ヘッドハンティングとは会社に勤めている人材を、その能力が欲しい別の会社がスカウトする事を指します。
実際にヘッドハンティングをされたら、社外から高く評価されていると嬉しく思い入社を即決してしまいがちです。しかしちゃんと確認もしないで入社するのはとても危険です。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前に、確認すべき事項をまとめました。是非参考にしてみてください。
ヘッドハンティングには本当と嘘がある
ヘッドハンティングといっても「本当のヘッドハンティング」と「嘘のヘッドハンティング」の2種類あります。
「本当のヘッドハンティング」は会社が欲しいと思った人材をスカウトします。しかし「嘘のヘッドハンティング」は不特定多数の人材にスカウトをするのです。
詐欺の可能性があるものや、雇用目的であってもあまり良い条件ではない事もあります。そのヘッドハンティングが本当か嘘かを見極めるために、入社後の条件をしっかりと確認しましょう。
ヘッドハンティングをする目的
会社がヘッドハンティングをする目的は、会社をより良くするために必要な能力を持った人材を雇用したいからです。そのため会社側は真剣に人材を探して交渉してきます。
しかし中にはライバル会社を潰す目的で、大量にヘッドハンティングをする会社もいるのです。競合する会社が少ない業界の場合、ライバル会社が1つなくなるだけでも売り上げが伸びるためです。
そしてライバル会社から引き抜けた人材は、引き抜いた時点で大半は用済みとなり良くない待遇を受ける可能性があります。
ヘッドハンティングで求められる人材とは
では実際にヘッドハンティングをされるのはどのような人材なのでしょうか。
ヘッドハンティングされる多くが管理職や技術職を経験している人、海外勤務経験・外国語学力がある人、優れた営業成績を出す人、そしてコミュニケーション力が高く職場のモチベーションを良くする人です。
専門的な知識や技術を持っている人はもちろんの事、最近は人柄を重視したヘッドハンティングも増えてきたのです。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 雇用形態
まず雇用形態を確認しましょう。正社員、契約社員、パートのうちどれなのか。また、役員であるかどうかも確認しましょう。
通常ならばヘッドハンティングをするくらいなので正社員であると考えられます。しかし、入社してみたら「実は契約社員(もしくはパート)だった」という可能性もあります。
雇用形態によって給与や責任、雇用期間まで変わってくるので、ないがしろにしてはいけません。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 立場
入社後、自分はどの役職や部署に任命されるかを確認しましょう。例えば「部長」と「部付部長」のどちらであるかを確認する事、などです。
給与は同じでも、部長は職務権限が大きくて、部付部長は自分に関係する業務以外の権限がないのが一般的です。入社してから出来ると思っていた事が、立場によっては出来ない可能性があります。
特に日系企業は細かい立場については曖昧にしがちなのでしっかり確認しましょう。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 給与
給与は生活に大きく関わる重要な確認事項なので、しっかりと確認しましょう。年収だけを確認するのではなく、基本給や手当て、賞与、昇給の仕組みについて把握する事が大切です。
確認を怠ると今の年収より高くなると言われて入社を決めたのに、税金などで引かれてしまい結局手取りは入社前の方が高かった・・・となる事があります。
また、基本給が低く手当てや賞与の割合が高い事があります。条件を満たしていないと手当てや賞与が貰えなくなり、予定していた年収より低くなってしまう事があるのです。だからこそ給与の詳細を確認しましょう。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 責任
自分に課せられる責任を確認しましょう。雇用形態やポジション、会社などによって責任の内容が変わってくるので注意が必要です。
例えば、入社した時にはすでに達成が不可能な案件を任されて、達成できなかったから重い責任を負わされ、そのまま退職を迫られる場合もあります。
かなり良い条件でヘッドハンティングされたと思ったら、実は会社で起きた問題の責任を負わせるためだったというケースもあり得ます。入社後足元をすくわれないためにも、しっかりと確認をしましょう。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 入社日
実際に入社する日にちを確認しましょう。なるべく早い段階で確認する事がポイントです。
ヘッドハンティングした目的や、入社後に任せる予定の仕事が整理されている場合なら、より具体的で無理のない返事をしてくれるでしょう。
「可能な限り早く」のような曖昧な返事や、「1ヶ月以内に」のような急ぎの日にちを要求してくる場合があります。
前任者が急病・急逝してしまい、仕事が続けられないなら仕方がありません。しかしそれ以外の場合であれば、会社のあり方や入社後に任される予定の仕事になにか問題がある可能性が高いと考えられます。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 理由
なぜ自分をヘッドハンティングしたか、具体的な理由を確認しましょう。
ヘッドハンティングの多くは、過去に取引をした時に見たり聞いたりした、仕事ぶり・能力を把握して声をかけてきます。
そのため理由を尋ねれば、「あの時の取引の中であなたを評価する人がいた」「この業界内であなたの実績は有名だから」のような具体的な話が聞けるはずです。
そのため、履歴書や職務経歴書などで確認できる程度の理由しかない場合は、あまり良いヘッドハンティングではない可能性が高いです。
ヘッドハンティングを受けるべきか決める前の確認事項 会社
最後にヘッドハンティングをしてきた会社について確認しましょう。
本当に人材を必要としてヘッドハンティングをする会社がある一方で、人を貶めるためにヘッドハンティングをする人もいます。
声をかけてきた人の所属する会社や、大手転職会社との連携状況、有名企業からの仕事の受託実績を確認しましょう。
また個人情報の管理体制も可能なかぎり確認しましょう。個人情報保護方針を公開したり、プライバシーマークを取得していれば、最低限の体制は整っていると考えられます。
ヘッドハンティングの正しい断り方
ヘッドハンティングを断る場合、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
相手の会社の批判をしない
どんな内容のヘッドハンティングであったとしても、相手の会社を批判してはいけません。批判する事で生じるデメリットはあっても、メリットは何もないからです。
そして少なくとも自分を良く評価してくれた会社なので、最後まで丁寧な対応を心がけましょう。
電話かメールで断る
ヘッドハンティングを担当する人は誘うプロなので、直接会うと気持ちが揺らぐ可能性があります。断ると決心したのであれば、電話かメールで相手に伝える事をオススメします。
断る理由を正直に話さない
「給与が低い」「仕事内容に不満」「社内の雰囲気が自分に合わない」など、話をしていく内に思うことがあったかもしれません。しかしそれを相手に正直に話すのは避けましょう。批判に繋がります。
オブラートに包んだ言い方や、当たり障りのない理由を用意しましょう。
まとめ
ヘッドハンティングを受けたら、まずは嬉しい気持ちを落ち着かせる事が大切です。そして入社後の待遇やなぜ自分をヘッドハンティングしたかの理由、相手の会社についてしっかりと確認しましょう。
確認をして、今の会社を辞めて新しい会社にいっても自分に不利益がないとわかってから入社を決めるべきです。
断る場合は、自分を良く評価してくれた相手に対して、失礼のないようにしましょう。場合によっては、今後も関わる事があることを忘れてはいけません。