リーダーシップとマネジメントと聞いてあなたは、きちんと違いを理解できていますか?ビジネスにおいても、組織の中で必要とされるリーダーシップとマネジメント。
アメリカをはじめ、西欧ではきちんと使い分けられていますが、日本では混同されてしまう場面もしばしば。
はっきりと違いがわからないあなたに、リーダーシップとマネジメントの違いを解説していきます。是非読んでみてください。
リーダーシップとマネジメントの特性の違い
リーダーシップとマネジメントは同じ意味と捉えられることもありますが、実際は全く異なります。それぞれの特性を、簡単に説明すると次のようになります。
- リーダーシップ→「統率力」目的達成のため、メンバーをまとめ率いる力
- マネジメント→「管理能力」管理者が共通して求められるよう力
リーダーシップは、常に現在と未来を見据え、将来のビジョンや長期的な計画をもって物事を見ていく必要があります。
それに対して、マネジメントは現実的、短期的な視野でものごとを考え実行することが重要になります。リーダーシップとマネジメントそれぞれの定義について少し説明していきます。
リーダーシップとは
リーダーシップとは、企業や組織内で決められた目標を達成するためにチームを率いる統率力のことを指します。
そして、一定の目標を達成する為にチーム内のメンバーを統一し、組織の目標を定め、成果を出す能力のことです。
不確実性の高い状況において長期的ビジョンを提示したり、メンバーをまとめモチベーション維持の手助けもします。
リーダーシップを持つ人は、上から支持を出すのだけでなく、リーダーもメンバーの一人として、共にプロジェクトを達成するため行動をする存在と言えます。
マネジメントとは?
マネジメントとは、企業内において効率的な組織運営をするために、人と組織を管理することを言います。つまり、定められた戦略やルールに基づき効率的に組織を運営する機能のことです。
具体的には、組織として成果を上げるためにヒト・モノ・カネ・情報などの機能を効率的に活用、運用して、更にリスク管理を行い、設定した目標達成を目指します。
計画を進めるうえでのメンバーの管理や計画の立て直しを行うことをマネジメントと呼んでいます。
リーダーシップとマネジメントの4つの違い
リーダーシップとマネジメントの違いをさらに詳しく見ていきます。意味の違いが明確でないのは、両方とも人材を管理する側という点で同じだからなのかもしれません。しかし、その役割や責任は全く違うのです。
- リーダーシップとマネジメントの違い①人間性の違い
- リーダーシップとマネジメントの違い②役割の違い
- リーダーシップとマネジメントの違い③心構えの違い
- リーダーシップとマネジメントの違い④具体的な違い
次の章からは、リーダーシップとマネジメントの違いを詳しく説明していきます。
リーダーシップとマネジメントの違い①人間性
リーダーシップの人間性として、誠実さが求められる一方で、マネジメントの人間性としては、真摯さが求められます。
誠実でないリーダーだと、周りからの信頼を得られないだけでなく、メンバーもリーダーに対して不安や不信感を抱いてしまいます。
マネジメントにおいての真摯さとは、人として正しい意思決定と行動を覚悟を持って行う表れのことを指します。部下に対し真摯さを忘れず謙虚に関わることで、共に働く人たちの模範となることが可能になります。
また、マネジメントは、結果が出なかった時に部下から不満をもたれたり、恨まれたりすることもあります。それに耐え抜き、リーダーとしての役割を正しく担っていく精神力も必要となります。
リーダーシップとマネジメントの違い②役割
リーダーシップの役割とは、大きく分けて3つになります。わかりやすくまとめました。
- ビジョンを示す
- メンバーの模範となる
- 権限をメンバーに譲渡する
長期的な視点でビジョンを示し、それに向かって必要なことを明確に示し実行していきます。そしてメンバーの模範となり、信頼を得ることでリーダーシップを発揮することができるのです。
権限は、時にメンバーに決定権を渡し、メンバーが主体的に動けるようにするために与えるものです。リーダーが補佐に回ることで、メンバーの経験と自信を得ることができ全体的なレベルアップにもつながるのです。
マネジメントの役割とは、次の3つと言えます。プロジェクトの達成のために、メンバーの配置と監督が主な仕事となり、メンバーの配置等を考え目標達成を目指すのが役割です。
- 目標の達成
- 維持
- 調整
マネジメントは、メンバーに目標達成を促すために監修し、維持し調整していくという組織としての管理側の立場が強いと言えます。
リーダーシップとマネジメントの違い③心構え
リーダーシップには、最後まであきらめず全力で取り組む心構えが求められます。
物事には様々な困難や難題が直面していきます。リーダーシップを持つ人はその不安をメンバーには伝染させないようにすることが重要になってくると言えます。
それに対しマネジメントでは、感情に囚われず、マニュアルの原則に従い、プロジェクトを遂行させる心構えが求められます。時には個人的な感情を押し殺し、機械的に取り組むことが必要であるということです。
リーダシップとマネジメントの違い④具体的な違い
リーダーシップとマネジメントどちらもメンバーとの強い繋がりがあるという点では同じです。具体的に、リーダーシップとマネジメントの違いは何かわかりやすく表にまとめたので参考にしてみてください。
リーダーシップ | マネジメント | |
時間軸・視野 | 未来的・中長期的・将来 | 現実的・短期的・今 |
影響力の根源 | 人望・人間性 | 地位・権限・規則 |
使命 | 創造的破壊 | 秩序の維持 |
タイミング | 変化を求められている時 | 確実に何かを成し遂げたい時 |
核となるスキル | 人間的魅力、先見性 | 管理調整能力 |
役割 | ・模範、整備、権限委譲、補佐 ・何をするか考える ・メンバーの士気を高める |
・目標の達成、維持、調整 ・メンバーを管理調整していく人 ・目標達成のためにやり繰りを考える人 |
(参考:キャリアコンサルタントドットネット)
最後に、リーダーシップとマネジメントに関する書籍を紹介します。もっとリーダシップとマネジメントのことを知りたい方にはおすすめな書籍です。
リーダーシップとマネジメントを学べるおすすめな本
リーダーシップやマネジメントについて、執筆されている本は多数あります。その中でもおすすめなものを抜粋してご紹介します。
リーダーシップを学ぶためにおすすめな本
リーダーシップ論を学ぶのであれば、ジョンP.コッターの「リーダーシップ論」という本がおすすめです。リーダーシップが必要とされるタイミングやその役割を解説しています。
また、変革を起こす上で、どのような行動が必要とされるかを具体的に記しています。
ビジネスの基本となるリーダーシップが記されているので、組織やチームのリーダーとして活躍したいと考えている人におすすめの1冊です。
マネジメントを学ぶためにおすすめな本
マネジメントを学びたいと考えているなら、ピーター・F・ドラッカーの「マネジメント[エッセンシャル版]‐基本と原則」という本がおすすめです。
マネジメントの権威であるピーター・F・ドラッカー博士の書です。ドラッカー博士が提唱するマネジメント論を、この1冊で知ることができます。
人材育成、組織、マネジメントの分野においてもわかりやすく解説してるので、管理職の初心者にも読みやすくなっています。
リーダーシップとマネジメントを学ぶためにおすすめな本
リーダーシップとマネジメントの違いを学び、ビジネスに活かしたいならスティーブン・R・コヴィー博士の「完訳7つの習慣 人格主義の回復がおすすめです。
人格主義の回復を目指した7つの習慣を提唱するスティーブン・R・コヴィー博士の書です。
リーダーシップとマネジメントの違いを明確にしています。心理的・行動的側面を理論立てて説明することで、ビジネスのパフォーマンス向上に役に立つはずです。
リーダーシップ、マネジメントに必要な考え方や動機、メンタル、スキルが具体的に書かれていて非常に参考になる本です。
リーダーシップとマネージメントの違いまとめ
リーダーシップとマネジメントの違いについて解説してきました。様々な変化が求められる現在で、更なる向上を見出すためには、リーダーシップとマネジメントが欠かせません。
リーダーシップでは、人を引き付ける人柄が大切になり、マネジメントは論理的な思考が重要であると言えます。
日本企業においても、これらの能力を備えた人材の確保や育成が重要と言ってもいいでしょう。リーダーシップやマネジメントを従業員に身につけさせることで企業の質も向上してくるはずです。