「家族と居たいから転勤するのは嫌だ」「今の職場から離れたくない」など、転勤が理由で転職に踏み切る方も少なくありません。
あなたも転勤が嫌で転職を考えているかと思いますが、本当に転職することがベストな選択と言えるのでしょうか。一時の感情だけで判断するのは後悔に繋がりやすいので、今一度転勤について考えてみましょう。
この記事では、転職する前に確認すべきポイントを3つ紹介します。また、退職した際の転職活動への影響や注意点も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4291006?title=退職届を持つ男性)
転勤が嫌で転職する前に確認すべき3つのポイント
転勤を命じられたとき、「慣れた環境から離れるのは嫌だ」「家族や友達と会えないのは不安」などの理由から、転勤に対してネガティブな印象を持つかと思います。
しかし、転勤はキャリアの上でプラスに働くこともあり、一概に“転勤=マイナス”とは言い切れません。
ですので、転職について考える前に、転勤があなたにとってプラスになるのかどうかを確認してみましょう。
転職を考える前に確認すべきこととして、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 一般的な転勤のメリット・デメリット
- 転勤による将来的なメリット・デメリット
- 自分の価値観や家族の将来像
3つのポイントを順番通りに確認していけば、転勤を受け入れるべきかどうかを判断できるでしょう。次の章からは、各ポイントについて詳しく解説していきます。
①一般的な転勤のメリット・デメリットを整理する
「転勤が嫌だ!」と割り切ってしまう前に、まずは転勤のメリット・デメリットを整理してみましょう。
ロジカルにメリット・デメリットを整理することで、本当に転職すべきかどうかを判断しやすくなります。
どんな小さなことでも良いので、以下のようにメリット・デメリットを書き出してみてください。
転勤するメリット |
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転勤するデメリット |
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上記のように、あなたの働く環境や生活状況に合わせて、転勤のメリット・デメリットを整理してみましょう。
②転勤による将来的なメリット・デメリットを整理する
次にあなたが転勤をすることで、将来的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを整理してみましょう。
将来的なメリット・デメリットを整理することで、キャリアや生活の中で重視したいポイントが見えやすくなります。
①で書き出した内容をもとに、将来的に得られるメリット、可能性があるデメリットを以下のように書き出してみてください。
転勤による将来的なメリット |
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転勤による将来的なデメリット |
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③自分の価値観や家族の将来像を改めて確認する
最後に、整理した転勤のメリット・デメリットをもとに、転勤を受け入れるべきかどうかを判断していきましょう。
人によって優先すべきポイントは異なるので、自分の価値観を基準にして考えることが大切です。もし家族がいる場合には、家庭の将来像をイメージしながら、しっかりと話し合ってみてください。
総合的な判断で「転勤した方がメリットが大きい」と思えたら会社に残ると良いですし、「やっぱり転勤するのは嫌だ」と感じたら転職を検討してみると良いでしょう。
尚、一般的に「転勤」に対して良いイメージを持つ方は少ないです。ですが、世間的なイメージだけで転職するのはリスキーなので、自分や家族にとって最適だと思える決断を下すようにしましょう。
そもそも転勤が嫌な場合、拒否することはできる?
ここまで転職する前に確認すべきポイントを紹介しましたが、そもそも転勤を断ることができれば、転職について考える必要はありません。
結論から言うと、企業からの転勤の辞令を拒否することは、原則としてNGと言えます。
と言うのも、転勤が発生する企業の場合、就業規則に転勤について明記されているからです。もし転勤を拒否した場合、懲戒処分の対象になるので注意が必要です。
但し、「正当な理由がある」と認められた場合は、転職をしなくても良いケースがあります。転勤の辞令を拒否できる正当な理由としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 「転勤なし」の契約で雇用されている場合
- 転勤の必要性がなく、不当な動機で辞令を受けた場合
- やむを得ない特別な事情がある場合
「転勤なし」の契約で雇用されている場合
「転勤なし」という雇用契約を結んでいる場合、転勤辞令を出すこと自体に問題があります。
契約内容や就業規則を確認し、転勤に関する取り決めが明記されていない場合は、転勤を拒否することができます。
転勤の必要性がなく、不当な動機で辞令を受けた場合
転勤辞令が不当であるかどうかは「転勤先の欠員状況」や「転勤させる妥当性」などが判断基準となります。
転勤をさせる正当な理由がない場合、不当な辞令であると主張でき、転勤を断れるケースもあります。
やむを得ない特別な事情がある場合
やむを得ない事情とは「本人が病気を抱えており、適切な処置を受けられなくなる」「親が要介護認定を受けており、面倒を見る必要がある」などが該当します。
転勤により大きな負担がかかってしまう場合には、転勤を断れる可能性があります。但し、企業によって判断基準が異なるため、必ずしも断れる訳ではありません。
紹介した3つの理由に該当する方は、1度転勤について会社側と話し合ってみると良いでしょう。
企業によっては転勤を断れるところもありますが、拒否することで昇進コースから外れるケースもあります。
ですので、あなたが勤めている会社のルールも把握しておくことが重要です。
転勤が嫌で退職すると転職活動に影響は出る?
前章では“基本的に転勤を断るのはNG”と紹介しました。ですので、どうしても転勤するのが嫌な場合は、転職するのが既定路線になります。
ただ転勤が嫌で辞めるとなると「転職活動に影響しないかな」と不安になるでしょう。実際、転勤が転職理由であったとしても、転職活動が不利になることはほとんどありません。
と言うのも、転勤が嫌で会社を辞めるなら、当然転勤のない企業に応募して選考を受けることになります。転勤をさせない企業にとって、転職理由が「転勤」というのはマイナス要素にならないでしょう。
また、最近では地元採用に力を入れたり、家庭環境に考慮したりと転勤の可能性をなくしている企業も増えています。もし転勤が嫌で会社を辞めても、心配なく転職活動を進められるでしょう。
転勤が嫌で転職する際の注意点
もし転勤が嫌で転職する場合は、以下の3つのポイントに注意しておきましょう。
- 転職先の選択肢が減る
- 退職する時期に注意する
- 退職理由を工夫して伝える
転職先の選択肢が減る
転職先を探す上で「転勤あり」の企業を除外した場合、選べる企業は少なくなります。
選択肢が減ることで、すぐに希望の企業が見つからない場合もあるので注意が必要です。
時間に余裕を持って転職先を決めるためにも、出来るだけ早く求人を探すことをおすすめします。
退職する時期に注意する
会社を辞めるには「1ヶ月前」までに退職を申し出るのが一般的です。一方、転勤の辞令が出てから引越しまで「2週間〜1ヶ月程度」しかないケースも珍しくありません。
退職時期を見誤ると「転勤日まで十分な転職活動ができない」「転職先が決まる前に退職する必要がある」といったリスクが出てきます。
また、急に退職するのは企業にも顧客にも迷惑がかかるので、退職する時期についても考慮しておきましょう。
退職理由を工夫して伝える
転職活動の選考時には、高い確率で退職理由(転職理由)について聞かれます。
その際、「転勤を受け入れられなかった」と伝えるだけでは、面接官に良い印象を与えることはできません。
ですので、「地域に根ざした企業で地元に貢献したい」など、前向きな態度を示せるように工夫して退職理由を伝えましょう。
転勤が嫌で退職するなら早めに転職活動を始めよう!
転勤が嫌で退職するなら、早めに転職活動を始めるのが賢明です。と言うのも、一般的に転職活動の期間は「3ヶ月程度」が目安とされており、すぐに転職できるとは限りません。
いつ転勤辞令が届くのかは分からないので、出来るだけ早く転職活動を開始し、スムーズに退職できる準備を進めておきましょう。
また、転勤を言い渡されてから拒否したり、退職したりするのはトラブルの原因になります。円満に退職するためにも、早急に転職活動を進めることをおすすめします。
短期間の転職には転職エージェントを利用するのが得策
短期間で転職を成功させるなら「転職エージェント」を利用するのが得策です。転職エージェントでは、転職者の代わりにアバイザーが企業を選定し、あなたの希望に合った企業のみを紹介してくれます。
更に企業に推薦状を出してくれたり、選考の日程を調整してくれたりと、円滑に転職活動が進むように努めてくれます。
あなたが持つスキルや経験にもよりますが、早ければ「1ヶ月程度」で転職を決めることも可能です。基本的にサービス料は「無料」なので、積極的に利用することをおすすめします。
初めて転職エージェントを使う方は、転職支援実績No.1の「リクルートエージェント」や、転職者満足度No.1の「doda」などを検討してみると良いでしょう。
まとめ:転勤が嫌と感じても慎重に転職の判断を行おう
今回は、転勤が嫌で転職を考えている方に向けて、確認すべきポイントを3つ紹介しました。改めて記事の内容を簡単にまとめてみます。
- 転勤のイメージだけで判断せず、メリット・デメリットを考える
- 自分の価値観や家族の将来像をベースに、転職するべきか判断する
- 転勤が嫌で会社を辞めても、転職活動にはほぼ影響しない
- 転勤が嫌で退職するなら、早く転職活動を始めるのが賢明
転勤が嫌で転職するのに問題はないですが、それが本当に正しい決断であるかどうかは確認しておく必要があります。
この記事を読んだあなたなら、自分や家族にとって最善の判断を下すことができ、より幸せな時間を過ごせるでしょう。
もし転勤が嫌で退職する場合は、転職エージェントを活用し、早めに転職活動を始めることを強くおすすめします。