「最近、部下によるパワーハラスメントが目立つようになった…。どう対処すれば良いのかわからない。」
ニュースなどでブラック企業の問題が報じられ、以前よりも労働者の主張が通りやすくなりましたが、同時に部下からの圧力で悩む上司も増えてきました。
そこで今回は、部下から上司へのパワハラである「逆パワハラ」について解説しながら、原因と対策を紹介します。
この記事を読むことで、逆パワハラの悩みが解消し円滑に仕事が進みますので、ぜひ最後までご覧ください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E5%AE%9F%E6%A5%AD%E5%AE%B6-%E5%AD%A4%E7%8B%AC%E3%81%A7%E3%81%99-%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7-%E5%80%8B%E4%BA%BA-336621/)
部下から上司へのパワーハラスメント「逆パワハラ」とは?
逆パワハラとは、部下から上司に対して行われるパワーハラスメントのことです。
暴言や暴力行為で上司に嫌がらせをしたり、誹謗中傷・無視したりといった行為も含まれる逆パワハラは、部下が上司よりも優位な立場にあるときに発生しがちです。
現代ではITの知識が豊富な部下が、パソコンに疎い上司を侮辱する場面が増えています。
さらに身体能力の違いが原因で、部下からの逆パワハラへと進展するケースも存在し、社会問題となっています。
次の項目では、部下による逆パワハラの事例を紹介しますね。
部下から受けるパワーハラスメント「逆パワハラ」の事例
部下による逆パワハラの事例として、主に下記の3つのパターンが挙げられます。
- 声をかけても無視される
- 地位を逆手に取って脅しをかける
- インターネット上で誹謗中傷する
声をかけても無視される
1つ目の事例は、上司が声をかけても無視されてしまうパターンです。
上司からの声掛けに対して部下がまったく返事をせず、仮に返事をしても「今は無理です」といった言葉で、指示を受け付けないケースがあります。
また業務指示の拒否だけでなく、ストライキのように集団で無視する逆パワハラへと発展するケースも存在します。
地位を逆手に取って脅しをかける
2つ目の事例は、地位を逆手に取って脅しをかけるパターンです。
上記の事例に加え、業務指示に対して「この命令はパワハラで訴えますよ」と反抗し、部下が圧力をかけるケースもあります。
また過去に誘われた飲み会に対して「強制的に参加させられた」といった脅しをかけ、業務の指示や注意をさせにくい状態を作ることもあります。
インターネット上で誹謗中傷する
3つ目の事例は、インターネット上で誹謗中傷するパターンです。
SNSを使って上司の批判をしたり、本人の実名をあげて批難するケースもあります。
インターネット上で拡散してしまうと、書き込みを削除しきれなくなるという危険性があり、会社によっては社員がSNSを利用することを禁止しています。
ちなみに、部下による逆パワハラが発生する原因として3つ挙げられます。次の項目から詳しく解説しますね。
部下によるパワーハラスメントが起きる原因①上司の経験を上回る
部下によるパワーハラスメントが起きる原因として、1つ目に「部下が上司の経験を上回ってしまう」ことが挙げられます。
実力主義に移行しつつある現代では、過去のビジネススキルが時代に合わなくなり、上司よりも部下の方が知識・経験面で優位になるケースが見られるようになりました。
優位な立場となった部下が業務上の決定権を持つことで、現場での発言にまで影響を与え、結果的に年齢・役職に関係なくパワハラが発生しやすい環境となります。
特にIT機器の扱いにおいてスキルの差が激しく、パソコンやスマホの操作に慣れていない中高年層が、部下による逆パワハラを受けやすいです。
部下によるパワーハラスメントが起きる原因②指導力の欠如
部下によるパワーハラスメントが起きる2つ目の原因は、「上司による指導力の欠如」です。
パワハラで訴えられるリスクがある上司は、自身が抱えている仕事上の問題を大きくしないために、社員への注意や指示が疎かになりがちです。
特に中間管理職は、トラブルが発生すると会社から管理能力不足と見られるため、問題行動を起こす社員の指導に悩みを抱えています。
上司による指導が行き届かなくなると、部下の行動に歯止めが効かなくなり、会社内で逆パワハラが横行してしまいます。
部下によるパワーハラスメントが起きる原因③従業員の立場が強い
部下によるパワーハラスメントが起きる3つ目の原因として、「労働者の立場が強くなった」ことが挙げられます。
近年の労働市場において人材不足が慢性化したことで、会社側は簡単に従業員を解雇できなくなり、以前よりも労働者の立場が強くなりました。
一方で労働者の地位であることを逆手に取り、権利を過剰に主張する従業員が増えています。
ブラック企業の社会問題化と同時に、パワハラがメディアで取り上げられたことで、部下が過剰に権利を主張するケースも見られるようになりました。
部下による逆パワハラが発生する原因をまとめると、下記の通りです。
- 部下が上司の経験を上回ってしまう
- 上司による指導力の欠如
- 労働者の立場が強くなった
次の項目からは、部下からのパワハラに対処する方法をお伝えしますね。
部下によるパワーハラスメントの対処法①指導の徹底
部下による逆パワハラの対処法は、まず「部下への指導を徹底すること」です。
そもそも上司の指示に従わないのは、会社の服務規則に違反しており、組織の構成員としての労働義務を果たしていません。
なので上司は部下の反抗にひるまず、過剰な権利の主張には毅然とした態度で対応し、逆パワハラが横行しないよう指導を徹底することが求められます。
もちろん上司の側も部下への権威性を示すために、最先端の知識やスキルを習得する努力が必要です。
仕事に対する真摯な姿勢を見せることで、部下からのパワハラは起こりづらくなるでしょう。
部下によるパワーハラスメントの対処法②会社と相談
つづいて、部下による逆パワハラの対処法として「会社の相談窓口を利用すること」が挙げられます。
部下から上司へのパワハラは、内容によっては人権侵害にあたり、労働基準法違反になるケースもあります。
また逆パワハラは個人の問題ではなく、会社が労働問題として改善する必要があり、相談窓口がある場合は利用することをオススメします。
相談窓口がない場合は直属の上司、もしくは会社の人事部に相談すると良いでしょう。
部下によるパワーハラスメントの対処法③外部機関と相談
さらに、部下による逆パワハラの対処法として「外部機関と相談すること」が挙げられます。
会社に相談しても動いてくれない場合、労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」を利用することで、部下によるパワハラの相談に乗ってくれます。
ちなみに労働基準監督署は、労働基準法などの違反がないかを監督する公的機関で、違反が発覚すると職員による指導が会社へ直接入ります。
部下による逆パワハラに対処する方法をまとめると、下記の通りです。
- 部下への指導を徹底する
- 会社の相談窓口を利用する
- 外部機関と相談する
ただ公的機関や会社、上司に逆パワハラの相談をする前に把握すべき注意点があります。
部下のパワーハラスメントに対処する際の注意点
前述の対処法を行う前に、必ず「記録を残すこと」を忘れてはいけません。
「誰が」「いつ」「どこで」「どのような」パワハラを行ったのかを細かく記録し、証拠を残しておかないと、会社や公的機関は動いてくれません。
ちなみに記録を残す具体的な方法として、ボイスレコーダーで暴言を録音したり、メールの履歴を残したりといった手段があります。
また手書きのメモも立派な証拠となるので、相談する前に意識してメモを取り、証拠として残しておきましょう。
部下のパワーハラスメントでお悩みの方へ【まとめ】
今回は、部下によるパワーハラスメントについて解説しました。要約すると下記の通りです。
- 部下が上司の経験を上回る
- 上司による指導力の欠如
- 従業員の立場が強い
- 部下への指導を徹底する
- 会社の相談窓口を利用する
- 労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」を利用する
部下によるパワハラを解決するには、日常会話などのコミュニケーションをおろそかにせず、問題が発生したときでもお互いが歩み寄る姿勢が大切です。
また逆パワハラが発生したときは、会社や外部機関を利用し、第三者の仲裁を入れることで解決へと向かうでしょう。
この記事で紹介しました逆パワハラの原因・対策を把握し、あなたも部下との関係が良好になることを願っています。