2000年代となり若年で起業する人が増え始め、実際にその若年層が独自のアイデアと技術力で活躍し、ここ最近では上場企業の経営者となることもあり得る新しい時代となりました。
若手社長の存在がメディアで報道されることも多くなり、より若者の起業への憧れが盛んとなっています。そんな中で大学在学中に社長になりたいと願望を抱える人や、なりたいけど思い悩んでいる人がいると思います。
今回は、社長になることを夢見るあなたへ、社長になることは難しいのかという疑問を紐解いていきますよ。
また、若手社長のメリット・デメリット、社長になっている人の共通点、起業のタイミング、若手社長の周りからの印象や、大学在学中に起業し、成功できることを証明した有名若手社長5人を紹介していきます。
社長になることは難しいのか?
社長という言葉を聞くと誇らしく大半の人は無縁の存在だと考えるかもしれませんが、実は社長は覚悟さえあれば誰でもなることが可能な役職です。
起業自体は特別や資格は必要なく、社員は1人でも名目上の社長になるので起業したいという意思があれば誰でもできます。
今の時代では年間の売上1,000万円ほどならある程度のビジネスモデルと資金があれば誰でもできるとされています。
しかし、数多にある企業の中で売上を継続して生き残っていくのが社長にとっての最大の難点です。次章では、若手社長のメリット・デメリットについて紹介していきます。
若手社長のメリット・デメリット
若手社長になる上でメリット・デメリットは一体何でしょうか。大きく分けて2つずつあるので順に説明していきます。
メリット①:体力・時間がありふれている
体力も時間も人として大事な資産です。起業前の準備は忙しく、起業したても社長として新事業を進めるには寝る間も惜しむほど働かなければなりません。そんな無理を強いられてもすぐ回復できるのは若いうちです。
また若ければ若いほど時間に縛れることなく生活できるので、起業に関する勉強や準備がはかどります。
起業するにはただ書類を提出するのではなく資金調達や、事務所の契約、改装工事を含め約1年はかかるとされています。
起業してからのスタートを上手くきるためには体力と時間はお金に変えられない資産です。そのお金に変えられないものが身についているのは20代・30代の特権です。
メリット②:失敗してもやり直せる
40代・50代が起業し、事業が失敗してしまった場合、再就職は難しいでしょう。しかし20代・30代の若いうちは失敗したとしても再就職はできますし、事業に再チャレンジできる体力と気迫があります。
また起業したという経験は貴重なものなので、再就職の際に自分の起業経験を、自分の強みとしてアピールすることができます。
デメリット①:経験・資金・人脈・信用がない
起業するにおいていくら知識があったとしたも経験・資金・人脈・信用がなければやはり苦労することになるでしょう。
経営、営業、マーケティングなどの起業に関わることは全て経験がものを言います。
もちろん社会経験も少ないので資金も足りないことになります。クラウドファンディングといった資金調達の方法もありますが、必ず成功するものではありません。
長くある一定の業界にいると人脈は広がりますが、20代・30代の若手社長は業界内外の人脈が少ないので苦労することが多いです。また人脈も少ないということはその業界での信用度も低いことにつながります。
デメリット②:新卒として就職できない
若手社長は再就職のチャンスはありますが、起業を辞めて就職する場合、新卒として認められないので就職活動に支障をきたす可能性があります。
日本では新卒でないと採用してもらえない企業も多いので、経験や資格などのスキルがない場合は書類選考で不採用となるケースが多々あります。
再就職のチャンスはいくらでもありますが、中途採用の扱いを受けるので同じ年齢の新卒採用者と比べると給与や昇進に差が出てしまうでしょう。
社長になっている人の3つの共通点
社長になる・なりたい人が増えている中で、実際に社長という役職についている人にはやはり普遍的な共通点があるようです。大きく分けて3つあるので紹介していきます。
行動力がある
社長という役職を全うするためには行動力は必須条件でしょう。事業を考えることも、その事業を実行することも全て行動力があってできることです。
どんな時でも瞬時にチャンスに飛びつけるフットワークの軽さ、いわゆる行動力が社長には必要です。
目標が明確
社長になっている人は必ず大きな野望があります。その野望は他社から見たらくだらないものでも、明確に定まっており達成するためにたゆまぬ努力をしています。
折れないメンタル
会社を経営して事業を起こすことには必ずリスクが伴います。そのリスクに臆せず実行するには失敗を恐れないメンタルが必要です。
お客さんとの交渉や、借金、社員のミスの尻拭いも全て、社長が責任を負います。責任から逃れることはできない社長を続けていくには屈強なメンタルが必要でしょう。
起業は若いうちに?それとも経験を積んでから?
結論から言うと起業に興味があるのなら今すぐに行動を起こすべきですし、年齢で起業のタイミングをうかがう必要はありません。
現に20代の大学生が起業したケースもあれば、40代のサラリーマンが脱サラして起業したケースもあります。若年でも中年でも双方にメリット・デメリットがあります。
若年は資金や人脈、経験はありませんが体力があり、失敗しても再就職でやり直すことができます。40代の中年は資金、経験、人脈は豊富ですが、失敗した場合には再就職は難しくやり直すのは困難です。
双方のメリット・デメリットを見る限り、どちらも強みがありリスクは大きいことから起業に年齢は関係ないことが証明できます。次章では若年の社長になった場合の周りからの印象を説明していきます。
企業からは若い社長の印象は良くない?
世間からは若年の起業は称賛の声がかけられがちですが、同じビジネスをする企業からはあまり印象はよくありません。
主な理由として挙げられるのがビジネスマナーの問題です。たいていの若手社長は社会人としての教育を受けることなく社長の座に就任したので、基本的なビジネスマナーを身に着けていないと考えられています。
若手社長の大半がビジネスマナーがなっていないと断定できませんが、企業から悪いイメージを持たれることはよくある話なので、若手社長は自社のビジネスマナーを他社より力を入れなければならないかもしれません。
次章からは20代・30代で起業、上場することに成功し、若くても社長になれることを証明した有名若手社長5人を紹介していきます。
若いうちに起業・上場した社長①:村上 太一
- 会社名:株式会社リブセンス
- 上場時の年齢:25歳
- 上場:2011年12月7日(東京証券取引所マザーズ)
アルバイト求人サイトの「ジョブセンス」を開設した村上太一氏は株式上場の最年少記録保持者です。早稲田大学に進学して在学中に設立したリブセンスは創業2年目で黒字化し、2011年12月7日に上場しています。
若いうちに起業・上場した社長②:堀江 貴文
- 会社名:株式会社ライブドア
- 上場時の年齢:27歳
- 上場:2000年4月6日(東京証券取引所マザーズ)
堀江貴文氏も大学在学中にオン・ザ・エッヂという会社を設立していて、当時はあまり知られていなかったホームページ制作や管理をいち早く始め注目を浴びました。
その後、経営破綻したライブドア社の営業権を取得して事業を展開し、2000年4月6日に上場しましたが、フジテレビの買収などの問題があり2006年4月に上場廃止となりました。
若いうちに起業・上場した社長③:藤田 晋
- 会社名:株式会社サイバーエージェント
- 上場時の年齢:26歳
- 上場:2000年3月24日(東京証券取引所マザーズ)
藤田晋氏は新卒で人材派遣会社インテリジェンス(現在はパーソルキャリア株式会社)へ入社しましたが、1年後に株式会社サイバーエージェントを設立しました。
約2年という短期間で上場したことから有名になり、村上太一氏が上場するまでは史上最年少の株式上場記録保持者でした。
若いうちに起業・上場した社長④:福島 良典
- 会社名:株式会社グノシー
- 上場時の年齢:27歳
- 上場:2015年4月28日(東京証券取引所マザーズ)
東京大学大学院に在学中だった福島良典氏は、ニュースアプリである「グノシー」を開発しサービスを開始したあと株式会社グノシーを設立し、わずか3年で上場しました。
2006年の経済誌のフォーブスアジアでは「アジアを代表する30未満」に選出されています。
若いうちに起業・上場した社長⑤:笹原 健治
- 会社名:株式会社ミクシィ
- 上場時の年齢:30歳
- 上場:2006年9月14日(東京証券取引所マザーズ)
東京大学在学中だった笹原健治氏は、求人情報サイトの開発をきっかけに起業することを決め、1999年6月に有限会社イー・マーキュリーを設立しました。
開発したソーシャル・ネットワーキングサービスの「ミクシィ」は日本国内最大のSNSとなるほどヒットし、2006年の6月に社名を株式会社ミクシィに変更したあと同年9月に上場しました。
まとめ
社長になるには難しい資格や経験は必要なく、覚悟さえあれば誰にでもできるということが分かっていただけたでしょう?
起業に年齢は関係ないので、起業するかしないかで思いとどまっている人は覚悟を決めて起業するべきです。時期が遅れば遅れるほど歳も取り、起業への意思が弱くなってしまいます。
若年層の起業はこれからも増えていくでしょう。それは経済に大きな影響を与え、日本の将来をより良いものへと発展させるはずです。