近年、ヘッドハンティングされる医師が増えていることはご存じでしょうか?
今回の記事では「ヘッドハンティングが行われる理由」「ヘッドハンティングを受けるかどうかの判断基準」などについてまとめてみました。
今回の記事を読むことで、どうやってヘッドハンティングを受けるかどうか判断すればいいのか?がわかりますので、キャリアアップを考えている医師の方は最後まで読んでくださると幸いです。
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なぜ医師のヘッドハンティングが増えているのか?
医師のヘッドハンティングが増えている理由は、病院側にあります。
2025年に向けて医療機関の機能分化を推し進めていることから、経営の中心となる人材、専門的なスキルを持った人材が求められています。
しかし、病院側からすると優秀な人材を一般の採用で集めることは難しいです。
そのため、すでに実績やスキルが明らかになっている人材をほかの病院からヘッドハンティングしたい、という病院側の都合から医師のヘッドハンティングは増えています。
医師のヘッドハンティングを専門とする企業が増えている
医師のヘッドハンティングの需要が高まるにつれて、医師のヘッドハンティングを専門事業とする企業やサービスも増えています。
医師がヘッドハンティングを専門とする企業やサービスを利用することには、医療機関、医師双方にとって大きなメリットがあります。
医師のヘッドハンティング専門サービスを利用することで、医療機関にとっては他の病院には知られたくない新しい標榜科目の部長職や、待遇などの情報を公開しないまま採用を行えるというメリットがあります。
また、医師側のメリットは、医師専門のヘッドハンティング企業だけが持っている貴重な情報を基準に転職するかどうかを決めることができるということです。
ヘッドハンティングされやすい医師の特徴
ヘッドハンティングされやすい医師にはどのような特徴があるのでしょうか?ヘッドハンティングされやすい医師の特徴は、「勤務先での評価が高いこと」。次に、「勤務している医療機関が有名であること」です。
これらの特徴は、医師のスキルの高さを判断する際の基準になります。
医療機関は常にスキルの高い医師を欲しているため、「勤務先での評価が高いこと」と「勤務している医療機関が有名であること」を判断材料としてヘッドハンティングを行なっています。
また、管理職として即戦力になり得るベテランの医師がヘッドハンティングされるケースも多いようです。
若い医師へのヘッドハンティングが増えている
ヘッドハンティングと言えば、以前はスキルのあるベテラン医師を即戦力として雇うというのが主流でした。
しかし近年では、30代の若手医師のヘッドハンティングが増加しています。メディアの発達によって、ベテランの医師でなくとも個人の実績が見えやすくなってきたことが理由として考えられます。
また、若くて体力のある医師を、長期にわたって雇いたいという医療機関側の都合も理由の1つです。
ヘッドハンティングによる転職を考えている医師にとってはチャンスと言えるでしょう。
医師がヘッドハンティングを受けるメリット
医師が実際にヘッドハンティングを受けた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ヘッドハンティングを受けるということは医療機関から必要とされているということですから、待遇はよくなる可能性が高いです。
医師の平均年収は1456万円と言われていますが、ヘッドハンティングを受けたことで年収が1000万円以上上がったケースもあるようです。
また、ヘッドハンティングされるということ自体、医師として評価されているということの証明ですので、あなたの実績アップにもつながります。
医師がヘッドハンティングを受けるデメリット
逆にヘッドハンティングを受けることによるデメリットはあるのでしょうか?ヘッドハンティングには、転職する時期を選べないというデメリットがあります。
自分の希望する条件に合わせて転職するわけではなく、医療機関の依頼とヘッドハンターのスカウトを待たなければならないためです。
また、ヘッドハンティングを受けるほどの医師の場合、転職によって現在の患者の引継ぎや医療体制への影響も十分に考えられます。場合によっては転職するかどうかの判断に数年かかるケースもあるようです。
転職のタイミングについて、現職の医療機関とスカウト先の医療機関双方の都合を考えて慎重な判断を迫られることがデメリットと言えるでしょう。
ヘッドハンティングを受けるときの注意点
ヘッドハンティングを受けるときにはどのようなことに注意しておけばいいのでしょうか?
ヘッドハンティングを受けるときの注意点は、3つあります。「待遇」「相性」「退職」の3つです。
待遇
ヘッドハンティングを受けるときには必ず待遇面を確認しましょう。「自分のスキルが評価されてスカウトされたから、給料は上がるはずだ」と安易に考えて待遇の確認を怠ると、今より給料が下がることも考えられます。
相性
転職先の医療機関とあなた自身の相性が合うかどうかも大切です。職場の人間関係や社風を事前にしっかり確認しましょう。
具体的には、「転職先でどのような働きが期待されているのか」、「一緒に働くことになるメンバーはどんな人たちなのか」ということについて確認しましょう。
これらについては、ヘッドハンターや医療機関との面談(※次章にて後述)の際に確認することができます。
退職
今いる職場をしっかり退職できるかどうかも注意点です。ヘッドハンティングを受けるということは、現職の医療機関でもそれなりの戦力であるはずです。
どうしたら円滑に退職できるのかを現職の医療機関、ヘッドハンターと話し合うことが大切でしょう。
ヘッドハンティングから転職までの流れ
ヘッドハンティングは、突然メールや電話を受け取る、病院内で声をかけられるなど、唐突なタイミングでやってきます。
こうしたヘッドハンティングの誘いにあなたが応じた場合には、まずヘッドハンターとの面談が行われます。この面談では主に、転職先で求められていることや転職の意思があるかどうか話し合うことになるでしょう。
その後、実際に医療機関との面談が行われます。まずは採用担当者、やがて病院長や理事長と面談するというケースが多いようです。
面談の際には「転職先でどのような働きが期待されているのか」、「一緒に働くことになるメンバーはどんな人たちなのか」ということについて確認しておきましょう。
最後に現職の医療機関の退職手続きをし、入職日が決まったら本契約となります。ヘッドハンティングはあなたにとっても現職の医療機関にとっても大きな出来事ですので、慎重な決断を下しましょう。
ヘッドハンティングと転職エージェントの違いは?
ヘッドハンティングが病院側の都合による転職であるのに対して、転職エージェントは医師側の都合に立った転職であるという違いがあります。
つまり、ヘッドハンティングは病院が望む条件に合う医師を探しだすというのに対して、転職エージェントは医師が望む条件に合う病院を探すということです。
- 好待遇で迎えられることが多い
- 非公開の情報を知ることができる
- 転職時期を自分で選べない
- 自分の希望に応じた職場を探すことができる
- 非公開の求人情報を見ることはできない
キャリアアップを望んでいて、今すぐ転職を考えているというわけでなければヘッドハンティングを待つのが良いでしょう。
ヘッドハンティングされる医師について まとめ
ヘッドハンティングされる医師についてお伝えしてきました。最後に今回お伝えした内容をまとめておきます。
- 管理職に就ける人材、長期的に働ける若手医師のヘッドハンティングが増えている
- ヘッドハンティングのメリット:より良い待遇、キャリアアップにつながる
- ヘッドハンティングのデメリット:転職時期を選べない
- ヘッドハンティングを受けるときは「待遇」、「相性」、「退職」が注意点
- 突然のオファー→ヘッドハンターとの面談→医療機関との面談→退職手続きという流れでヘッドハンティングは行われる
ヘッドハンティングを受けた際には、ぜひ今回お伝えしたことを参考にしてみてください。