「転職エージェントの利用率ってどれくらいなんだろう?」「いろんな人が使っているけど、内定率は高いのかな?」
よく「転職エージェントは使うべき」という声を耳にしますが、“実際にどれくらいの人が利用し、どれだけの人が内定を貰っているのか”と気になるかと思います。
そこで今回は、転職エージェントの利用率をはじめ、内定率の目安についても解説します。この記事を読めば、本当に利用すべきサービスなのか判断しやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/photos/question-question-mark-balloon-3838906/#content)
転職エージェントの利用率はどれくらい?
様々な転職サポートを提供している「転職エージェント」ですが、実際にどれくらいの人が利用しているのでしょうか。
人材紹介サービスの大手である「マイナビ」の調査によると、2019年に転職した方の「約3割」が転職エージェントを利用していたようです。(正社員として働いている20〜50代が対象)
利用段階 | 転職エージェント | 転職サイト | 職業安定所 |
情報収集での利用 | 31.5% | 55.5% | 31.9% |
応募での利用 | 26.8% | 39.9% | 24.7% |
(参照:マイナビ「転職動向調査2020年版(2019年)」)
マイナビによる調査では「転職エージェントよりも“転職サイト”の方が利用率が高い」という結果になっていました。
その理由の1つとして、転職サイトは“情報収集や応募のハードルが低い”ことが挙げられます。
転職エージェントは「紹介された求人にしか応募できない」ですが、転職サイトは「自ら求人を探して応募する」ことが可能です。
転職サイトの方が主体的に転職活動を進めやすいので、転職エージェントよりも利用率が高いと考えられます。
転職エージェントを認知している人ほど利用率が高い
前章では“転職エージェントの利用率は約3割”と紹介しましたが、転職エージェントを認知している人は積極的に利用している傾向にあります。
マイナビによる調査では「転職エージェントを認知している人の“半数以上”がサービスを利用している」という結果が見られました。
利用段階 | 転職エージェント | 転職サイト | 職業安定所 |
情報収集での利用 | 60.3% | 75.2% | 45.3% |
応募での利用 | 51.3% | 54.1% | 35.1% |
(参照:マイナビ「転職動向調査2020年版(2019年)」)
転職エージェントは「質の高い求人が多い」「サポートが手厚い」などのメリットがあることから、サービスを認知している方の利用率が高いと推測できます。
一方、転職エージェントを知らない人は「使い方がよく分からない」「利用料が高そう」などの理由から、利用するのを避けてしまうことが考えられます。
ちなみに転職エージェントの利用料は、基本的に「無料」です。お金を支払うことなく、キャリアアドバイザーがしっかりとサポートしてくれるので、初めての方も安心して利用できます。
転職エージェントの内定率は4〜5%が目安
転職エージェントを利用するにあたり、「どれくらいの確率で内定を貰えるのかな?」と気になるかと思います。
内定率については、転職エージェントの大手である「マイナビエージェント」と「リクルートエージェント」のデータを参考にして解説していきます。
マイナビエージェントの内定率の目安
マイナビエージェントでは、選考通過率・内定率について以下のように公表しています。
マイナビエージェントで転職活動を行い、内定を得た方たちのデータによると、応募して書類選考を通過し、一次面接に進む確率は約30%。そして、一次面接から最終面接へ進む確率はそのうちの約30%。さらに、最終面接を通過して内定を獲得する確率は、そのうちの約50%でした。
たとえば、1つの企業に100人の応募があったとします。その中で、書類選考を通過するのは30人。一次面接を通過し、最終面接に進むことができるのは9人。そして、最終面接を突破して内定を得られるのは、4~5人ということになります。
引用:https://mynavi-agent.jp/service/about_employment_agency/faq/16.html
マイナビエージェントを利用して転職活動を進めた場合、内定率は「4〜5%」が目安となります。(4〜5人÷100人=4〜5%)
リクルートエージェントの内定率の目安
リクルートエージェントでは、正式な内定率は公表されていません。
ただ登録者数と転職決定者数が公表されているので、おおよその内定率は算出できます。
■登録者数 :約125万2000名(2019年度実績)
■転職決定者数 :約5万2000名(2019年度実績)引用:https://www.direct-recruiting.jp/topics/shohin/recruit-agent/features/
転職決定者数から登録者数を割ってみると、リクルートエージェントの内定率は「4.15%」となります。(5万2000人÷125万2000人=4.15%)
両サービスのデータを見る限りでは、転職エージェントの内定率は「4〜5%」が目安となりそうです。
ただ転職者の年齢や転職先の規模などにより、内定を貰える確率は変わってくるので、目安の1つとして参考にしていただければと思います。
ちなみに転職エージェントを利用して、転職を成功させている人の多くが「10〜20社」に応募している傾向にあります。(参考:リクルートエージェント)
転職エージェントを利用した方が良い4つの理由
ここまで利用率や内定率について紹介しましたが、実際に転職エージェントは利用すべきなのでしょうか。
結論から言うと、転職エージェントは「利用した方が良い」と言えます。その理由として、以下の4つのポイントが挙げられます。
- 理想の求人と出会える可能性が高い
- スムーズに転職活動を進められる
- 選考通過率が上がる
- 入社後のミスマッチを防ぎやすい
理想の求人と出会える可能性が高い
転職エージェントに登録すると、まずは担当のキャリアアドバイザーと面談を行います。
あなたの希望や価値観を確認した上で、条件に合う企業のみを紹介してくれるので、理想の求人と出会える可能性が高いです。
また、一般には公開されていない「非公開求人」が多いのも転職エージェントの魅力です。
非公開求人には、高年収や幹部クラスの案件など“質が高い求人”が多いので、より魅力的な求人と出会えるかもしれません。
スムーズに転職活動を進められる
前述したように、転職エージェントでは担当のキャリアアドバイザーが求人を紹介してくれます。
更に面接日の日程調整や企業との条件交渉なども代行してくれるので、転職活動の負担を減らすことができます。
キャリア面談から内定決定後のフォローまで一貫したサポートを受けられるので、より転職活動をスムーズに進めることが可能です。
選考通過率が上がる
転職エージェントでは、応募書類の添削や面接対策を受けられ、万全の状態で選考に臨めます。
更にキャリアアドバイザーは、人事担当者から企業が求める人物像をヒアリングしているので、よりあなたの強みをアピールすることが可能です。
他にも企業に推薦状を送ってくれるなど手厚いサポートを受けられるので、1人で転職活動をするよりも選考通過率を上げられます。
入社後のミスマッチを防ぎやすい
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業とのパイプを持っているため、リアルな職場の雰囲気を把握していることが多いです。
事前に応募する企業の内情を教えてもらえれば、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
求人情報や企業のWebサイトでは知り得ない情報を聞くことができるのは、転職エージェントならではの特権と言えるでしょう。
転職エージェントを選ぶ際の4つのポイント
先程の解説で、転職エージェントの魅力については理解していただけたかと思います。
しかし、転職エージェントには様々な種類があるため、「どれを選べば良いんだろう…」と悩んでしまうでしょう。
もしサービス選びで迷った際は、以下の4つのポイントを確認すれば、より自分に合ったサービスを選ぶことができます。
- 転職エージェントの種類
- 求人数
- サポート内容
- キャリアアドバイザーの質
転職エージェントの種類
転職エージェントには、幅広い業界・職種の求人を扱う「総合型エージェント」と、対象とする業界・年代などを絞っている「専門特化型エージェント」の2種類があります。
「多くの求人を比較したい」「転職の可能性を広めたい」という方は“総合型エージェント”を利用してみると良いでしょう。
また、「転職の方向性が決まっている」という方は、より専門的なサポートを受けられる“専門特化型エージェント”がおすすめです。
自分の目的に合っているサービスを選ぶことで、効率良く転職活動を進められます。
求人数
求人数はそのまま選択肢の多さに直結するので、数が多いに越したことはありません。
また、各社が保有する求人の中には、そのサービスでしか応募できない「独占求人」や一般公開していない「非公開求人」が存在します。
求人数が多ければ、あなたが知らない優良企業と出会える可能性が高いので、なるべく求人数が多いサービスを利用するのがおすすめです。
サポート内容
転職エージェントでは「キャリア相談」「求人紹介」「選考対策」など様々なサポートを受けられます。
ただ各社によってサポート内容が異なり、求人紹介に重点を置いているところもあれば、書類添削や面接対策に力を入れているところもあります。
事前に内容を確認しておけば、より的確なサポートを受けられるので、有利に転職活動を進めることが可能です。
キャリアアドバイザーの質
転職エージェントのサービスは、キャリアアドバイザーの質によって善し悪しが決まります。
実際に利用してみないと分からない部分ではありますが、Webサイトでキャリアアドバイザーを紹介している場合もあるので、ぜひ参考にしてみると良いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの評判が良かったとしても、担当者と相性が合わないケースもあります。
相性が悪いと満足のいくサポートを受けられないので、複数(2〜3社)の転職エージェントに登録して、誰と1番相性が良いのか比較してみるのもおすすめです。
多くの求職者が利用するおすすめの転職エージェント
サービス選びのポイントを紹介したところで、おすすめの転職エージェントを3つ紹介していきます。
以下のサービスは「求人数が多い」「サポートの質に定評がある」といった特徴があるので、初めての方も安心して利用できるでしょう。
紹介する3つのうち、「リクルートエージェント」と「doda」は総合型エージェント、「JACリクルートメント」は専門特化型エージェントになります。
次の章からは、各サービスの特徴を紹介していくので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
①利用率No.1の転職サービス:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職者の約8割が活用している“利用率No.1”の転職エージェントです。
最も求人数が多い転職エージェントで、保有する求人数は35万件以上にもなります。(2021年12月時点)
幅広い業界・職種の求人を取り扱っているので、あなたにぴったりな転職先を見つけられるでしょう。
また、キャリア面談から内定後のフォローまで、徹底した転職サポートを受けられるのも魅力。最初に登録するのに打って付けのサービスです。
②20〜30代の利用率が高い人気サービス:doda
dodaは、求人数10万件以上を保有する業界最大級の転職エージェントです。
求人数・採用決定数こそリクルートエージェントに次ぐ2位ですが、転職者の顧客満足度ではNo.1を獲得しています。
dodaは20〜30代の利用率が高く、転職成功者の平均年齢が32歳となっています。転職経験が浅い若年層にとって、心強い味方になってくれるサービスです。
また、「転職サイト」の機能を使えるところもdodaの魅力。転職サポートを受けつつ、自ら求人に応募できるので、より効率良く転職活動を進めたい方におすすめです。
③ミドル世代の利用率が高い:JACリクルートメント
JACリクルートメントは、ミドル・ハイクラスの求人に特化した転職エージェントです。
上記の2社よりも求人数は少ないですが、高年収層がターゲットということもあり、幹部クラスや大手企業の求人を多く保有しています。
特に「管理職」「技術職」「専門職」の求人に強みがあり、グローバル転職に力を入れているのも特徴です。
「キャリアアップを目指したい」「今の仕事よりも年収を上げたい」という方は、JACリクルートメントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントの利用率・内定率まとめ
今回は、転職エージェントの利用率や内定率について解説しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- 転職エージェントの利用率は約3割、内定率は4〜5%が目安
- 転職エージェントを認知している人の「半数以上」が利用している
- 転職エージェントを利用した方が有利に転職活動を進めやすい
転職エージェントの利用率は「約3割」でしたが、“転職エージェントを認知している人の「半数以上」が利用している”というデータも見られました。
転職エージェントを認知している人は、得られるメリットを理解していることから、積極的に利用する傾向があると考えられます。
紹介したように、転職エージェントには「求人紹介を受けられる」「選考通過率を上げられる」など多くのメリットがあります。
基本的に“無料”で利用できるので、ぜひ転職エージェントを活用して有利に転職活動を進めてみてください。