「最近、部下が泣き言を言うようになった…」「部下の様子がなんだかおかしい」という悩みを抱える方に向けて、この記事を書きました。
部下の泣き言は、そのうち言わなくなるものと放置してはいけません。なぜなら、泣き言が心の病の前兆の場合があるからです。
この記事では、泣き言を言う部下への適切な対応について解説していきます。また、部下にとって悩みを相談しやすい上司の特徴も紹介しているため、ぜひ最後までお読みください。
泣き言はメンタル不調のサイン
泣き言はメンタル不調の立派なサインです。2006年に鈴木安名医学博士がメンタル不調のサインとして提唱した「ケチな飲み屋」というゴロ合わせがあります。
- け:欠勤する
- ち:遅刻する・早退する
- な:泣き言を言う
- の:能率が低下する
- み:ミスをする
- や:辞めたいと言い出す
その中に「泣き言を言う」ことも含まれています。泣き言を言わなかった部下が泣き言を言うようになったら、部下のメンタルの不調を疑ってください。
メンタル不調の原因として考えられるもの
2019年にメドピア株式会社が500人の産業医を対象におこなった調査によると、従業員のメンタル不調の原因として考えられるものは、以下の通りです。
順位 | メンタル不調の原因 | 割合(%) |
1 | 職場の人間関係 | 81 |
2 | 長時間労働・業務過多 | 47 |
3 | パワハラ | 32 |
4 | 仕事の難易度・能力やスキル不足 | 25 |
5 | 目標達成へのプレッシャー | 16 |
6 | 家庭の問題 | 14 |
7 | 低賃金 | 6 |
8 | 職場の設備環境 | 5 |
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000010134.html
この調査によると、メンタル不調の上位3つは、「職場の人間関係」と「長時間労働・業務過多」、「パワハラ」ということがわかります。
あなたの部下が泣き言を言う場合は、上記3つによる可能性があります。そのため、最近の部下の周りで上記のトラブルがなかったか今一度確認してみてください。
部下の泣き言への適切な対応3つ
これまで、部下の泣き言はメンタル不調のサインであることを説明してきました。ここでは、部下の泣き言への適切な対応を3つ紹介します。
部下の泣き言への適切な対応は以下の3つです。あなたの部下に対する適切な対応と気遣いで部下が救われる可能性が大いにあるため、ぜひ実行してください。
- 声をかける
- 専門機関への相談を促す
- 部下の業務を見直す
次の章からは、泣き言を言う部下への適切な対応について、1つずつ順番に解説していきます。
部下の泣き言への適切な対応①声をかける
部下の泣き言への1つ目の適切な対応は、声をかけることです。部下が泣き言を言うようになったら、「最近、何か困っていることはないか」「最近の調子はどう?」と声をかけましょう。
なぜなら、短い声掛けだとしても、悩みを部下から打ち明けられるきっかけになるからです。
声をかける際の注意点は、部下の「大丈夫」という言葉を過信しないことです。部下にとって大丈夫な状態でなくとも、大事にしたくないという思いから、悩みを打ち明けない場合があります。
そのため、部下から「特に問題ありません」と言われたとしても、定期的に声をかけて話すきっかけを作りましょう。
部下の泣き言への適切な対応②医療機関への相談を促す
泣き言を言う部下への2つ目の適切な対応は、医療機関への相談を促すことです。部下の話を聞くだけで解決できる悩みであれば問題ないですが、素人では解決できない悩みがあります。
そのため、部下の話を聞いたうえで必要があれば、病院など専門の医療機関でメンタル不調の治療をするよう促しましょう。
医療機関への相談を促す際の注意点は、「あなたは心の病気を患っている」と決めつけで伝えないことです。部下は、自分は病気なんだ、とさらに不調をきたす可能性があります。
また、あなたの働く会社の社員が50人以上であれば、産業医がいるはずです。その場合、産業医の先生にあなたから相談してみるのも1つの手です。
部下の泣き言への適切な対応③部下の業務を見直す
泣き言を言う部下への3つ目の適切な対応は、部下の業務内容を見直すことです。精神の健康が保てている時にこなせていた仕事量は、メンタルが不調の時にこなせるとは限りません。
業務量が多かったり、残業が多かったりすると、部下にかかる負荷が大きくなります。そうなれば、今よりもメンタルの症状を悪化させてしまいます。
そのため、部下が健康であった時にこなしていた業務量の8割程度に業務を減らすなどの調整が必要です。
部下が時間的・精神的に余裕を持てる働き方ができるように業務を見直してください。
部下が悩みを相談しやすい上司の条件2つ
これまでは、泣き言を言う部下にどのように対応するべきか説明してきました。
部下のメンタルが回復するまで、メンタル面・業務面をサポートしていくわけですが、そのためには部下の気持ちを知る必要がありま。
ここでは、部下の気持ちを知るために、部下から相談されやすい上司の条件を2つ紹介します。
- 発言を否定しない
- いつでも相談の時間を設けてくれる
次の章から、部下に相談されやすい上司の条件を1つずつ順番に説明していきます。
部下が相談しやすい上司の条件①発言を否定しない
部下が相談しやすい上司の条件1つ目は、部下の発言を否定しないことです。
部下の話を聞いていると、話を遮って「その考えは間違っている」「それはよくあることだ」と、否定したくなる時もあるでしょう。
しかし、部下としては上司に否定的な態度をとられると、次から相談しづらくなるものです。
そのため、部下の会話は一度全て受け入れましょう。そうすれば、部下から「この人なら自分の意見をきちんと受け入れてくれる」と信頼されるようになりますよ。
部下が相談しやすい上司の条件②いつでも相談時間を設けてくれる
部下が相談しやすい上司の条件2つ目は、いつでも相談の時間を設けてくれることです。
例えば、部下が仕事でストレスに感じていることがあり、あなたに相談したいとします。しかし、いつもあなたが業務をしながら、部下の目を見ずに話を聞いていた場合、部下は相談しづらいでしょう。
そのため、たとえ仕事が忙しいとしても、仕事をしながら部下の話を聞くことはせず、周りの目が気にならない別室で部下の相談に乗ってあげてください。
部下から「話しかけたら、いつでも相談のための時間を作ってくれる」という信頼を得られるようにしましょう。
まとめ:部下の泣き言に気づいたら、迅速に対応しよう!
この記事では、部下が泣き言を言っていることに気づいた場合の対処法や相談されやすい上司の条件について説明してきました。
- 声をかける
- 専門機関への相談を促す
- 部下の業務を見直す
部下は一緒に働く仲間であるため、健康的に一緒に働きたいですよね。さらには、メンタルの不調で退職なんてことは避けたいと思います。
そのためにも、部下のメンタルの不調に気付いたら、上司としての適切な対応をすることで部下をサポートしてあげてくださいね。