「社長といえば、男性を思い浮かべる。女性の社長は日本にどのぐらいいるのだろうか。」
日本では、会社の社長といえば男性を思い浮かべる人が多いかと思います。一方で、女性の社長はどのぐらいいるのか気になるところですよね。
そこでこの記事では、女性社長の現状と実態について解説していきます。
この記事を読んで、女性社長の現状と実態を理解して、自分の可能性を広げていきましょう。
日本の女性社長の比率は1割にも満たない
日本の企業において、女性社長の比率がどのぐらいなのか気になる人もいるかと思います。2019年時点で、女性社長の比率は1割にも満たない、7.9%です。
1989年では女性社長の比率が4.3%だったことから、3.6%伸びていますが、未だに男性社長の方が圧倒的に多いことが分かります。
女性社長の比率が、わずかながらも伸びている理由は、2015年に施行された「女性活躍推進法」などによる国の後押しがあったからだと思われます。
(データ参照:女性社長、活躍するのはこんな会社 割合は過去最高でも1割に満たずより)
アメリカの女性社長の比率は2割を超える
日本の女性社長が1割にも満たない現状が分かりました。一方で、2014年時点のアメリカの女性社長の比率は、23%と2割を超えているのです。
20年前の1990年代に女性が専門職に進出し始めたことがきっかけで、野心ある女性たちが起業し始めました。
そして起業した女性社長たちが成功し始めたことをきっかけに、アメリカの企業が女性の力を認め始めたことから、女性社長の比率が増加してのではないかと言われています。
(データ参照:アメリカ出世事情・女性CEOが誕生する理由より)
女性社長が多い業界とは
女性社長が多くいる業界はどこなのか、気になるところです。女性社長が多い業界は上から「不動産業」の16.7%、「小売業」の10.5%、「サービス業」の10.4%となっています。
私たちの日常生活と関わりのある業界に、女性社長が多くいることが分かります。家庭生活に関わりのあるサービスといった女性のニーズが多い場面で、女性社長が活躍しているのです。
一方、女性社長が少ない業界は「建設業」で4.7%という低い割合です。「建設業」は、肉体労働といった体力を必要とすることが多いことから、女性が少ないのでしょう。
(データ参照:女性社長、活躍するのはこんな会社 割合は過去最高でも1割に満たずより)
女性社長で一番多い年代層は60代
女性社長をやっている人たちの年代層は何歳が多いのか、気になるかと思います。
女性社長をやっている人たちの年代層で一番多いのは、60代で27.6%、次いで70代の24.4%となっています。シニア世代で社長をやっている人の割合が高いのです。
なお、女性社長になった経緯は「同族継承」が50.8%、次いで「創業者」が35.3%となっています。
女性社長は、親世代の社長の高齢などを理由に、世代交代として社長になるケースが多いことがうかがえます。
(データ参照:女性社長、活躍するのはこんな会社 割合は過去最高でも1割に満たずより)
60代以外にも、女性社長として活躍している人もいる
女性社長が多い年代層は、60代や70代といったシニア層が多いですが、20代~40代という女性たちも社長として活躍しています。
若さを武器に新たな発想で挑戦する20代や、仕事のキャリアなどの経験を活かして活躍する30代、お母さんとしての経験を事業に活かして挑戦する40代、といった女性社長たちがいるのです。
日本の女性社長の割合は少ないものの、国として女性活躍を促進しているため、今後、新たなビジネスを展開していく女性社長の活躍が期待されています。
次の項目から、20代と30代、40代の女性社長をそれぞれ紹介していきます。
20代で活躍している女性社長
20代で活躍している女性社長の一人に、伊藤真莉さんがいます。伊藤真莉さんは、現役東大生で事業を興した女性社長です。
「Instagram(インスタグラム)」のライブ配信を利用した食品販売サービス、「meglee(メグリー)」を行っています。
「meglee(メグリー)」は、農家などの生産者がこだわって作った食品を紹介し、「Instagram(インスタグラム)」を通じて生産者と会話をしながら商品を購入できるサービスです。
伊藤真莉さんは、「好きなことをして生きていく」という信念を基に事業を行っていて、今後の活躍が期待されています。(出典:https://found-er.com/interview/1460/)
30代で活躍している女性社長
30代で活躍している女性社長の一人に、大東めぐみさんがいます。大東めぐみさんは「P&G」に入社し、研究開発・マーケティングの業務を行いました。
その後、ご主人の転勤を機に香港に移住し、マーケティングで培った経験を活かし、webサービスで起業します。
さらに、起業を目指す女性をサポートするオンライン起業プログラム、「Project F(プロジェクトF)」のサービスも運営しています。
今後は、ITの講座を提供するサービスを考えているとのこと。スキル面で不安を抱えている女性たちをサポートしていく姿勢がうかがえます。
40代で活躍している女性社長
40代で活躍している女性社長の一人に、閑歳孝子(かんさいたかこ)さんがいます。閑歳孝子さんは、家計簿アプリで知られている「Zaim(ザイム)」を開発した女性社長です。
「Zaim(ザイム)」は、主婦層から人気のある家計簿アプリとして、ダウンロード数800万件達成や「AppStore」、「Google Play」ファイナンス部門1位に選ばれている実績があります。
閑歳孝子さんは、ITベンチャー企業への転職をきっかけに、プログラミングを独学で学び、「Zaim(ザイム)」を開発したのだとか。
今後は、お金の管理をベース情報として次のアクションを考える。そんな「未来」に携わる機能を強化していく予定とのことです。(出典:https://found-er.com/interview/1390/)
女性社長として活躍するために必要なこと
20代から40代まで活躍している女性社長を、3人紹介していきました。紹介した女性社長たちは、それぞれITやマーケティング分野などで大きな成功を手にしています。
しかし、紹介した女性社長たちも、最初から上手くいったわけではありません。起業し始めた時には、どうすればいいのか分からないと不安を感じています。
彼女たちはインタビューの中で、広告代理店の社員からアドバイスをもらったり、同世代のエンジニアから知識を教わるなど、人との繋がりをきっかけに道を切り開いてきたと述べています。
人との出会いを大切にすることで、女性社長としての成功への道が見えてくるのかもしれません。
まとめ
今回の記事では、女性社長の現状と実態について解説をしてきました。
日本の女性社長は、アメリカと比べると少ないため、ビジネスで目立つ存在ではありません。年齢層も60代や70代のシニア世代が中心で、親世代から相続という形で引き継がれる場合が多いです。
一方で、20代から40代の女性たちが起業し、新たなサービスを世の中に生み出しています。今後、性別に囚われずに女性社長たちが活躍していくことが期待されています。
女性だから不利という固定概念は以前よりもなくなりつつあります。もし、あなたが起業してみたいなら、1歩ずつでもいいので、挑戦してみてはいかがでしょうか。