「管理職の仕事が多くて疲れた」「上司と部下の板挟みで精神的につらい」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
「疲れた、つらい」と感じているのは、肉体的、精神的に限界であるサインかもしれません。限界を超えた状態で仕事を続けていると、体調不良やうつ病になってしまう可能性もあります。
そこで、今回は管理職に疲れたときの対処法を6つ紹介していきます。体調を崩してしまう前に、仕事の悩みを対処していきましょう。
「管理職に疲れた、つらい」と思ってしまう理由は?
株式会社インバスケット研究所による「管理職の実態と本音」に関するアンケート調査の結果によると、管理職を経験した約4割もの方が”管理職にはなりたくなかった”と回答しています。
なぜ、多くの方が管理職をやりたくないと思ってしまうのでしょうか。管理職の仕事に疲れてしまう、もしくは辛いと感じてしまう理由を考えてみましょう。
まず、管理職で感じる疲労の種類は、主に以下の3つに分けることができます。
- 肉体的な疲労
- 精神的な疲労
- 人間関係による疲労
(参考:https://www.inbasket.co.jp/pdf/press_release/pdf/2020/0127.pdf)
肉体的な疲労
管理職になって、勤務時間が増加した方は特にこの疲労を感じているのではないでしょうか。
勤務時間が増加していなくても、管理職になると全体的な業務量が増えるため、忙しさから肉体的な疲労を感じる方も多いです。
精神的な疲労
管理職は、特に成果に対するプレッシャーを強く受けてしまう役職です。加えて、部下に対する責任も管理職が負うことになるため、叱責を受けることは増えるでしょう。
また、管理職は同じ境遇の人間が少ないため悩みや苦労を共有しにくく、孤独を感じやすい役職でもあります。
上司からのプレッシャーに一人で耐え続けるのは、かなりの精神的な疲労を感じることでしょう。
人間関係による疲労
管理職は、上司と部下の間に入って仕事をする必要があるため、どうしても人間関係による摩擦を受けやすいです。
また、この上司と部下との板挟み状態は、管理職特有の問題であるため、最近管理職に上がったばかりの方は特に戸惑うのではないでしょうか。
次からは、「管理職に疲れた」と感じたときの対処法を6つ紹介していきます。自分の悩みや問題に合わせて、対処法を試してみましょう。
管理職に疲れたときの対処法①部下を育成する
管理職に必要なスキルは、”チームの仕事を全て背負う”ことではなく、”仕事を的確に割り振って部下を育成する“ことです。
管理職では、リーダーとしてチームで成果を上げることを要求されます。チームで上げるべき成果を一人で上げようとするのは無理があり、肉体的にも精神的にも辛くなるのは分かりきっています。
部下に指示を出すのも大切ですが、業務の全てに指示を出すのは大変ですし、何より部下が”自分で考える”ことをしなくなってしまいます。
そのため、ある程度は部下に任せて、自分で状況を見て考える力を蓄えさせることも必要です。信頼できる部下が育てば、管理職の仕事はかなり楽になるでしょう。
管理職に疲れたときの対処法②自分も成長する
管理職のスキルが足りていないのなら、ビジネス書を読んだり、研修に参加したりして、自分を成長させることも大切です。
管理職に疲れてしまうのは、「管理職としての働き方に慣れていない」もしくは「管理職としてのスキルが足りていない」からである可能性もあります。
慣れない仕事で失敗ばかり続くと、やる気も自信もなくなってしまい、モチベーションの維持も難しくなります。
スキルアップすることで業績アップが狙えるだけでなく、出来ることが増えれば、仕事が一気に楽しくなるでしょう。
管理職に疲れたときの対処法③評価を割り切って受ける
会社や上司からの評価をある程度割り切って受けることも大切です。仕事の成果はすぐに出るものばかりではありません。上司から成果が出ないことを責められ、急かされてもある程度は仕方ないと割り切りましょう。
評価を意識し続けるのは精神的な負担になりますし、意識し過ぎると「成果が出せないのは自分のせいかも」という自己否定に繋がる可能性もあります。
自己否定をした状態ではモチベーションも低下しますし、仕事も楽しくできないでしょう。会社や上司からの評価は、あくまでも”仕事に対する評価”であり、あなたの”人格に対する評価”ではありません。
低い評価を受けても、人格を否定されているわけではないことをしっかり覚えておきましょう。
管理職に疲れたときの対処法④目の前の仕事に集中する
全体を管理するために大局を見ることも大切ですが、膨大な仕事量に嫌になってしまう場合は、逆に目の前の仕事に集中してしまうのも1つの方法です。
仕事量が多くて、いくら仕事をしてもタスクが終わらない状況は、肉体的にも精神的にもつらいものです。しかし、精神的につらい、疲れたと思ってもすぐに仕事の量を減らすことは難しいでしょう。
そこで、仕事の量が多くてつらいと感じている方は、まずは締め切りの近い仕事を集中して終わらせてしまいましょう。どんなに仕事の量が多くても、1つずつ終わらせることに変わりはありません。
ならば、わざわざ仕事の多さを見て精神的につらい思いをする必要はないでしょう。締め切りが近い仕事から、集中して終わらせていきましょう。
管理職に疲れたときの対処法⑤プライベートを充実させる
仕事が疲れた、つらいと感じたときこそプライベートを充実させましょう。
仕事が大変だからからと、ずっと仕事のことを考えたり、休みを削ったりするのは逆に効率が落ちてしまいます。
何事もメリハリは大切です。仕事が大変なときこそ、仕事を忘れてゆっくりと自分だけの時間を過ごしましょう。
趣味を楽しむのもいいですし、ゆっくりと体を休めるのもいいでしょう。大切なのは、仕事のことを考えない時間を作ることです。
管理職に疲れたときの対処法⑥人に相談する
悩みや抱えている思いを人に話すだけでも、かなり気持ちは楽になるでしょう。加えて、人に相談することで、自分の状況が客観的に把握でき、問題の解決に繋がる可能性もあります。
しかし、仕事に対する悩みなどは上司や部下には話しにくい、と感じる方も多いでしょう。
誰に相談すればいいのか分からない、とお困りの方は商業カウンセラーに相談するのがおすすめです。
商業カウンセラーであれば、守秘義務があるため仕事のことを話しても内容が外部に漏れることはありません。
「疲れた、つらい」はSOSのサイン!?
あまりにも仕事に疲れを感じたり、つらいと思ったりする場合は身体や心が限界を感じているサインかもしれません。
疲れが酷い状態で無理をしても、仕事の効率が悪くなるばかりで良いことはありません。
加えて、疲れている状態で無理をすると体調不良やうつ病になってしまう可能性もあります。
体調不良やうつ病になってしまうと、日常生活にも支障をきたす上に、完治までに時間も掛かります。身体の不調は、無視しないようにしましょう。
「管理職に疲れたから退職する」は最終手段!
「管理職がつらいから」と退職しても、転職先でまた管理職になる可能性は十分にあります。
管理職になる度に転職していては、いずれ転職先もなくなってしまいますし、転職が必ずしも上手くいく保証もありません。
管理職がつらいからとすぐに退職を考えるのではなく、まずは、つらいと感じる原因を探しましょう。
原因を把握した上で、『自分には管理職は続けられない』と判断したのなら、上司に相談して降格を考えてもらいましょう。
【管理職に疲れたときの対処法6選】まとめ
管理職による疲労は、主に『肉体的な疲労』『精神的な疲労』『人間関係による疲労』の3つに分けられます。
管理職に疲れた、つらいと感じるときは、まず管理職のどんな部分をつらいと感じているのか把握することが大切です。
管理職に疲れたときの対処法は以下の6つです。自分が抱えている問題や疲労に合わせて、対処法を試してみましょう。
- 部下を育成する
- 自分も成長する
- 評価を割り切って受ける
- 目の前の仕事に集中する
- プライベートを充実させる
- 人に相談する