転職エージェントで見かける「非公開求人」という言葉。その名の通り“一般に公開されていない求人”のことですが、何故求人を非公開にしているのでしょうか。
また、求職者からしてみれば「公開求人と何が違うの?」と疑問が浮かぶでしょう。そこで今回は、上記の疑問を解説しながら、非公開求人のメリット・デメリットを紹介していきます。
非公開求人には人気企業や高年収の案件が多いので、希望の条件を満たす求人が見つかるかもしれません。公開求人だけを見て「中々理想の企業が見つからない」という方も、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/ssl-https-安全性-2890762/#content)
転職エージェントの「非公開求人」とは?
非公開求人とは、企業のホームページや転職サイトなどで、一般に公開されていない求人のことを指します。
企業名や業務内容などを一切公開しておらず、転職エージェントに登録した方のみが非公開求人の紹介を受けられます。
非公開求人は「大手企業」や「幹部クラス」の案件が多い傾向にあり、キャリアアップや高年収を狙いやすいのが特徴です。
ちなみに転職エージェントが保有する非公開求人の割合は、“総求人数の約8割”と言われています。
転職エージェントが求人を非公開にする理由
求職者からしてみてれば「わざわざ非公開にする必要はあるの?」と疑問が浮かぶことでしょう。
求人を公開しないのは“企業の思惑”が関係しており、大きく分けて2つの理由が挙げられます。
- 企業の情報を競合他社に知られたくないため
- 採用活動を効率良く進めるため
企業の情報を競合他社に知られたくないため
求人を非公開にする理由として、企業が情報を公にしたくないことが挙げられます。
例えば、新規事業の開拓や特定部門の強化を検討している場合、事業を開始するまでは競合対策の観点で情報は公にしたくないものです。
公開求人の場合、業務内容や求めるスキルなどを記載する必要があるので、企業の戦略や募集の背景が明らかになってしまいます。
上記のような事情から、情報を公にすることなく採用活動を行うため、企業は非公開求人を選ぶのです。
採用活動を効率良く進めるため
企業にとって人材募集は、多大な時間や労力を要します。効率良く採用活動を進めるため、求人を非公開にする企業も多いようです。
特に有名企業や重要なポストの求人は、公開すると応募が殺到してしまい、候補者を選別するだけでも手間がかかります。
非公開求人であれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーが候補者を選別してくれるので、企業が求める人材に対してのみ面接を行えます。
その結果、採用にかかる時間や労力を軽減できるので、求人を非公開にする場合があるのです。
転職エージェントの非公開求人と公開求人の違いは?
転職エージェントの求人は「非公開」と「公開」の2種類に分けられますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの特徴を比較した早見表を用意したので、ぜひ参考にしてみてください。
項目 | 非公開求人 | 公開求人 |
求人を見る条件 | 転職エージェントに登録 | 自由に閲覧可能 |
メリット | ・人気企業や大手企業の求人が多い
・幹部クラスの求人が豊富 ・自分にマッチした求人を見つけやすい |
・転職エージェントに登録しなくても情報を確認できる
・自ら応募できるサービスもある ・非公開求人より採用のハードルが低い求人が多い |
デメリット | ・経験やスキルによっては求人を紹介してもらえない
・企業が求職者に求めるレベルが高い ・情報を収集しにくい |
・大量募集の案件が多い傾向にあり、人によっては魅力を感じにくい
・企業の採用意欲や求める人材像が曖昧な場合がある |
公開求人と比べると、非公開求人は「優良企業と出会いやすい」「応募のハードルが高い」といった特徴が挙げられます。
非公開求人のメリット・デメリットについては、次の章から詳しく解説していきます。
非公開求人のメリット
この章では、先程の表で紹介した非公開求人のメリットについて詳しく説明していきます。
- 人気企業や大手企業の求人が多い
- 幹部クラスの求人が豊富
- 自分にマッチした求人を見つけやすい
人気企業や大手企業の求人が多い
求人を非公開にする理由にもあったように、応募が殺到する可能性がある人気企業や大手企業は、非公開求人を利用する傾向があります。
そのため、人気企業や大手企業への転職を考えている方は、非公開求人を紹介してもらう方が希望の企業を見つけやすいと言えます。
幹部クラスの求人が豊富
非公開求人は、事業戦略に関わる人材を求めている企業が多く、幹部クラスの求人を豊富に取り扱っています。
実際に管理職の求人やミドル・ハイクラス向けの求人は、非公開求人になっている場合が多いです。
ですので、キャリアアップや高年収を目指している方は、転職エージェントに登録して非公開求人を紹介してもらうのがおすすめです。
自分にマッチした求人を見つけやすい
前述したように、転職エージェントが保有する非公開求人の割合は、総求人数の約8割と言われています。
非公開求人の紹介があれば、多くの選択肢の中から転職先を選べるので、より希望に近い求人を見つけることが可能です。
また、非公開求人は若干名での募集が多く、専門的なスキルなど条件を絞って募集をかける傾向があります。
そのため、企業と求職者の条件がマッチする確率が高く、より自分に合った求人と出会える可能性が高まります。
非公開求人のデメリット
メリットを紹介したところで、非公開求人のデメリットを3つ紹介していきます。
- 経験やスキルによっては求人を紹介してもらえない
- 企業が求職者に求めるレベルが高い
- 情報を収集しにくい
経験やスキルによっては求人を紹介してもらえない
企業が非公開求人を利用するのには“転職エージェントに自社が求める人材だけを紹介してもらいたい”という意図があります。
もし採用基準を満たしていない人材を推薦した場合、転職エージェントは企業からの信用を失ってしまう可能性が高いです。
そのため、「企業が求める経験・スキルを満たしていない」と判断された場合、非公開求人を紹介してもらうことができません。
企業が求職者に求めるレベルが高い
前述したように、非公開求人は「大手企業」や「幹部クラス」などの案件が多く、豊富なキャリアや高いスキルを求められるケースが多いです。
企業が求職者に求めるレベルが高いので、必然的に転職のハードルは高くなります。
情報を収集しにくい
非公開求人は、業務内容や条件面の詳細について、転職エージェントからしか情報を得ることができません。
担当のキャリアアドバイザーから紹介され、初めて企業名や求人の内容を知ることができます。
求人を紹介されるまで情報を知る術がないのは、非公開求人のデメリットと言えるでしょう。
非公開求人に興味がある方は、複数(2〜3社)の転職エージェントに登録するのがおすすめです。
複数のサービスに登録すれば、非公開求人を紹介される可能性が高まり、多くの企業の情報を確認・比較できます。
非公開求人を多く保有するおすすめの転職エージェント
ここからは、非公開求人を多く保有する転職エージェントを3つ紹介していきます。
上記の3つのサービスは、非公開求人が多い上、キャリアアドバイザーのサポートに定評があります。
多くの求職者が利用している人気の転職エージェントなので、ぜひあなたの転職活動にも役立ててみてください。
次の章からは、3つのサービスの特徴について解説していきます。
①業界一の非公開求人を保有:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、約125万人が登録している国内最大級の転職エージェントです。(登録者数は2019年度実績)
「求人数No.1」の転職エージェントで、約20万件の非公開求人を保有しています。(2021年11月時点)
圧倒的に求人数が多く、対応している業界・職種も幅広いので、最初に登録する1社としておすすめです。
また、リクルートエージェントは「転職支援実績No.1」にも選ばれています。転職サポートも充実しているので、初めて転職する方も安心して利用できるでしょう。
②転職者満足度No.1の転職エージェント:doda
dodaは「転職者満足度No.1」に選ばれている人気の転職エージェントです。
求人数は業界トップクラスで、約3.5万件の非公開求人を保有しています。転職先の選択肢を広げたい方は、求人数が多い「リクルートエージェント」と併用するのがおすすめです。
また、dodaでは「転職サイト」のサービスも提供しており、エージェントサービスと併用して転職活動を進められます。
効率良く転職活動を進めたい方は、2つのサービスが利用できるdodaを検討してみると良いでしょう。
③ミドル・ハイクラス層向け:JACリクルートメント
JACリクルートメントは、ミドル・ハイクラス向けに特化した転職エージェントです。
常時約1.5万件の求人を保有しており、そのうち約6割が非公開求人となっています。
特に管理職や技術職、専門職に強みがあり、グローバル転職(外資系企業)に力を入れているのも特長です。
優良企業の求人を多く保有しているので、キャリアアップや高年収を目指している方は、ぜひJACリクルートメントを検討してみてください。
転職エージェントの「非公開求人」の内容まとめ
今回は、転職エージェントでよく目にする「非公開求人」について解説しました。改めて非公開求人の内容について簡単にまとめてみます。
- 転職エージェントに登録しないと紹介してもらえない
- 「大手企業」や「幹部クラス」の求人が多い
- キャリアやスキルを積んでいないと紹介してもらえない場合がある
- 複数のサービスに登録した方が非公開求人の情報を得やすい
非公開求人を紹介してもらうには、転職エージェントに登録する必要があります。
公開求人よりも高待遇の案件が多いので、特にキャリアアップや高年収を目指している方は、転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
紹介した3つのサービスは、多くの非公開求人を保有しているので、ぜひあなたの転職活動にも役立ててみてください。