転職は“複数の企業に並行して応募する”のが一般的ですが、初めて転職する方は「何社に応募すれば良いんだろう」と悩んでしまうかと思います。
また、転職活動を始めるにあたり、「どれくらいの確率で内定が貰えるのか」という点も気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、転職成功者の平均応募社数や、選考通過・内定の確率について解説します。この記事を読めば、応募社数の目安が分かり効率良く転職活動を進められるので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/photos/telephone-mobile-call-samsung-586268/#content)
そもそも転職活動では同時に何社まで応募できる?
冒頭では“複数の企業に応募するのが一般的”と紹介しましたが、そもそも同時に何社まで応募することができるのでしょうか。
転職活動に「応募は何社まで」という決まりはないので、同時に何社の企業に応募しても問題はありません。
但し、応募の数が増えすぎると「1社の準備に割ける時間がなくなる」といったデメリットがあります。また、スケジュールを管理するのも大変になるため、無闇に応募するのは得策とは言えません。
次の章からは、応募社数の目安について解説していきますが、自分のペースで進められる範囲で複数の企業に応募するようにしてください。
転職を成功させている人は何社に応募している?
実際に転職を成功させている人は、何社の企業に応募しているのでしょうか。
大手転職サービス「doda」では、転職成功者の平均応募社数を「22.2社」と公表しています。
(参考:https://doda.jp/guide/oubo/heikin/)
また、年代別の平均応募社数も公表していたので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
応募社数 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
1社 | 13% | 20.6% | 39.5% |
2社 | 3.9% | 5.6% | 7% |
3社 | 3.3% | 4.7% | 4.7% |
4社 | 3.1% | 4.1% | 4.1% |
5社 | 3.4% | 3.8% | 3.8% |
6〜10社 | 14.3% | 15% | 12.3% |
11〜15社 | 10.9% | 10.5% | 7.1% |
16〜20社 | 8.6% | 7.1% | 4.7% |
21社以上 | 39.4% | 28.7% | 16.8% |
平均 | 25.6社 | 20.2社 | 12.9社 |
(参考:https://doda.jp/guide/oubo/heikin/)
dodaの調査では、転職成功者の平均応募社数が「20代で25.6社」「30代で20.2社」「40代で12.9社」となっていました。
年齢によりばらつきはありますが、多くの方が「10〜20社以上」に応募していることが分かります。
書類選考を通過するには何社に応募すれば良い?
転職を成功させるには、まず書類選考を突破しなければなりません。
実際に書類選考を通過するためには、何社を目安に応募すれば良いのでしょうか。
大手転職サービス「マイナビ」の調査によると、書類選考を通過できる確率は「30%」という結果が出ています。
(参考:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/naiteisha)
マイナビエージェントのデータを参考にした場合、1社の書類選考を通過するためには「4社以上」に応募する必要があると言えます。
あくまで目安となりますが、「30%」という確率を見る限り、複数の企業に応募した方が転職を成功させやすいと言えるでしょう。
1社の内定を得るためには何社に応募する必要がある?
転職活動を進めるにあたり、最も気になるのが「どれくらいの確率で内定を貰えるのか」という点ではないでしょうか。
マイナビの調査報告によると、各選考を通過できる確率と内定を得られる確率は、以下のような結果となっています。
- 応募して書類選考を通過する確率:30%
- 一次面接を通過する確率:30%
- 最終面接を通過して内定を得る確率:50%
(参考:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/naiteisha)
上記のデータを元に算出すると、内定を貰える確率は「4.5%」という結果に。(30%×30%×50%=4.5%)
仮に「25社」の企業に応募した場合、内定を得られるのは「約1.1社」という計算になります。
確率だけの話をすれば、1社の内定を得るためには「最低25社」に応募する必要があると言えます。
転職活動をするときは、まず何社に応募すると良い?
前章では「最低25社に応募する必要がある」と紹介しましたが、それはあくまで確率の話です。
最終的に25社以上に応募する可能性はありますが、いきなり25社以上に応募するのは得策ではありません。
尚、“◯社に応募するのがベスト”という明確な基準はないですが、マイナビでは「6〜10社」を目安に応募することを推奨しています。
(参考:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/naiteisha)
また、大手転職サービス「リクナビNEXT」では、1社の内定を目指すのに「7〜8社」への応募が目安とされています。
(参考:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/3804/)
上記の応募社数の目安は、転職成功者のデータを元に算出されているので、目安の1つとして参考にしていたたければと思います。
転職活動で1社ずつ応募するのはリスキー
転職を成功させるには“複数の企業に応募する”のが賢明ですが、中には「じっくりと企業を選んで1社ずつ応募したい」と考えている方もいるでしょう。
しかし、1社ずつ応募していると“不採用になる度に振り出しに戻ってしまう”ので、転職活動が長期化する恐れがあります。
また、先程紹介した「内定を得られる確率(4.5%)」を見る限り、1社ずつ応募するのはリスキーと言えるでしょう。
転職活動の長期化は、モチベーションの低下や精神的な負担に繋がります。ですので、複数の企業に応募して、効率良く転職活動を進めていく方がおすすめです。
転職活動で複数の企業に応募するメリット
前章では「1社ずつ応募するのはリスキー」と紹介しましたが、複数の企業に応募することでどのようなメリットを得られるのでしょうか。
複数の企業に応募する主なメリットとしては、以下の2つのことが挙げられます。
- 効率良く転職活動を進められる
- 他社の比較検討ができる
効率良く転職活動を進められる
前述したように、1社ずつ応募してしまうと「次の応募までに時間がかかる」「確率的に内定を得られる可能性が低くなる」といったデメリットがあります。
その点、複数社への応募は、もし選考に落ちたとしても「次の企業に切り替えやすい」というメリットがあります。
また、1社ずつ応募するよりも内定を得られる可能性が上がるので、効率良く転職活動を進めやすいと言えます。
他社の比較検討ができる
複数の企業に応募すれば、他社との比較検討をすることができます。1社ずつ応募する場合、他社と比較することができないため、「本当にこの企業で良いのかな…」と悩んでしまうケースも多いです。
また、実際に選考を進めていく中で初めて見えてくることもあり、応募後に「イメージとは違った」と気付くケースも少なくありません。
その際に比較できる企業があれば、より自分に合った転職先を見つけ出しやすくなります。
複数の企業に応募する際に注意しておきたいポイント
メリットがある一方で、複数の企業に応募する際は注意しておきたいポイントが2つあります。
- 確率ばかり気にして無闇に応募するのはNG
- 応募企業の優先順位を決めておく
確率ばかり気にして無闇に応募するのはNG
先程紹介した「内定を得られる確率(4.5%)」を見てしまうと、「たくさんの企業に応募した方が良いのかな」と思ってしまうかもしれません。
しかし、確率ばかり気にして無闇に応募してしまうと、1社にかける企業研究の時間や労力が少なくなってしまいます。
また、スケジュール管理が杜撰(ずさん)になり、転職活動を無駄に忙しくしてしまう可能性が高いです。
安易に応募社数を増やすのは「転職活動の品質低下」や「転職活動の長期化」を招く原因になるので、自分に見合った範囲で応募するようにしましょう。
応募企業の優先順位を決めておく
複数の企業に応募すると、場合によっては面接の日程が被ってしまうことがあります。
また、在職中に転職活動を進める方は、複数の企業に応募することでスケジューリングが難しくなるでしょう。
そうした事態に対処するためには、予め応募企業の優先順位を決めておくことが大切です。
優先度を整理しておけば、面接日の調整が判断しやすくなり、スケジューリングに困ることもありません。
複数社に応募するなら転職エージェントを利用しよう
複数社に応募して転職活動を進める場合、現職の仕事の合間を縫って「企業研究」や「面接日程の調整」などを行わなければなりません。
これは想像する以上に大変なことなので、なるべく「転職エージェント」を利用することをおすすめします。
転職エージェントでは、企業が求める人材像を教えてくれたり、スケジュール管理を代行してくれたりするので、転職者の負担を大幅に軽減することが可能です。
また、応募書類の添削や面接対策にも対応しており、転職成功率を高めることができます。有利に転職活動を進められるので、ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてください。
基本的に転職エージェントのサービスは「無料」で利用できます。
初めて利用する方は、転職支援実績No.1の「リクルートエージェント」や、転職者満足度No.1の「doda」などを検討してみると良いでしょう。
まとめ:何社に応募するかは対応できる範囲で決めよう
今回は、応募社数の目安や内定を得られる確率について紹介しました。改めて記事の内容を簡単にまとめてみます。
- 転職活動では何社でも応募することが可能
- 転職成功者の多くが「10〜20社以上」に応募している
- 確率的には1社の内定を得るために「25社」への応募が必要
- 一般的には「10社前後」を目安に応募している傾向が強い
- 1社ずつの応募は効率が悪いのでおすすめできない
紹介した応募社数や確率は、あくまで転職成功者のデータを元にした「目安」になります。
ただ“1社ずつよりも複数社に応募した方が効率が良い”のは確かなので、自分のペースで進められる範囲で応募してみてください。