飲み会などの際に「部下の飲み代は自分がおごるべきだろうか?」と、疑問を抱えていませんか?
「飲みニュケーション」という言葉があるように、部下と飲むことは、ビジネスにおいて当たり前に行われているコミュニケーション手法です。
しかし、常におごっていては、経済的負担が上司にのしかかってきます。「部下におごる」という行為を良く理解し、それを基に、会計は自分が持つかどうかの判断基準を決めれば、上手におごれるようになるでしょう。
ここでは、部下におごることや、飲み代を出してもらうことに対する部下の受け止め方、負担を軽減するおごり方のコツなどについて解説します。上手におごる方法を知る際の参考にしてください。
「上司が部下におごるのは当たり前」ではない
「上司は部下におごるのが当たり前」という考え方は、おごり上手になることを難しくします。なぜなら、「おごる」という上司のアクションに対する部下のリアクションは、部下によって異なるからです。
マイナビニュースが実施したアンケート調査によりますと、上司にご馳走して欲しいと答えた人は約58%で、そうは思わないと答えた人は約42%という結果が出ました。
「はい」が「いいえ」を若干上回りましたが、お金を出されることに否定的な部下も少なくありません。「上司は部下におごるのが当たり前」という考え方は、一昔前の考え方と言っても良いでしょう。
おごられることに対する部下の受け止め方は異なることを理解する
上司がご馳走することに対する部下の受け止め方は、人によってさまざまです。ネット上には、上司からご馳走してもらいたい・もらいたくない、と思う理由について、さまざまな意見が寄せられています。
上司から「ご馳走してもらいたい」と思う部下は、年上がおごるべきと考えていたり、飲み会を仕事の延長とみなしたりする傾向があります。例えばこんな声がネット上に投稿されていました:
奢らないくせに誘うなと思う。仕事の延長のようなものなのに時間とお金の搾取でしかない
引用:https://news.careerconnection.jp/?p=56840&page=2
一方「支払ってもらいたくない」と思う部下は、「割り勘の方が気にせず飲める」「見返りを求められるのが苦痛」と考える傾向があります。例えばこんな本音がネットに投稿されていました:
おごってやったと思われるのが嫌。少し多く支払ってくれるくらいがいい
引用:https://news.mynavi.jp/article/20170223-a116/
このように、ご馳走するという行為に対し、部下の受け止め方はさまざまです。次の章では、部下に上手くおごるにはどうしたら良いか、問題を解決するポイントについて解説します。
おごり上手になるための判断基準を決めることの大切さ
部下に上手くおごるには、支払いの判断基準を作ることです。なぜなら、お金を出すことが良いかどうかは、部下の受け止め方によって異なるため、正解がないからです。
予め自分でお金を払う基準を設定しておくと、それを基にどの程度支払うかが決めやすくなります。
たとえば、「金欠の時はやめる」という判断基準を設定すると、「おごる」に加えて「条件によってはおごらない」という選択肢が生まれます。
おごることに対する価値観は無数にあるため、部下全員を満足させようと考えるよりも、自分で基準を設定した方が賢明です。次の章から、部下におごる負担を軽減する、判断基準の設定方法について説明します。
部下におごる際の5つのポイント
この章では、部下におごる際のポイントについて紹介します。部下におごる際のポイントは、以下の5つです。
- お金を払う限度額を決める
- 見返りを求めない
- 自分から誘う時は全額負担が無難(または少し余分に支払う)
- 部下から誘われたら割り勘でもOK(または少し余分に支払う)
- 信頼関係を築いてから誘う
これらのポイントは、部下に対し無理にお金を出すことを防ぎ、ケースバイケースで動ける他、できるだけ部下に負担をかけないお金の払い方を考える時に役立ちます。
ケースバイケースで動けるように基準を設定すると、たとえば「上司は部下におごるもの」というあなたの価値観を相手に押し付けることなく、その場の状況や部下の気持ちに立って物事を考えられるようになります。
柔軟な判断基準を設定すれば、さまざまな支払いシーンで、スムーズに動けるようになるでしょう。次の章から、各ポイントについて詳しく説明します。
部下におごる際のポイント①:お金を払う限度額を決める
部下におごる際のポイント1つ目は、お金を払う限度額を決めることです。あらかじめ飲み代や食事代の限度額を決めることで、無理な出費を防げる、というのが理由になります。
限度額の決め方は、無理のない額を設定することです。予想外の出費を考慮して、余裕を持たせると、なおさら良いでしょう。
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が2018年に実施した意識調査によりますと、部下(20代)の半数以上は、3,000円までおごられることに抵抗を感じないという結果が出ました。
お金を支払う限度額が決めにくい場合は、意識調査の数字を参考し、部下がお金を出してもらうことに抵抗を感じ始めるギリギリの範囲で設定する、というのも一つの方法です。
部下におごる際のポイント②:見返りを求めない
部下におごる際のポイント2つ目は、見返りを求めないことです。人は、意識・無意識にかかわらず、お金を出すことで、相手から何かしらの見返りを求める傾向があります。
見返りを求める行為に対し、嫌悪感を抱く部下も少なくなく、「見返りを求めるのなら、誘ってほしくない」と考えるようになります。
たとえば、おごる際に「この場は私のおごりだから、仕事を頑張ってくれよ」と部下に言うと、部下は「見返りを求めているな」と感じてしまいます。
食事代や飲み代を出すことで、部下に何かを期待することはやめましょう。損得勘定抜きで「おごりたい」と思った時に部下を誘うか、おごると決めたら、見返りを求めないと心に強く決めることが大切です。
部下におごる際のポイント③:自分から誘う時は全額負担が無難
部下におごる際のポイント3つ目は、自分から声をかけた場合は全額、または少し余分にお金を出すことです。
その理由は、「誘っておいて割り勘はありえない」と考える部下が多いからです。全額または一部支払うかは、部下の性格や部下との関係を考慮しながら決めましょう。
交流の乏しい部下であれば、おごるのが無難です。関係が良好で、ある程度負担することは当たり前だと考えている部下に対しては、少し余分に支払うと良いでしょう。
部下の中には、上司がお金を払うものと考える部下もいれば、上司の負担を心配する部下もいます。自分から声をかけた場合は、異なる価値観を考慮しながら、臨機応変に動くことが大切です。
部下におごる際のポイント④:部下からの誘いは割り勘でもOK
部下におごる際のポイント4つ目は、部下から声をかけられた場合は割り勘、または少し余分に支払うことです。
飲み代の一部を支払うことで、「部下がお金を出して当たり前」という態度を慎めます。中には支払ってもらうことが目当てという部下もいますので、注意しましょう。
部下があなたに声をかけた場合は、割り勘にするか、少し余分に支払うことを部下に提案してみましょう。割り勘でも行きたいと部下が言えば、一緒に行きましょう。
もし、一瞬戸惑ったような反応を部下が見せたら、上司の財布をあてにしているので、誘いを断りましょう。
部下におごる際のポイント⑤:信頼関係を築いてから誘う
部下におごる際のポイント5つ目は、ある程度信頼関係を築いてから声をかけることです。交流があまりない部下の場合、価値観のズレなどから、支払いに対して不満が噴出しやすくなるからです。
信頼関係が十分に築けていて、何でも話し合える関係にあると、部下は、「給料日前で、お金がちょっと…」などと、本音を言ってくれるようになります。
部下の率直な気持ちを知れば、飲み会に無理につきあわせることも減るでしょう。信頼関係を築いてからの飲み会は、上司にとっても部下にとっても負担が軽減され、支払いもスムーズに行きます。
普段から職場でコミュニケーションをとるように心がけ、部下の人柄や考え方を知った上で声をかけるのが理想です。
まとめ
部下に対して上手におごるには、お金を払う基準を設定し、ケースバイケースで動くことです。
お金を出してもらうことに対する、部下のリアクションは多様化しているという現実を考慮すれば、「上司が部下におごるのは当たり前」ではなく、「支払い方は状況に応じて使い分ける」と考えるのがベストでしょう。
飲み代や食事代を支払う判断基準を自分で決める際のポイントとして、以下の5つを紹介しました。
- お金を払う限度額を決める
- 見返りを求めない
- 自分から誘う時は全額負担が無難(または少し余分に支払う)
- 部下から誘われたら割り勘でもOK(または少し余分に支払う)
- 信頼関係を築いてから誘う
5つのポイントを意識して、部下との飲みニケーションを楽しんでください。