管理職は上司や部下の間で板挟みになりやすい立場なのもあり、管理職特有のストレスが溜まりますよね。
上司からは厳しく言われたり、部下からは会社の愚痴を聞かされたりなど悩みの種が多くあるかと思います。
この記事では、具体的にストレスの原因はなんなのか、どのような解決策があるのかをひとつずつ解説していきます。
ストレスの原因と対策を知って働きやすい環境を作っていくために、ぜひ参考にしてください。
ストレスの原因を把握するべき理由
ストレスの原因を把握するべき理由としては、以下の3つが挙げられます。
- ストレスの原因を把握することで適切な対応を取れるため
- うつ病をはじめとする精神的な病を未然に防止するため
- ストレスの原因となる職場環境を改善するため
2015年には「ストレスチェック制度」も設けられ、ストレスの原因を把握することはより重要なものとなってきています。
自分を守るため、そして自分や職場を取り巻く環境をより良い方向へ導くためにも、ストレスの原因を正しく把握することが大切です。
ストレスチェック制度とは、従業員のストレスチェック(心理的な負担の程度を把握するための検査)と、医師によるストレスチェックの結果に基づいた面接指導の実施等を事業者に対し義務づける制度です。
出典:こころチェッカー
管理職のストレスの原因①「上司と部下の板挟みになる」
管理職のストレスの原因として真っ先に考えられるのは、管理職という立場から起こる上司と部下の間の板挟みです。
社長や上層部の上司に厳しい目標やノルマを課され、それを達成するために自ら動いたり部下や後輩に指示しなければならないこともあるでしょう。
しかしその一方で、部下や後輩から愚痴や不満が出ればその対応も求められます。
双方の要求を同時に叶えるのは至難の業。このような板挟みにストレスを感じる方は多いでしょう。
管理職のストレスの原因②「上司に仕事を押し付けられる」
管理職の仕事は、周りからは見えづらい仕事であるケースが多いですよね。
そのため、仕事が忙しくても「暇そう」と思われることが多く、場合によっては上司に別の仕事を押し付けられてしまうことも。
「暇でしょ?これやっといてよ」などと言われた経験がある管理職の方は多いのではないでしょうか。
仕事の忙しさをなかなか理解してもらえず、誰にも相談できずに人知れずストレスが溜まってしまいます。
管理職のストレスの原因③「厳しい目標やノルマに悩まされる」
上司から課される目標やノルマは、「理論上では可能だが実際は難しい」というものが多くあります。
管理職の仕事のひとつである進捗管理は、そうした中いかに目標数値に達成させるか非常に悩むためストレスの原因のひとつといえるでしょう。
部下からの反発があったり、部下が達成できない分のノルマを自分が残業して補填したりすることもあります。
厳しい目標やノルマそのものの悩みだけでなく、それに付随して反発や残業といった事態が発生するため、かなり大きなストレスとなってしまいます。
管理職のストレスの原因④「部下がうまく動いてくれない」
部下がうまく動いてくれないというのも、管理職のストレスの大きな要因です。
強く言うと角が立つし、かといって言わないと改善しないので加減が難しいですよね。
部下もひとりひとり能力ややる気なども異なるため、それぞれ言い方を工夫しなければならないというのも管理職のストレスのひとつになっています。
特に性格的に強く言えない人は自分の中に溜め込んでしまいがちなので気をつけてくださいね。
管理職のストレスの原因⑤「部下のミスの責任を取らされる」
いくら部下の能力が低くてミスをしたとしても、責任者である管理職も責任を追及されてしまいます。
場合によっては取引先に謝罪に行ったり社内で処罰を受けたりすることもあるでしょうし、責任を感じて落ち込んでしまうことも。
目標やノルマの進捗があまり良くない場合、管理職の人が残業して進めなければならないこともあるのがきついです。
こうしたミスやトラブルがいつか起こるのではないかと気が休まらない時間を過ごすのも、ストレスの要因となります。
管理職のストレスの原因⑥「部下の愚痴や相談に付き合わされる」
部下の愚痴や相談に付き合わされるのも、ストレスの大きな要因になります。
生産性のない愚痴を飲み会で聞かされることで感じるストレスに加え、部下のフォローやマネジメントをしなければならないストレスも感じることに。
負の感情は伝染してしまうこともあるため、感受性の強い人は愚痴を聞くだけでも精神的なダメージを受けやすくなってしまいます。
部下の前で弱音を吐くこともできないこともあり、余計にストレスを溜め込みやすくなってしまう傾向があります。
管理職のストレスの原因⑦「リーダー職が向いていない」
管理職になると、部下を統率したりプロジェクトのリーダーを任されたりすることも増えてきます。
性格的に人の前に立つことが苦手だったり期待や責任によるプレッシャーが重なったりする人にとっては、これはむしろ非常に大きなストレスに。
「リーダー職を辞めたい」と言い出せずに悶々としている人も多いのではないでしょうか。
周りの人たちが協力的ならまだしも、ひとりでも輪を乱す人がいるとそれがストレスに繋がってしまいます。
管理職のストレス解決策①「周囲の助けを借りる」
ここからはストレスの原因①〜⑦を踏まえ、具体的な解決策を提示していきます。
管理職の人が抱えるこうしたストレスを解決する方法のひとつは、周囲の助けを借りること。
自分だけで抱え込むと精神的な負担が大きく、場合によってはうつ病をはじめとする病気や最悪の場合自殺に繋がってしまうケースもあります。
無理をしすぎて身体と心を壊してしまう前に、周りの人に現状を打ち明けて仕事を手伝ってもらいましょう。
管理職のストレス解決策②「完璧は無理と割り切る」
上司から突きつけられた無理難題に必死で応えようとするあまり、完璧を求めすぎてはいませんか?
また、能力が低い部下ややる気を感じられない部下に対してイライラしてしまうことはありませんか?
そんなときは一旦冷静になって、大きく深呼吸をしてみましょう。よく考えてみると、自分は完璧な人間ではないし周りの人間にも完璧な人はいませんよね。
100%の成果を出すことは厳しいと割り切って受け流してしまうのもひとつの方法です。
管理職のストレス解決策③「おもいきって環境を変える」
上記の解決策を試してみても状況が改善しないのであれば、おもいきって環境を変えてしまうのもひとつの方法です。
部署異動を申請するのもありですし、いっそのこと転職をして新しい環境で再スタートするのもあり。
ただし、年齢が高くなるにつれて転職できる会社が少なくなったり、年収が下がってしまう可能性があることは頭に入れておきましょう。
精神的に限界が来てからではなくなるべく早めに転職を検討することで、いざという時にスムーズに動くことができます。
まとめ
管理職は上司と部下との板挟みになりやすく、ストレスを溜め込みやすい役職といえます。
ストレスを抱えているあなたがまずやるべきなのは、ストレスの原因を明確にすること。ストレスの原因を把握することで、多少なりとも気が楽になります。
次に、抱えているストレスを解決するための対策を取りましょう。周囲の助けや割り切っても解決しない場合、転職を検討するのもひとつの方法です。
管理職の抱えるストレスは相当なもの。無理をしすぎて潰れてしまう前に、上記のような解決策を試してみてくださいね。