「管理職を経験したけど、これ以上は部下を持ちたくないな」「でもキャリアアップは目指したい…」という葛藤を抱えている人は多いでしょう。
実際に部下を持って部下を管理する大変さを知ると、「これ以上は無理かも…」という気持ちになりますよね。とは言え、キャリアアップを目指すのであればどうしても部下が増えていくものです。
この記事では、部下を持ちたくないと感じる理由や部下を増やさないとどうなるのかについて紹介していきます。キャリアアップをするかどうかは大きな決断ですので、記事の内容も参考にして考えてみてください。
(トップ画像出典:https://www.pakutaso.com/20131132310post-3454.html)
部下を持ちたくないと感じるのは仕方ない
若手の頃は「仕事で成果を上げたい」とやる気に満ちていても、実際の日々では、上司の指示に従うだけであることもよくあるでしょう。
自分の思い通りにできない歯痒さを感じ続けるので、「偉くなって自分の裁量で仕事をしたい」と思い、昇進に向けてバリバリ頑張ったと言う人も多いかもしれません。
しかし、実際に昇進して部下を持つ立場になると、上層部と部下との板挟みになってしまいます。自分の裁量で決めるどころか、今まであまり気に留めなかった会社のルールに縛られることが増えていきます。
部下への指導で自分が自分の仕事に取り組める時間も減り、煩わしさも感じるでしょう。実際に部下を持つ経験をするからこそ、部下を持つ大変さを知り、「これ以上部下を持ちたくない!」と思うのは自然な流れです。
「部下を持ちたくない」と言う人ほど部下を持った方がいい
「部下をもっと持ちたい!」と言う人よりも「これ以上部下を持ちたくない」という人の方が部下を持つことに向いています。部下に対して真摯に向き合おうとしている姿勢があり、責任感が強いと言えるからです。
部下を持ちたくないと考えるのは、部下の気持ちがよく分からず、うまくコミュニケーションできるか不安に感じているからでしょう。
部下の立場になって考えると、「お前はこうなんだろ?俺の言うこと聞いてればいいんだ」と言う上司よりも、「悩みながらも向き合ってくれる」上司の方が頼りにしたくなりますよね。
あなたのような責任感が強い人が昇進して部下をたくさん持てば、それだけ部下を守れますし、会社をいい方向に持っていくこともできるのです。
もちろん、あなた自身には今まで以上のプレッシャーがかかってしまいますが、その分、これまで以上に部下から信頼されて会社から必要とされる存在になることも可能です。
どちらを選ぶのかはあなた次第ですが、キャリアアップを目指すか部下を増やさない道を選ぶかは重要な決断です。次章からは、部下を増やさない道を選ぶとどうなるのか紹介しますので、決断の参考にしてください。
部下を持ちたくないままでいると?①キャリアアップできない
部下をこれ以上持たないということは、キャリアアップをすることができなくなるということです。部下を増やさない仕事を選べば選ぶほど、キャリアアップから遠ざかってしまいます。
今よりも権限を持つこともできず、自分の裁量で何かを決めることもできないままです。自分で決めたことを実行することができないと、仕事へのやりがいも減っていくでしょう。
場合によってはあなたの同僚や部下にあたる人物が、上司になるという事態も起こってくるはずです。
部下を持ちたくないままでいると?②昇給が見込めない
キャリアアップができないとなると、昇給も見込めなくなってきます。会社によっては年功序列制度で、働く年数が増えるだけで昇給するケースもあるかもしれませんが、大きく収入を増やすことは難しいでしょう。
現在のままの給料であっても、何不自由なく暮らせていれば問題ないかもしれません。しかし、退職した老後はどうでしょうか?
年金もありますが、受け取れる金額が減ってしまう可能性は十分にあります。歳をとっていればそれだけ健康に問題が出ることも増えてくるため、今まで以上に医療費がかかってくるでしょう。
キャリアアップして給料を上げ、貯金をしたり投資をしたりして資産を増やす方が安心して老後を迎えられるのではないでしょうか。
部下を持ちたくないままでいると?③リストラの可能性が高まる
ここまで読んで、「キャリアアップも昇給もいらない!」と思った人もいるかもしれません。ただ、部下を増やさずにいることはリストラされるリスクを上げてしまうことは忘れないでください。
管理職は平社員よりも給料が高いです。なおかつ、これから上を目指そうという気持ちがない社員は会社にとっては有益な存在ではないのです。
もし、平常時がずっと続けば向上心がなくても働き続けられるかもしれませんが、会社の経営が何らかの理由で傾いたときには、真っ先にリストラの対象となってしまいます。
部下を増やすのを拒むことは、これから受け取れるかもしれないものが手に入らなくなるだけでなく、今ある立場も危うくしてしまう可能性もあるのです。
まだ前向きに「キャリアアップを目指そう!」という気持ちにはなれなくても、「ぶっちゃけ嫌だけど、目指しておいた方が良いかもな…」という気分になった人は多いでしょう。
次章からは、部下を持ちたくない・増やしたくない理由をどうやって解決していくかについて紹介していきます。
部下を持ちたくない理由を解決する①人間関係に悩みたくない
部下を持ちたくない理由の最も大きいものが、人間関係ではないでしょうか。部下を持てばそれだけ人と関わる機会が増えますし、上からの圧力もあって部下に無茶な指示を出さなければいけない場面もあるでしょう。
自分がしたいわけでもないのに無茶な指示を出し、部下から嫌われてしまうのはとても辛い経験です。しかし、上司と部下の板挟み状態に悩んでいるのなら、なおさらキャリアアップを目指すべきです。
昇進して立場が上がれば上がるほど、板挟み状態から抜け出せるからです。上がるところまで上がってしまえば、板挟みにならずに済みますし、あなたの部下が板挟みにならないように配慮することも可能になりますよ。
部下を持ちたくない理由を解決する②責任を取りたくない
部下を持つと部下のミスも自分の責任になるのが嫌だというのも、部下を持ちたくない大きな理由でしょう。部下が増えれば増えるほど自分の責任の重さが大きくなっていくので、プレッシャーも大きくなります。
とは言え、責任のない仕事は重要度が低く、誰にでもできる仕事であり、やりがいも感じにくい仕事です。キャリアアップするということはより重要な仕事をするということなので、ある程度の責任を持つことは必要です。
最初は責任が重すぎて大変かもしれませんが、責任を果たすことが徐々にできるようになってくると、やりがいを感じて仕事を楽しめるでしょう。
部下を持ちたくない理由を解決する③本当は昇進したいけど…
管理職になれる人は全体の3割程度だと言われています。運営に強く関わる立場に限れば、その割合はさらに小さくなります。昇進できる人はほんのわずかしかおらず、昇進を望んでもできない人が大半なのです。
「もし自分が昇進のために頑張ってもなれなかったとしたら…」という思いを、一度は持ったことがあるでしょう。
失敗を避けたいがゆえに、「責任を持ちたくない」などの昇進を諦める理由を探してしまっているのかもしれません。
もちろん、「責任を持ちたくない」という気持ちも本心であると思いますが、「頑張らなければ失敗しても格好悪くない」という考えが昇進を遠ざけている可能性もあるのです。
ただ、「失敗を避けたい」という思いが強いほど、「昇進したい」気持ちが強いということでもあります。上層部は狭き門なのですから、失敗を避けてしまっている状態では入れるものも入れなくなってしまいますよ。
高い役職につけば好条件の転職も可能になる
高い役職を目指すかどうかは今後の生活を大きく左右するので、なかなか難しい決断です。ただ、より高い役職につけばつくほど、好条件での転職も可能となり、キャリアアップのチャンスもグッと広がりますよ。
高い役職につくことができると、役職を持っている人だけが利用できる転職サイトから転職が可能です。このような役職を持っている人の転職のことを、ハイクラス転職やエグゼクティブ転職と呼びます。
ハイクラス転職やエグゼクティブ転職ができるサイトには、好条件の求人がたくさん集まっています。役職を上げるほど良い条件の求人に応募しやすくなりますよ。
部下を持ちたくないままでいるのはリスクが高い まとめ
部下を持ちたくないと思う理由や、部下を増やさずに仕事をするとどうなるのかについて紹介してきました。部下を増やさずに仕事をしていくと、3つのデメリットがあります。
- キャリアアップができない
- 昇給が見込めない
- リストラのリスクが上がる
キャリアアップや昇給ができないだけならまだ良いかもしれませんが、リストラされるリスクが上がるのはなかなか厳しいですよね。先々のことを考えるのであれば、部下を増やすことを考えた方が良いでしょう。
部下と向き合いながら仕事をしていくことは、責任が重く、とても大変なことです。部下との向き合い方で迷うことも出てくるでしょう。
当記事のある「Executive Navi」には、部下との関わりで迷ったときの対処法を紹介している記事がたくさんあります。こちらの記事も参考にしながら、キャリアアップを目指してみてくださいね。