突然ですが、あなたは派遣社員と正社員の違いを理解していますか?
世間的には正社員の方が良いイメージを持つ方が多いと思います。実際はどちらにもメリット・デメリットがあるのです。
この記事では労働条件や福利厚生をはじめ、派遣社員と正社員の違いを9つ紹介していきます。
この記事を読めば、派遣社員と正社員が具体的にどう違うのかが理解できるので、ぜひ最後まで読んで見てみてください。
派遣社員と正社員の違い①雇用主
1つ目の違いは雇用主の違いになります。簡単に言うと雇用契約を誰と結んでいるかです。派遣社員として働く場合は非常に重要な違いになるので、しっかり理解しておきましょう。
正社員の場合、本人とその企業で直接雇用契約を結びます。
派遣社員の場合、派遣会社と雇用契約を結びます。
派遣社員がいる企業は、派遣会社から人材というサービスを買っているイメージです。
なので労働条件や給与に関して何か問題ががあった際は、派遣先の企業に言うのではなく登録している派遣会社に相談することになります。
派遣社員と正社員の違い②雇用期間
続いては雇用期間の違いについてです。雇用期間とは雇用契約が継続する期間のことを言います。
正社員は無期雇用になっていて、クビになるか、辞職しない限り定年まで働けます。
派遣社員の一般的な雇用期間は3か月間か6か月間になっています。
ただ同じ派遣先には最長3年しかいられないように法律で決まっています。
派遣社員は雇用期間が終わる前に、そのまま同じ派遣先で働き続けるかの更新ができます。更新は企業と本人の双方の同意があって契約更新になります。基本的には契約終了の一か月前に更新の相談をします。
つまり、本人が職場に合わないと感じたら辞められます。逆を言うと、企業側から仕事の適正がないと判断された場合、更新できないこともあります。正社員にはその心配はありませんね。
派遣社員と正社員の違い③労働時間や出勤日数
次は勤務時間や出勤日数についてです。これは派遣社員の大きなメリットになっています。
正社員はフルタイムで1日8時間週40時間労働が基本になっています。
派遣社員は勤務時間も勤務日数も選ぶことが可能です。
派遣社員は勤務時間や勤務日数も選べます。お子さんがいる都合上17:00には家にいたいという場合、16:00までという勤務時間にもできます。
「土日出勤なし、週二日」のようにかなり融通が利く勤務もできます。なので、派遣社員は主婦さんに多く見られます。正社員ではできないような働き方ができるのは大きなメリットですね。
派遣社員と正社員の違い④残業
日本は残業がとても多いという内容をニュースでもよく見ますよね。もちろん業種、職種によって変わりますが、長時間労働は多く問題になっています。
株式会社openworkさんがとったアンケートでは月平均残業時間28時間と出ています。
多い人は80時間の方もいます。こちらは現職の社員さん約17万人に残業時間のアンケートをした結果です。
(参考:https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_54)
派遣社員は残業なしという求人が多くみられ実際に残業がないのがほとんどです。
ただ繫忙期だったり、企業によっては残業があるところもあります。
なぜこんなにも差が出るかというと、派遣社員は時給で給料をもらうからです。詳しくは次の項目で話しますね。
残業させると時間外手当が発生し1.25倍人件費がかかります。人件費削減のために企業は派遣社員を雇っているところが多いので本末転倒になってしまうのです。
そのため企業側も簡単に「残業して」といえないのです。また、企業の社員ではないので、雑に扱えないという背景もあります。
派遣社員と正社員の違い⑤給与の形態と額
④の残業の違いでも少し書きましたが、給与形態が変わります。また給与額も変わってくるので見ていきましょう。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、このようになっています。
正社員 | 社員 | |
給与形態 | 月給制 | 時給制 |
平均年収 | 約350万 | 約270万 |
ボーナス | あり | なし |
(参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/13.pdf)
まず大きな違いは給与形態でしょう。月給制の場合欠勤の有無関係なく固定の給料が支払われます。時給制の場合は働いた時間のみ給料がが支払われます。
平均年収には約70万円の差がありますが、これにはボーナスの有無や手当の有無が関係します。手当については次に詳しく説明しますね。
派遣社員と正社員の違い⑥福利厚生
働くうえで福利厚生って非常に重要ですよね。先に福利厚生について解説していきます。
福利厚生(ふくりこうせい、employee benefits)とは、企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬である 。 また多くの場合、企業の福利厚生の対象は従業員のみならず、その配偶者や家族、あるいはかつて従業員だった者にまで及ぶことがある。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/福利厚生)
つまり、労働とは別にお金がもらえる制度になります。違いを見ていきましょう。
福利厚生あり。企業によって受けられる手当が大きく異なります。
派遣会社によってかなり変わりますが、会社によっては交通費の支給も得られないところもあるそうです。
健康保険には派遣社員でも入れるので産休育休は取れます。ただ退職金がありません。
派遣社員は福利厚生がないと思われている方が多いようです。正社員ほど手厚い手当は受けられませんが、健康保険や産休などの最低限の手当はそろっています。
派遣社員と正社員の違い⑦仕事の責任
ここからは実際の労働のお話になります。まずは仕事の責任についてです。
正社員の場合成果を出すこと、部下を持つこと、重要な会議など様々な責任があります。
正社員はずっと働くため、将来性があり上司からのプレッシャーもあります。
派遣社員の場合は成果を出すというより、与えられた仕事をしっかりとこなすことが重要になってきます。
もちろん与えられた仕事には責任がありますが、責任の大きな大きな仕事が与えられないことが多いです。
このような違いがあるため、責任感をもってやりがいを感じたい方は派遣社員は合わない可能性があります。逆に重い責任を持ちたくない方にとってはメリットともいえますね。
派遣社員と正社員の違い⑧扱われ方
続いては扱われ方についてです。やはり正社員と派遣社員では職場で同じ扱いを受けるのが難しいです。
どういった事かというと、冷たい態度をとられてしまうとか、社内イベントに参加させてくれなかったりするようです。もちろん派遣先によるので一概には言えません。
なぜこのような扱いを受けてしまうのかを見ていきましょう。企業側の視点から見るとわかりやすいです。
正社員は無期契約のためクビになるか辞職するまでは、定年まで一緒に働くことができます。そのため大切に扱われることが多いです。
派遣社員はあくまで派遣会社の人間、3年後には契約終了でいなくなるという点から、仲間意識が正社員に比べ低いです。
また、派遣社員は基本的にスキルがないように見られてしまうようです。
お互いが気持ちよく働ければよいのですが、そうもいかないところもあるみたいです。
派遣社員と正社員の違い⑨教育
続いては教育についてです。教育は労働において非常に重要なもので、長い目で見てこそ教育の意味が出てきます。短期の利益より長期の利益を見るのが企業です。
新入社員研修から始まり、資格取得のための費用、外部セミナーへの参加など様々な教育が正社員には施されます。
派遣社員の業務はだれでもできる業務を任されることが多く、スキルが求められないので教育の必要がないのです。
また契約終了すると育てた社員もいなくなるので、余計なコストを使いません。
なので派遣社員はいつまでもスキルが身に着かず、正社員と比べ使えるスキルの差が広がっていくという現実があります。
まとめ
正社員 | 派遣社員 | |
雇用主 | 企業と直接契約 | 派遣社員と契約 |
雇用期間 | 無期契約 | 最長3年 |
労働時間、出勤数 | 1日8時間、週40時間 | 自分に合うように選択可能 |
残業 | 月に平均20時間 | ほぼなし |
年収、福利厚生 | 派遣社員に比べると良い | 正社員に比べると悪い |
待遇、扱い | 派遣社員に比べると良い | 正社員に比べると悪い |
仕事の責任 | 派遣社員に比べると重い | 正社員に比べると軽い |
派遣社員と正社員の違いを9つ紹介していきました。様々な違いがありますが、どっちのほうが優れているとは言えません。
それは労働者のライフスタイルや環境によって大きく異なるからです。それぞれメリットデメリットがあるので、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
また派遣会社や派遣先によって条件等は変わってくるので、すべてが当てはまるわけではないで注意してくださいね。
参考になれば幸いです。読んでいただきありがとうございました。