年下上司・年上部下が当たり前となっている現代において、「君付け」で呼ぶべきか、それとも「さん付け」で呼ぶべきかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
中には、「日頃から呼び方について意識したことがない」という方も多いのかと思います。社内での呼び方も大切なビジネスマナーの1つなので、今一度、呼び方について見直してみてはいかがでしょうか?
今回は、職場での呼び方の基本について詳しく解説していきます。相手に不快な思いをさせないためにも、しっかりと覚えておきましょう。
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「君付け」「さん付け」?職場での呼び方の基本
職場での呼び方を考えたとき、まず気になるのが「君付け」と「さん付け」ではないでしょうか?
上司が部下を呼ぶときや同僚を呼ぶときなど、「どちらで呼ぶべきだろう…」と悩んだことがある人も多いでしょう。
実際には「◯◯と呼ばないといけない」というルールはなく、現代ではニックネームで呼び合う会社もあるので、強いて言うのであれば会社のルールに従うのが最適な呼び方なのかもしれません。
とはいえ、一般常識として根付いている上司・同僚・部下に対する呼び方があるので、まずはそちらの方を理解しておきましょう。
職場での呼び方の基本①上司
まずは、部長・課長といった上司の呼び方について紹介します。職場で役職のある人を呼ぶときは、原則として「役職名」で呼ぶのが基本です。
例えば、「加藤さん」という部長がいる場合、「部長」または「加藤部長」と呼ぶのが一般的なマナーとなります。
稀に「さん付け」すると丁寧だと思い、「〇〇部長さん」と呼ぶ人もいますが、これは間違いなので気をつけましょう。
また、部長以上を役職名・課長以下の役職者を「君付け」または「さん付け」で呼ぶ会社もあるようです。相手に失礼とならないよう、社内のルールについても理解しておきましょう。
職場での呼び方の基本②同僚
続いて、同僚や同期の呼び方について紹介します。同僚・同期を呼ぶ場合は、原則として「さん付け」で呼ぶのが基本です。
男性を「君付け」・女性を「さん付け」と性別によって呼び方を変える会社もありますが、男女平等という観点から「君付け」は避けるべき表現とも言われています。
とはいえ、厳密なルールがある訳ではないので、同僚の呼び方も会社のルールに合わせてもらえれば特に問題はありません。
また、「名前」「名字」のどちらで呼んでも問題ありませんが、ビジネスマナーとしては「名字」で呼ぶのが一般的です。
職場での呼び方の基本③部下
続いては、部下の呼び方について紹介します。部下の呼び方に関しては、「君付け」「さん付け」のどちらでも構いませんが、ビジネスマナーとしては「さん付け」の方が好ましいとされています。
中には「名字」や「名前」を呼び捨てにする方もいますが、部下といえど同じ職場で働くビジネスパートナーなので、「敬称」を付けて呼ぶのが基本です。
部下との関係性もあり、親しみを込めて呼び捨てするのであれば良いですが、部下によっては不快に感じてしまう場合もあります。自分より立場が下の人に対しても、敬意を込めて名前を呼ぶようにしましょう。
部下に「君付け」をしない方が良い2つの理由
部下を呼ぶときに「君付け」をする方も多いですが、以下の2つの理由から「君付け」をしない方が良いとされています。
- 性別に関係なく平等に接することができる
- 言葉遣いが悪くなりにくい
性別に関係なく平等に接することができる
一般的に「君付け」は男性や目下に使う敬称として認知されているのに対し、「さん付け」は性別に関係なく親しみを込められる敬称として認知されています。
男女平等という点から、ビジネスマナーとして「さん付け」が好ましいとされており、呼び方に悩まないためにも「さん付け」で統一している会社も多いです。
言葉遣いが悪くなりにくい
部下を「さん付け」にすると、言葉遣いが悪くなりにくい利点があります。例えば、「佐藤」という部下を呼び捨てにしていると、「佐藤は何やってんだ!」というように語気が強くなることもあるでしょう。
しかし、「さん付け」したときに「佐藤さんは何やってんだ!」という表現には中々ならないですよね。「敬称」は相手に敬意を表す言葉なので、自然と言葉遣いが悪くならないよう意識が働きます。
些細なことかもしれませんが、言葉遣い1つで周りに与える影響も大きく変わります。呼び捨てにするのも悪くはないですが、「さん付け」をする方がビジネスシーンにおいては好ましいでしょう。
年下上司に対して部下が「君付け」するのはNG?
ここまで上司・部下・同僚の呼び方について紹介しましたが、「年下上司」の呼び方について気になっている人も多いのではないでしょうか?
現代では年功序列というシステムが衰退し、年下の人間が上司に抜擢されることも珍しくありません。このような場合においても、前述したように「役職名」で呼ぶのが基本です。
また、人事異動によっては自分の後輩・部下が上司になることもありますよね。今まで「君付け」「さん付け」で呼んでいた場合でも、役職名で呼ぶのがマナーとされています。
年下上司を「君付け」する部下は常識がないと思われる
前章では、年下上司に対しては役職名で呼ぶのがマナーと述べましたが、中には「君付け」「さん付け」が許可されている会社もあります。
しかし、相手によっては「役職名」で呼ばれないことを快く思っていない方もいるようです。
- ビジネスマナーをわきまえていない
- 目下のように呼ばないでほしい
- 馴れ馴れしい
誰しもがこのように思っている訳ではありませんが、「役職名」で呼ばない部下に対し、「常識がない」と思っている年下上司もいます。
このような面を考えても、年下上司に対して「君付け」「さん付け」をするのはあまり好ましくないでしょう。
呼び方1つで関係性も変わるので、相手に不快な思いをさせないように心掛けましょう。
年上部下は「君付け」「さん付け」?
年下上司と同様に、呼び方に悩んでしまうのが「年上部下」ですよね。会社や上司によっては呼び捨てにしている場合もありますが、年上部下に対しては「さん付け」で呼ぶのが良いとされています。
前述したように、部下も同じ職場で働くビシネスパートナーなので、敬意を込めて「敬称」を付けるのがマナーとしても好ましいでしょう。
また、年下から呼び捨てにされることを不快に思う方もいるので、失礼に当たらない「さん付け」が最適な呼び方とも言えます。
上司と部下の関係は、会社という組織の中での関係であり、人間の優劣を付けるものではありません。お互いに良い関係を保っていくためには、呼び方に敬意を込めることが大切です。
「君付け」「さん付け」は相手との関係性を築くマナー
ここまでの内容からも分かるように、職場での呼び方には絶対的ルールがある訳ではなく、会社によってルールが定められている場合もあります。
たかが「君付け」「さん付け」と思う方もいるかもしれませんが、呼び方1つで相手との関係性も大きく変わります。仕事のスキルも大切ですが、相手に不快感を与えない最低限のマナーは身に付けておくべきでしょう。
また、「男女平等」「コンプライアンス強化」といった背景もあり、一昔前に比べて職場での呼び方もカジュアル化しています。
これからも呼び方に関する常識が変化していくかもしれませんが、どの時代においても相手に敬意を払うことが大切です。
上司・同僚・部下の呼び方の基本まとめ
今回は、上司・同僚・部下の呼び方の基本について紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみますね。
- 上司の呼び方:「役職名」が基本
- 同僚の呼び方:「さん付け」が基本・「名字」で呼ぶのが一般的
- 部下の呼び方:「敬称」を付けるのが基本・「さん付け」が好ましい
- 年下上司の呼び方:「役職名」が基本
- 年上部下の呼び方:「敬称」を付けるのが基本・「さん付け」が好ましい
繰り返しとなりますが、相手を呼ぶときに最も大切なのは敬意を払うことです。この記事を読んだあなたなら、相手を不快にさせることはなく、多くの方と良好な関係を築いていけるでしょう。