「最近、部下のモチベーションが低い…」と悩んでいるあなたは、「なぜモチベーションが低下したのか」「どうすればモチベーションを上げられるのか」などいろんなことを考えているでしょう。
また、「上司としてどのような対策をとるべきか」と悩んでいる方も多いかと思います。モチベーションは意図的に上げることが可能なので、ノウハウがあれば現状を改善することができるでしょう。
今回は、部下のモチベーションが低下する原因について紹介します。また、部下のモチベーションを上げるために有効な対策も4つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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原因・対策を知る前に「モチベーション」について再認識しよう
ビジネスシーンにおいてよく使われる「モチベーション」ですが、具体的にどのようなものなのか理解していない人も多いようです。
部下のモチベーションを改善し、意欲的・自発的に働いてもらうためにも、今一度モチベーションについて理解を深めておきましょう。
モチベーション:「動機付け」という意味を持ち、物事を行うための「動機」「意欲」になるもの
例えば、「このプロジェクトが成功したら給料が上がる」という場合、給料が「動機」「意欲」にあたります。
この動機・意欲が「モチベーション」であり、これが欠如・低下してしまうと仕事への熱意も失いやすくなります。
つまり、主体性を持って仕事をしてもらうためには、目標を設定して動機・意欲を明確化することが重要です。
部下のモチベーションが低下する理由
モチベーションについて理解を深めたところで、部下のモチベーションが低下する理由について紹介します。
モチベーションが低下する理由は人それぞれですが、ビジネスシーンにおいては以下のような理由でモチベーションを下げてしまう方が多いです。
- 仕事にやりがいを感じられない
- 目標が高すぎる・達成できない
- 仕事に対する評価・報酬が低い
- 会社や上司と方向性が合わない
また、失恋や離婚など「プライベートな問題」で、モチベーションが低下してしまう人もいるようです。
理由が分からなければ状況を改善することが難しいので、本人と面談を行ったり、周りの人に確認したりして部下の状態を確認しましょう。
部下のモチベーションを上げるために知っておくべきこと
ここまでモチベーションという言葉を使ってきましたが、モチベーションには「内発的モチベーション」と「外発的モチベーション」の2つのタイプがあると考えられています。
この2つのモチベーションを使い分けることが大切であり、内発的・外発的モチベーションを生み出せれば、部下のモチベーションを高めることができます。
高いモチベーションを維持する社員は、個人のスキル・能力の研鑽に励むので、仕事の生産性の向上も期待できるでしょう。
内発的モチベーション
内発的モチベーションとは、「達成感」「成長欲」「好奇心」など自己の内部から発生するモチベーションです。
自分の内側から湧く意欲なので、持続性が高いという特徴があります。クリエイティブな仕事や根気がいる業務において必要となるモチベーションです。
外発的モチベーション
外発的モチベーションとは、「報酬」「称賛」「名誉」など自己の外部から発生するモチベーションです。また、「罰則」「強制」も外発的モチベーションとして挙げられます。
周りから与えられる意欲なので、自分ではコントロールしづらいという特徴があります。明確な目的が目の前にあるので、短期的な物事において有効となるモチベーションです。
どうすれば部下のモチベーションを上げられるのか?
この章からは、部下のモチベーションを上げるための具体的な対策を紹介していきます。部下のモチベーションを高めるためには、以下の4つの対策をとるのが有効的です。
- 目標を明確化させる
- 成功体験を積ませる
- 称賛を贈る
- ロールモデルを設定させる
モチベーションは、自分の成長を感じたときや周りから褒められたときに高まります。上司がするべきことは、部下が成長を感じたり、称賛を受けたりする「きっかけ」や「環境」を与えてあげることです。
そうすれば、モチベーションが低下していた部下も少しずつ意欲が湧いてくるでしょう。次の章からは、上記の4つの対策について具体的に解説していきます。
モチベーションが低い部下への対策①目標を明確化させる
まず1つ目は、部下の目標を明確化させることです。目標を明確化すると、「どうすれば目標を達成できるか」と考えるようになり、自然と主体性が生まれます。
主体性を持って仕事をこなしていくことで達成感や成長欲に繋がるので、内発的モチベーションも発生しやすくなるでしょう。
尚、内発的モチベーションは外部から与えることはできませんが、発生を促すことは可能です。
報酬などで発生する外発的モチベーションは短期的な意欲なので、持続性のある内発的モチベーションを促すように努めましょう。
目標は「短期的」「長期的」の2つの目標を立てると良いでしょう。短期的な目標は達成感を得やすいので「モチベーションの維持」に、長期的な目標は達成感がより大きいので「自信」や「意欲」に繋がります。
モチベーションが低い部下への対策②成功体験を積ませる
2つ目は、部下に成功体験を積ませることです。誰でも成功したときは嬉しいものであり、成功体験を得ることでモチベーションも高まります。
とはいえ、レベルの低い仕事では達成感がなく、レベルの高い仕事では意欲が湧きません。成功体験を積ませるためには、部下に見合った仕事を与えることが大切です。
成功したときはもちろん、プロセスの中で良い点が見られたときは褒めてあげると良いでしょう。褒められることで自信や意欲に繋がり、仕事へのモチベーションもより高まります。
部下が仕事に手間取っているときは、仕事に同行したり、サポートしたりするのも有効です。1人の力で成し遂げなくても成功体験には変わりはないので、成功に繋がるよう上司の方からサポートしてあげましょう。
モチベーションが低い部下への対策③称賛を贈る
3つ目は、部下に対して称賛を贈ることです。前述した通り、称賛は外発的モチベーションを発生させるきっかけの1つであり、内発的モチベーションに繋がる要素でもあります。
昇給やボーナスという報酬には限度がありますが、部下を称賛することはいつでも誰にでもできることです。部下の成長を感じたとき、大きな案件をこなしたときは褒めてあげることを心掛けましょう。
また、「ありがとう」など部下に対して感謝の意を示すことも大切です。人間は感謝を受けることで、人や社会の役に立っていることを実感します。
このように部下の貢献度を示してあげると、自分の存在意義を感じられ、仕事へのモチベーションがより高まります。些細なことかもしれませんが、上司からの称賛・感謝は、部下にとって大きな励みとなるでしょう。
モチベーションが低い部下への対策④ロールモデルを設定させる
4つ目は、ロールモデルを設定させることです。ロールモデルを設定させることで、「あの人のようになりたい」「負けたくない」といった成長欲が生まれ、内発的モチベーションに繋がります。
仕事もスポーツと同じように、憧れの人やライバルが存在することで成長欲・成長率も増していくので、ロールモデルを設定させる方がモチベーションも高まりやすいです。
有能な人をロールモデルにするのはもちろん、事務処理はAさん・営業スキルはBさん・プレゼンはCさんというように、各スキルのスペシャリストをロールモデルとして設定させるのも良いでしょう。
部下のモチベーション低いときこそ「健康」を大切に!
ここまで部下のモチベーションを高めるための対策について紹介しましたが、モチベーションを高めたり、維持したりするには健康を保つことも重要です。
例えば、生活の基盤ともいえる「食事」「運動」「睡眠」には、以下のような効果があるとされています。
- 食事:栄養をバランス良く摂取することで、脳の活性化(記憶力・集中力)を促進
- 運動:血行が促進し、脳が活性化されて集中力が高まる・体が疲れにくくなり、精神が安定する
- 睡眠:脳や交感神経を休ませる・記憶の定着と整理を進める
脳の活性化を促すことで、仕事への集中力が高まり、効率良く仕事をこなしていくことができます。脳にも疲労が蓄積するので、しっかりと睡眠をとって休ませることも大切です。
効率良く仕事をこなすことで、達成感・成長欲・成功体験を得る機会が増えるので、モチベーションも高まりやすくなります。
モチベーションは仕事への自発性を生み、スキルの研鑽にも励むので、仕事の生産性・業績の向上にも繋がる可能性があります。
モチベーションが低い部下への対策まとめ
今回は、モチベーションが低下する原因やモチベーションが低い部下への対策を4つ紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- モチベーションには「内発的」「外発的」の2つタイプがある
- 目標を明確化させ、内発的モチベーションの発生を促す
- 高いモチベーションは自発性を生む→スキル・能力の研鑽によって生産性の向上も期待できる
- 成功体験を積ませて、自信や意欲を持たせる
- 称賛や感謝の意を贈り、モチベーションを向上させる
- ロールモデルを設定し、成長欲を高める
- モチベーションが低いときこそ「健康(食事・運動・睡眠)」が大切
部下のモチベーションの低下に気づき、状況を改善しようとしているあなたであれば、きっと部下のモチベーションを高めることができるでしょう。
今回紹介した内容を参考にして頂き、部下のモチベーションの改善に努めてみてください。