この記事は「50代で転職を考えているが世間的に年収相場はどれくらいか知りたい」「50代で転職した場合の年収はどうなるのか知りたい」方向けに書かれています。
50代での転職には、年齢的な部分で不安もつきものですよね。この記事では、年収という切り口から、50代の転職に関してご紹介していきます。
この記事を読んで、転職をするのか、それとも踏みとどまるのか、その判断のひとつの参考としてください。
50代で転職?その前に知っておきたい平均年収
50代で転職するなら、年収はどうなるのでしょうか。その前にまずは、50代の平均年収をみてみましょう。(出典:国税庁「民間給与実態統計調査」2018年)
年齢別 | 男性 | 女性 | 男女計平均 |
40代後半(45~49歳) | 635万円 | 313万円 | 474万円 |
50代前半(50~54歳) | 682万円 | 322万円 | 502万円 |
50代後半(55~59歳) | 686万円 | 298万円 | 492万円 |
60代前半(60~64歳) | 537万円 | 242万円 | 389万円 |
50代男性の平均年収は680万円台。女性はおおよそ300万円台です。男女間でかなりの格差があることにお気づきでしょう。
今後この格差は縮まっていくと思われますが、やはりこれまでの日本企業では、「一般職という名の女性向け別体系給与が存在した」「女性役職者が少ない」「結婚・出産後の再就職」などが影響していると考えられます。
50代で転職する前に知っておきたい平均年収の伸び率
男女間の格差以外に、この年収表から見えることがあります。男性は、40代から50代と年齢を重ねるにつれ年収が上がる傾向にあったのが、50代後半で年収が全く伸びなくなっていることです。
逆に女性の場合、平均年収は全体的に低いものの、年代を通じて給与の変動がそう大きくないことがわかります。
50代後半の男性の年収の伸び悩み・人によっては給与低下は、「役職定年制度」によるものが大きいと考えられます。
次の章では、年収の伸び率に関係のある「役職定年制度」について解説していきます。
50代の年収に関わる役職定年制度とは?
役職定年制度とは、主に55歳など(企業にもよる)一定のタイミングで、取締役など役員を除く役職、それまで付いていた「課長」「部長」「事業部長」などの役職を一律で退任させる制度のことをいいます。
年功序列の給与体系のもと高騰する人件費の抑制のため、また、組織の新陳代謝と若手の登用機会の提供などを主な目的として、日本の大企業の約半数が導入しているものです。
年収をアップあるいは維持させるために転職を考えているなら、この「役職定年制度」がある会社に勤めているかどうかによっても変わってくる部分があるので、一度ご自身の会社の報酬体系を確認してみてください。
50代で転職したら、年収はどのように変化するのか解説
この章では、50代で転職をした場合に年収がどのように変化するのかについて解説していきます。50代で転職をした場合の変化は次の2つに分類されます。
- 取締役以上の場合:実績あれば年収アップ
- 取締役ではない:年収下がる
取締役などの役員になっている場合、実績の有無によっては転職によって年収アップも可能になります。しかし、役員ではない場合は転職すると年収が下がる場合が多いです。
次の章から、50代で転職した時の年収の変化についてそれぞれの場合に分けて解説していきます。
50代で転職した時の年収の変化①現職で取締役以上の場合
現職で役員以上の50代の人が転職した場合は、年収が上がる可能性があります。なぜなら、実績が認められて他の会社役員として転職できる可能性があるからです。
たとえば、取締役として現職で働いていた人が、ヘッドハンティングされて別の会社の常務になった場合は、年収がアップする可能性があるのです。
転職をしたい場合は、ヘッドハンティングなどのサポートを受けつつ、時間をかければ役員待遇で迎えてくれる納得のいく転職先を見つけられるでしょう。
「年収アップも可能なヘッドハンティング業者を知りたい」方は下記の記事もあわせて読んでください。
50代で転職した時の年収の変化②取締役ではない
現職で役員ではない50代の人が転職した場合は、年収が下がります。なぜならば、50代で転職できる職種は労働集約型のビジネスモデルで賃金の水準が低いからです。
たとえば、飲食店のスタッフやビルの清掃などが50代でも転職できる仕事の代表例として挙げられます。どの仕事も単純作業の仕事なので、人件費を安く抑えて利益を最大化するようにビジネスモデルが作られています。
そのため、50代で転職をしようと考えた場合「労働集約型のビジネスモデル」の仕事しか選択肢がなく、結果的に年収が下がってしまいます。
しかし、50代で転職をしても年収を上げる方法があります。次の章では、50代で転職して年収を上げる方法について解説します。
【取締役以外の転職法】50代で転職して年収を上げる方法
「転職したい、年収も上げたい」という取締役以外の50代の方は、同業他社に役員待遇で転職して年収を上げていきましょう。
転職して年収が上がる理由は、同業他社が、「あなたの人材としての市場価値を高い」と判断し「役員として働いてほしい」と思いヘッドハンティングのオファーが来る可能性があるからです。
今まで培ってきた実績が少なく思えても、同業他社から見れば大きな実績と判断されるケースがあります。
自分の市場価値を知り、他社に引き抜きされるためには、「市場価値診断サービス」と「ヘッドハンティングサービス」を利用しましょう。
市場価値診断サービスを利用することで、今のあなたの適切な年収を客観的に見ることが可能です。
また、ヘッドハンティングサービスを使うことで、同業他社の役員として引き抜きされる確率が高まりますよ。
市場価値診断サービスやヘッドハンティングサービスについて詳しく知りたい方は、上記の記事を参考にしてください。
年収が変わってもOKなら50代でもできる仕事を探そう
この章では、50代で転職を目指す秘訣について解説していきます。50代で転職をする秘訣は、年齢が高くても採用される仕事を探すことです。
なぜなら、企業の採用コストと50代の中途入社社員が会社にもたらす利益が釣り合わない場合が多いからです。
50代でスキルや実績がなければ、「定年までの約10年間で成長する見込みはなく、会社に利益をもたらしてはくれないだろう」と企業は判断してしまいます。
50代で輝かしい実績がなくとも転職を実現させたいなら、人材不足が叫ばれている業界や年齢を重ねても雇用される業界を見極めながら探す工夫が必要になってきます。
- 介護業界 50代の平均年収 300万
- 清掃業 50代の平均年収 350万
- 宿泊飲食業などのサービス業 320万
上記の3つのように常に人材を求めていて、年齢関わらず一定の雇用が生まれている仕事であれば、50代でも転職を成功させられるでしょう。
しかし、どれも労働集約型の産業のため、年収は300万円前後となっています。紹介した50代の平均年収よりも300万円ほど年収が低いです。
「年収が300万円減っても転職をしたい」「50代で新しい道に挑戦したい」という方は、転職を検討してもよいでしょう。
50代で転職するならハローワークを利用しよう
50代で転職活動をするのであれば、ハローワークを利用してみてください。なぜなら、地元の優良中小企業の求人を見つけることができるためです。
ハローワークは、求人掲載無料なので「採用にお金をかけられない」地元の優良中小企業が求人広告を出しています。
地元の優良中小企業であれば、年収が低下しても、自らの職歴や実績を評価してくれて、小規模だからこそ自分の居場所が確保しやすいこともあります。
ハローワークの求人の探し方
ハローワークの求人は、「ハローワークインターネットサービス」で検索できます。年齢や職種で検索できるので、希望の職種を探すことができます。
ハローワークで見つかる求人の年収
平均年収が最も低い鳥取エリアで、50代・正社員で検索してみると介護職員の求人が多く月収が20万前後でした。平均年収が最も高い東京都の求人でも同様に20万前後の求人がありました。
プログラミングなどの専門知識がある場合は、月収30万~50万前後の求人を見つけることが可能です。
ハローワークでの50代向けの求人は、月収20万前後のものが見られます。スキルを持っている人は50万前後での求人を見つけることが可能です。
まとめ
ここまで、「世間的に50代の年収相場はどれくらいか」「50代で転職した場合の年収はどうなるのか」について紹介しました。
50代で転職を考えるなら、一部役員待遇を狙える方を除き、おおかたの場合が年収は下がる傾向にあります。
年収がたとえ下がったとしても、自らが仕事に求める年収以外のやりがいをみつけ、その要素を大事にできるならば、転職も前向きに考え、実現できるのではないでしょうか。