事務職の転職を考えているなら、転職を有利にするために資格取得を考えてみましょう。
資格を持つことで他の人と差別化することができて、転職を有利にすることができます。では、人気の高い事務職の転職にはどんな資格を取得したらよいのでしょうか。
この記事では、事務職の転職をサポートしてくれるおすすめな資格を7つ紹介していきます。本記事を読めば、あなたが希望している事務職にあった資格がはっきりわかるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
事務職の仕事はどんなものなのか
事務職の具体的な仕事内容を紹介していきます。代表的な事務職の仕事内容は以下の通りです。
- 電話、メール、来客対応
- 文章作成、データ入力
- 受発注対応
- 売上、在庫管理
事務職と言っても仕事の種類は一つではありません。電話対応から、文書の作成、受発注や在庫確認までさまざまです。
そんな事務職に求められるものは、基本的なパソコンのスキルや、ビジネスマナー、ITリテラシー(ITに対する理解度)などです。
事務職の転職に有利な資格を7つ紹介!
事務職の転職を有利にしたいなら、業種に合った資格を取得した方がよいでしょう。なぜなら、業種に合った資格でなければ苦労して取得しても全く意味がないからです。
そこで次の章から、一般的な事務職と専門的事務職で転職に有利になる資格7選を詳しく解説していきます。
一般的事務職と専門的事務職の違いは、ある分野の専門的知識や資格を持っているかどうかです。おすすめする一般的事務職と、専門的事務職の7つの資格は以下のとおりです。
一般的事務職の転職に有利な資格 | 専門的事務職の転職に有利な資格 |
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次の章から、まずは一般的な事務職におすすめな資格を解説していきます。
一般的事務職の転職に有利な資格①MOS
MOSとは、「マイクロソフト オフィス スペシャルリスト」の略で、WordやExcelなどのマイクロソフトオフィスのソフトの操作スキルを証明する資格のことです。
現在、事務職においてはパソコンは必要不可欠です。あなたが、パソコン操作が得意であっても、パソコンのスキルを正確に伝えることができるでしょうか?
MOSの資格を取得すれば、あなたのパソコンのスキルを面接官に正確にアピールすることができます。
試験は、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5つの科目から選び、2019、2016、2013のバージョンから選択します。
試験科目 | バージョン | |
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一般レベル | 上級レベル(エキスパート) | |
Word ワード (文書作成ソフト) |
Word 365&2019 | Word 365&2019 エキスパート |
Word 2016 | Word 2016 エキスパート | |
Word 2013 |
Word 2013 エキスパート Part1(※) Word 2013 エキスパート Part2(※) |
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Excel エクセル (表計算ソフト) |
Excel 365&2019 | Excel 365&2019 エキスパート |
Excel 2016 | Excel 2016 エキスパート | |
Excel 2013 |
Excel 2013 エキスパート Part1(※) Excel 2013 エキスパート Part2(※) |
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PowerPoint パワーポイント (プレゼンテーション ソフト) |
PowerPoint 365&2019 | |
PowerPoint 2016 | ||
PowerPoint 2013 | ||
Access アクセス (データベース管理ソフト) |
― | Access 365&2019 エキスパート |
Access 2016 | ||
Access 2013 | ||
Outlook アウトルック (電子メール・情報管理ソフト) |
Outlook 365&2019 | |
Outlook 2016 | ||
Outlook 2013 |
(引用:https://mos.odyssey-com.co.jp/outline/)
MOS 2013 エキスパートレベルはPart 1、Part 2の2科目に合格すると認定証が発行されます。
WordとExcelのみ、スペシャリストレベル(一般レベル)とエキスパートレベル(上級レベル)の資格があります。Access365&2019のバージョンはスペシャリストレベルはありません。
オフィススキルがあることの証明としてMOSを取得できるので、転職の際には自分のオフィススキルを明確に提示できて転職に有利になります。
試験は、全国約1,700の試験会場で行われる随時試験と、毎月1回行われる全国一斉試験の2種類があります。申し込み方法が違うので詳細はMOSの公式サイトで確認してください。
一般的事務職に有利な資格②日商PC検定
日商PC検定は、日本商工会議所が主催しているPCスキルの検定です。MOSと並ぶ有名なPCスキルの資格として知られています。
MOSと違う点は、PC操作のほかに文書作成やデータ活用、プレゼン資料の作成などのスキルも試験に出される点です。
そのため、短時間で適切なビジネス文書を作成する力や、業務データを見て表やグラフを素早く作成し、さまざまな角度から分析する力なども見られます。
日商PC検定を取得すれば、職場でのさまざまな場面で即戦力になるとアピールできるでしょう。
日商PC検定は、文書作成(Word)、データ活用(Excel)、プレゼン資料作成(PowerPoint)の3つに分かれています。
それぞれ、各級が設定されててWordとExcelは、ベーシック、3級、2級、1級の4つの級があります。PowerPointは3級、2級、1級の3つの級です。
また、3~1級には「知識問題」と「実技問題」の2つの試験があります。ベーシックは「実技問題」のみの試験となります。
日本PC検定の種類 | 級 | 試験内容 |
Word | ベーシック・3級・2級・1級 |
|
Excel | ベーシック・3級・2級・1級 | |
PowerPoint | 3級・2級・1級 |
試験は、全国各地で同一日に行われる統一試験と、ネット試験会場が独自に試験日を設定できる二通りがあります。詳しくは日本商工会議所の公式サイトでご確認ください。
一般的事務職の転職に有利な資格③秘書検定
秘書検定は、公益財団法人実務技能検定協会主催の一般常識やビジネスマナーに関する資格です。
秘書検定という名前から秘書業務のスキルと思うかもしれませんが、社会人として身につけておきたいビジネスマナー全般を問う問題になっています。
秘書検定は3級、2級、準1級、1級の4つの等級があります。それぞれの等級で問われる内容は以下のとおりです。
等級 | 試験内容 | 面接 |
3級 | 社会人としての基本的なマナーを中心とした問題 | 無 |
2級 | オフィスでも通用するビジネスマナーが学べる | 無 |
準1級 | 高いコミュニケーションスキルが身に付く | 筆記試験合格後 有 |
1級 | 面接試験合格後1年以内に、実用英語技能検定2級以上やTOEIC470点など指定された試験に合格する必要があり | 筆記試験合格後 有 |
秘書検定は、ビジネスシーンに適した文書やメールの作成や電話対応、上司や同僚に対する気遣いなどが求められます。
そのため、事務職の仕事のスキル向上だけでなく、コミュニケーション能力も身に付けることができて、事務職の転職に有利になる資格です。
秘書検定の試験では、3級、2級、準1級は選択問題(マークシート方式)と記述問題があります。しかし、1級はすべて記述問題の試験です。また、1級、準1級は筆記試験に合格すると面接があります。
試験の内容は「理論」と「実技」に分かれていて、それぞれ60%以上で合格となります。
級 | 問題形式 | 試験内容 | 面接 |
3級、2級、準1級 | 選択問題と記述問題 | 「理論」と「実技」 | 1級、準1級は筆記試験に合格すると面接あり |
1級 | すべて記述問題 |
例年試験は、年に3回(2月、6月、11月)実施されています。等級を限定している回もあるので、詳細は公益財団法人実務技能検定協会の公式サイトでご確認ください。
次の章からは、専門的事務職に有利な資格を紹介していきます。専門的事務職に適した資格を取得することで転職でも有利になるでしょう。
専門的事務職の転職に有利な資格①日商簿記
日商簿記は商工会議所が主催の簿記に関する資格で、経理事務の転職を考えている人におすすめです。
日商簿記検定は、会計知識や財務諸表を読み解く力や、企業の財務状況を理解する力を証明できる資格です。
企業の経理事務募集要項には、日商簿記検定の資格が必須の場合もあるので取得を目指してみましょう。
日商簿記検定で、企業にアピールするなら2級以上がいいでしょう。日商簿記検定の資格取得で身に付く具体的な知識は以下のとおりです。
- 簿記記入における仕訳
- 伝票会計
- 財務諸表の作成
- 工業簿記における簿記記入
- 原価計算
上記の知識は、経理事務では即戦力になる知識です。経理事務の転職を成功させたいなら、チャレンジしてみてください。
日商簿記は、3級、2級、1級の3つの等級がありそれぞれの等級の試験内容は以下のとおりです。
等級 | 試験内容 |
3級 | 経理関連の書類処理など初歩的な知識の問題 |
2級 | 経営管理に欠かせない財務諸表の数字を読み解く力を問う問題 |
1級 | 公認会計士や税理士などの国家資格受験に必須な資格 |
試験は、3級、2級は年3回、1級は年2回実施されています。試験の日程や詳細は商工会議所の公式サイトでご確認ください。
専門的事務職の転職に有利な資格②TOEIC
TOEICとは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が運営する試験で、英語のコミュニケーション能力を評価するものです。
外資系の企業や、貿易系の企業などでは事務職でもTOEICの点数が応募条件に設ける場合が多くなってきています。
現在では、英語のスキルを判断する基準とし定着してきています。外資系の企業や貿易系の企業の事務職を目指しているなら挑戦した方が良いでしょう。
TOEICは、資格ではなくスコア制であり、そのスコアによって英語力をアピールすることができます。スコアごとの具体的な英語力は以下のとおりです。
点数 | 英語力 |
220点未満 | コミュニケーションができるまでに至っていない |
220~465点 | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる |
470~725点 | 通常会話でのコミュニケーションが可能。また、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる |
730~855点 | 状況に応じた適切なコミュニケーション力を備えている |
860~990 | 充分なコミュニケーションができる |
外資系企業は、仕事中でも英語を使用する場面が多いため、英語力の高い人を採用したいと思っています。
TOEICで650点以上のハイスコアを出せれば、企業からは魅力的な人材であると思われるでしょう。
試験はリスニング問題とリーディング問題から出題されます。解答はマークシート方式で、問題や選択肢なども全て英語です。
試験は、毎月全国の会場で実施されています。詳しくは、IIBCの公式サイトでご確認ください。
専門的事務職の転職に有利な資格③診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験とは、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する 全国一斉統一試験です。
この試験は、診療報酬請求事務として働く人材の資質の向上を目指した試験です。医療事務への転職を考えているなら、この診療報酬請求事務能力認定試験がおすすめです。
医療事務の資格は以下のとおり、さまざまな種類があります。その中でも、診療報酬請求事務能力認定試験は、特に転職に有利な資格です。
資格名 | 主催 |
診療報酬請求事務能力認定試験 | 日本医療保険事務協会 |
医科 医療事務管理士技能認定試験 | 技能認定振興協会 |
医事コンピュータ技能検定試験 | 医療秘書教育全国協議会 |
医療情報実務能力検定試験(医療事務実務士) | 医療福祉情報実務能力協会 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 日本医療教育財団 |
医療事務技能認定試験 | 技能認定振興協会 |
医療事務検定試験 | 日本医療事務協会 |
診療報酬請求事務能力認定試験は、医科と歯科の2種類の資格試験があり、この資格を取得すると診療報酬計算の業務に役立ちます。
合格率が30%~40%と医療事務では最高レベルの難易度ですが、転職や給与面でも有利な資格です。この資格を取得すると、実務経験者と同等のレベルの知識があると認定されると言われています。
大きな病院では、資格手当を支給する場合も多く医療事務への転職をサポートしてくれる資格と言えるでしょう。
試験は年に2回、指定された全国の会場で受験できます。受験科目は、医科と歯科に分け、それぞれ学科試験と実技試験を行っていきます。出題される内容は以下のとおりです。
学科・科目 |
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実技試験 | 学科試験と実技試験(レセプト作成など) |
問題数 |
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試験時間 | 3時間(午後1時〜4時) |
合格基準 |
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資格試験へは、インターネットから申し込めます。その他の詳細は日本医療保険事務協会の、公式サイトでご確認ください。
専門的事務職の転職に有利な資格④パラリーガル
パラリーガルとは、弁護士の業務をサポートする専門的な事務職のことです。法律事務の知識を習得することで、パラリーガルの資格を取得できます。専門的知識があることを証明できて法律事務の転職が有利になります。
現在、法律事務勤務未経験者でもパラリーガルの資格を受験できるのは、一般社団法人日本リーガルアシスタント協会が実施しているものだけです。
パラリーガルの資格を取得するには、パラリーガル認定資格講座(AG法律アカデミー講座)の受講が必須となっています。
パラリーガル認定資格講座を受講すれば、以下の知識を習得でき転職に有利になります。
- 民法、民事訴訟法、刑事訴訟法等の基礎知識を得られる
- 裁判手続の流れ、自分が行っている事務処理の内容を理解し業務を遂行できる
- 基本的な法律用語や専門用語を理解できる
法律事務に関する基本的な専門知識を得られれば、即戦力になると思われ転職に有利になるでしょう。
パラリーガルの資格は以下の3つの段階があり、個々のレベルに合わせて受験できます。
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一般社団法人日本リーガルアシスタント協会が実施している、資格講座を受講すれば法律事務の勤務が未経験な人でも資格試験を受けることができます。
法律事務所は、景気に左右されないと言われている業種です。法律を学んだことのない人でも、パラリーガルの資格を取得すれば採用のチャンスは大いにあるでしょう。
パラリーガルの資格取得のため、必須である一般社団法人日本リーガルアシスタント協会の認定資格講座の詳細は以下のサイトからご覧ください。
事務職の転職でなぜ資格が有利なのか?
事務職の転職を成功させるには、資格を取得するほうが断然有利です。
人気のある職種である「事務職」で、他人との差別化を図るには資格が必須です。自分が興味のある業種の事務職を目指すなら、その業種にあった資格を所得しましょう。
また、資格を持っていない人よりも資格を持っている人の方が給与が良く、その後のスキルアップにも役立ちます。
求人が多いからと事務職への転職を希望しても、あなたのスキルを証明するのは難しいでしょう。しかし、資格を持っていればあなたのスキルを相手に正確に伝えられて即戦力になる人材であることをアピールできます。
【まとめ】事務職の転職に有利な資格で転職を成功させよう!
資格を取得すれば、事務職未経験者であっても転職が有利になります。実際に仕事を始めても基礎知識が身に付いているので、業務もスムーズに始められて即戦力になることでしょう。
事務職への転職を考えるなら、自分の進みたい業種に有利な資格を取得してキャリアアップを目指しましょう。
また、資格を取得することで自分に自信がつきます。資格があれば転職の際にアピールすることもできるでしょう。事務職は人気がある職種なので、他の人と差別化するためにも資格の取得を目指してみましょう。