これらの転職先で、ウェブ解析士としての知識や技術が具体的にどう活かせるのか、1つずつ詳しくご紹介します。
ウェブ解析士が活かせる転職先① webマーケティング職
まず、ウェブ解析士の知識や技術が活かせる転職先の筆頭は、webマーケティング職です。
仕事内容は、webサイトを通じた商品、サービスの売り上げを伸ばすことを目的に、クライアントのサイトが抱える根本を解析によって想定し、解決することです。
例えば、解析データから仮定した集客につながりやすい検索キーワードを洗い出し、それを基にクライアントのサイトを改善することや、集客につながる広告を作って発信するなど、高い戦略性が求められます。
それらの提案によって、狙い通りの顧客層に売りたい物やサービスを提供することに繋げた後も引き続き分析を行い、更なる売り上げ向上のためのPDCAサイクルを回し続けることも仕事です。
ウェブ解析士が活かせる転職先② webアナリスト職
続いて、解析技術を用いた仕事として、webアナリストという職を紹介します。仕事内容は、クライアントのwebサイトを詳細に解析して集めたデータを基に、サイトの抱える問題の把握です。
解析の後は、サイトの抱える課題を上げて、対策を打ち出します。なお、対策の根拠は、ページの解析結果から導き出された統計に基づいたものでなくてはいけません。
例えば解析の結果、対象の商品を売りたいと狙っている顧客とは違う層(年齢、性別など)が多くサイトにアクセスしていた場合、商品そのものを変更することや、サイトの内容を変える提案などを行います。
それらによってサイトを活性化させ、アクセス数と顧客のページ内の滞在時間を延ばすなどの対策を取ることによって、商品やサービスの購入を促進させることが仕事として求められます。
ウェブ解析士が活かせる転職先③ Web制作・Webデザイン職
クライアントの要望に従ってwebサイトのデザインやサイトを構築する職種においても、アクセスを稼ぎやすいサイト構造や目に留まるデザイン案を練るために、ウェブ解析の知識が重宝されます。
例えば、サイトの閲覧数や、集客力の強いページを利用して狙った顧客を特定の販促ページにアクセスさせる導線を構築するなどの戦略は、ウェブ解析の知識が大いに役立つのです。
また、解析結果からアクセスが多くて広告効果の高いと分かったページには、他の集客記事とは異なるデザインを施すことで高い販促効果をもたらす工夫も、ウェブ解析士が力を発揮する要所となるでしょう。
ウェブ解析士が活かせる転職先④ webコンサルティング会社
インターネットが爆発的に普及した現在であっても、いまだインターネットに頼らない広告や販売方法で商売を行っている人や業界は多く存在します。
そのようなクライアントのために、ウェブ解析によって導いたトレンドや市場のニーズを活用し、webを使った集客や情報発信を導入するサービスを担うのが、webコンサルティング会社です。
業務内容は、クラインアントのサイト設計から立ち上げ、運営後の解析によってサイトのコンテンツをブラッシュアップすることであり、ウェブ解析の技術や広い応用知識が必要となります。
そして、ウェブ解析の基礎から解析方法をしっかり伝授することで、クライアントが自分でサイトを運営できるまで面倒を見るという先生のような側面もあり、大変な分やりがいも大きいです。
まとめ ウェブ解析士の資格で、ライバルより有利に転職しよう!
ここまで読んだことで、ウェブ解析士の資格について理解が深まったのではないでしょうか?以下が、今回の記事のまとめです。
- ウェブ解析に関する仕事は、近年ニーズがある
- ウェブ解析の仕事をするために、ウェブ解析士の資格勉強と取得は役に立つ
- ただし、ウェブ解析の実務をしない人にとっては、資格は必要ない
- 資格の取得と維持のコストは高めである
ウェブ解析の技術の需要は今後も高まることが予想されます。そのため、ウェブ解析の知識をつけておくことは、web業界へ転職する場合は有利となるでしょう。
そこで、転職活動においてライバルに差をつけるためのアピールポイントと権威性を持つために、ウェブ解析士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?