「転職活動の負担を減らしたい」「もっと条件の良い環境で働きたい」などの理由から、コネを使った転職を考える方も少なくありません。
あなたもコネ転職を検討しているかと思いますが、「本当にコネを使っても良いのかな」「あまり良いイメージが湧かない…」と不安になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、コネ転職の是非をはじめ、知っておくべきメリット・デメリットについて解説します。この記事を読めば、本当にコネを使うべきかどうかを判断しやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://unsplash.com/photos/aWf7mjwwJJo)
そもそも転職でコネを使っても良い?
コネ転職について考えたとき、「本当にコネを使っても良いのかな」と不安になるものです。
実際にコネ転職の是非ついて調べてみたところ、「小林裕彦法律事務所」の情報によれば、公務員と民間企業によってコネに関する規定が異なるようです。
公務員の場合
地方公務員法や国家公務員法では,職員の任用は,法律の定めるところにより,受験成績,勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならないと規定されています。このため,国や地方自治体が縁故採用をすることは,地方公務員法及び国家公務員法違反になります。
公務員試験の受験要領を見ると議員等のいわゆる口利きにより採用されたことが発覚した場合には,採用を取り消す旨が記載されていることもあります。出典:https://www.kobayashi-law-office.jp/column/473
民間企業の場合
しかし,民間企業についてこのような規定は存在しません。民間企業が性別による差別(男女雇用機会均等法)など,法律が禁じている採用差別に該当しない限り,各企業は,自らの裁量で従業員として採用する者を決めることができます。
〜中略〜
実際のところも,民間企業が取引先とのつながりを強めるために,縁故採用をするということは企業の戦略としてありうるものであり,直ちに違法というのは困難なケースが多いと考えます。このことからも明らかなように,民間企業が縁故採用をしたり,大学関係者が民間企業に縁故採用をお願いしたとしてもそのこと自体で法的な問題が生じる可能性は少ないと言えます。
出典:https://www.kobayashi-law-office.jp/column/473
上記の内容を見てみると、公務員へのコネ転職は「違反」に該当し、民間企業へのコネ転職は「違反にならない」ことが分かります。
実際に民間企業では「縁故採用(血縁者からの紹介で採用する手法)」や「リファラル採用(社員による紹介で採用する手法)」が広がっており、コネを使って転職する方も少なくありません。
ただコネ転職にはメリット・デメリットがあるため、事前に把握しておくことが重要です。コネ転職の善し悪しを理解した上で、紹介を受けるべきどうかを判断してみましょう。
コネを使って転職する4つのメリット
ここからは、コネを使って転職するメリットについて紹介していきます。コネ転職の主なメリットとして、以下の4つの点が挙げられます。
- スムーズに転職活動を進められる
- 採用される確率が高い
- 高待遇を受けられる可能性がある
- 事前に会社の内情を確認できる
コネ転職は「転職活動の負担が減る」「入社後のミスマッチを防ぎやすい」といった利点があり、転職希望者にとってメリットが大きいと言えます。
次の章からは、具体的にどのようなメリットを得られるのか、詳しく解説していきます。
コネ転職のメリット①スムーズに転職活動を進められる
コネを使って転職する場合、よりスムーズに転職活動を進めることができます。その理由として、以下の3つの点が挙げられます。
- 求人を探す手間が省けるため
- 書類選考や面接が免除されるケースがあるため
- 選考が緩い可能性があるため
コネ転職は、親・友人・知り合いなどから紹介を受けるため、求人を探す手間が省けます。
求人探しに費やす時間や労力を必要としないので、転職活動の負担を大幅に減らすことができます。
また、一般的な転職とは異なり、コネ転職は書類選考や面接が免除されるケースも多いです。
選考を受けるにしても、挨拶程度で済む場合もよくあるので、よりスムーズに転職活動を進められます。
コネ転職のメリット②採用される確率が高い
一般的な転職と比べると、コネ転職は“採用される確率が高い”というメリットがあります。
と言うのも、コネ転職は最初から入社できることが決まっていたり、採用前提で話を進めたりするケースが多いからです。
実際にビジネスメディア「Biz Hits」が行った『コネ転職に関する意識調査』では、多くの方が「入社できるのは決まっていた」「不採用になる可能性がほぼない」と回答しています。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000041309.html)
“選考で落とされるリスクが低い”という点は、コネを利用する最大のメリットと言えるでしょう。
コネ転職は、紹介者がどれだけの裁量権を持っているかで採用率が変わってきます。
採用される可能性は高いですが、採用されないケースがあることも頭に入れておきましょう。
コネ転職のメリット③高待遇を受けられる可能性がある
コネ転職は、一般採用よりも良い待遇を受けられることがよくあります。具体的には、給与を高く設定してもらえたり、平社員ではなく役職付きで入社できたりするケースが多いです。
尚、一般的な転職では「前職よりも給与が下がる」「現職と同等のポジションにつけない」といった場合も少なくありません。
必ずしも高待遇を受けられる訳ではありませんが、キャリアダウンのリスクを抑えられる点も、コネ転職のメリットと言えるでしょう。
コネ転職のメリット④事前に会社の内情を確認できる
転職でコネを使う場合、親・友人・取引先など“あなたと関係の深い方のコネ”を利用するかと思います。
自身のコネクションを使えば、紹介者から会社の雰囲気や働き方、人間関係などを直接確認できるので、転職に対する不安を大幅に軽減できます。
また、事前に会社の内情を知ることで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなるのもコネ転職の利点です。
一般的な転職とは違い、求人票では分からない情報を集められるのは、コネ転職の大きなメリットと言えるでしょう。
コネを使って転職する3つのデメリット
メリットが多いコネ転職ですが、デメリットが多いのも事実です。特筆すべきデメリットとしては、以下の3つの点が挙げられます。
- 仕事を辞めたくても辞めづらい
- 周囲の視線が気になってしまう
- 大きなプレッシャーがかかる
コネ転職は、スムーズに転職活動を進められる反面、入社後の精神的な負担が大きくなります。
デメリットを理解していないまま、転職でコネを使ってしまうと、入社後に苦労してしまう可能性が高いです。
次の章からは、3つのデメリットについて詳しく解説していくので、しっかりと頭に入れておきましょう。
コネ転職のデメリット①仕事を辞めたくても辞めづらい
コネ転職の盲点とも言えるのが、「仕事が辞めづらくなる」という点です。先程も紹介したように、コネ転職は選考が免除されたり、高待遇を受けられたりする場合があります。
せっかく優遇してもらったのにも関わらず、自分本位で会社を辞めるとなると、紹介者に迷惑をかけてしまうかもしれません。
また、どうにも会社を辞めたくても「親切にしてもらったのに申し訳ない…」と感じてしまい、中々退職に踏み切れないケースもよくあります。
転職でコネを使う場合は、入社する際のメリットだけでなく、会社を辞めづらくなるリスクについても考えておくことが重要です。
コネ転職のデメリット②周囲の視線が気になってしまう
コネを使って転職すると、“コネ入社”という色眼鏡で見られたり、冷たい視線で見られたりすることも少なくありません。
また、“コネ転職=努力していない”と思われてしまうこともあり、周囲から厳しい目を向けられてしまうこともあります。
誰もが厳しい目で見てくる訳ではないですが、コネ転職に対してネガティブな印象を持っている方は意外と多いです。
そのため、周囲の視線が気になり、仕事が手につかなかったり、体調を崩したりするケースもよく見られます。ですので、厳しい目を向けられる可能性も想定して、コネを使うべきかどうかを判断しましょう。
コネ転職のデメリット③大きなプレッシャーがかかる
コネ転職は、転職活動が有利になる反面、入社後に大きなプレッシャーがかかります。と言うのも、コネを使った場合、どうしても周りからの期待値が高くなってしまうからです。
そのため、職場の人たちに「紹介されたくらいだから、もちろん仕事はできるだろう」と思われてしまい、プレッシャーを感じる場合がよくあります。
また、紹介を受けたことにより、「何とかして期待に応えなくては…」と仕事の成果に対するプレッシャーを感じるケースも多いです。
人によっては大きなストレスを感じてしまい、精神的に病んでしまうこともあります。期待に応えられる能力とメンタルがあれば良いですが、もし自分に自信がない場合はコネを使わない方が賢明かもしれません。
まとめ:入社後の自分を想定してコネを使うか考えよう
今回は、コネ転職の是非をはじめ、知っておくべきメリット・デメリットについて紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- 民間企業へ転職する場合、コネを使っても問題ない
- コネ転職のメリット→有利に転職活動を進められる
- コネ転職のデメリット→入社後の精神的な負担が大きい
コネ転職は、スムーズに転職活動を進められる反面、入社後に苦労してしまうケースが多いです。
ですので、入社後の自分の姿をイメージして、コネを利用するかどうかを検討してみてください。