「会社で管理職として働いているんだが、そろそろ別の会社に転職を考えている。管理職のキャリアがあるとはいえ、転職では有利なのだろうか・・・。」
自分が勤めている会社では管理職として働いている経験がある。いざ転職を考えると、本当に自分は有利なのか心配になりますよね。
この記事では、管理職の経験がある人は、転職で有利になるのかどうかをネット上の情報を整理し、徹底調査してみました。
そしてどうすれば、管理職の転職で有利になれるかの対策も併せて紹介していきます。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%A3%AB-620822/)
管理職は有利なのか?転職求人倍率から見る現状
人手不足が声高に叫ばれる今の日本社会。どの企業も、早く現場で働いてくれる経験者が欲しいという状態です。
業種別の転職求人の全体倍率は2.17倍で、特に突出して高いのが技術系(IT・通信)で、7.95倍です。一方、管理職に当たる企画・管理系は1.66倍と、2倍以下の水準です。
管理職で働いている人の求人状況は、人手不足が深刻になっているにも関わらず、2019年時点では他の業種と比べて低いということになります。
(出典:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)
求人が少ないのは管理職には有利ではない
会社で働いている人のほとんどが通常の社員であることは当然ですので、管理職のポジションで働いている人は自然と少なくなります。
数ある求人のうち、管理職で募集している数は2割程度でしかありません。その中でもさらに自分の条件とマッチングする求人を探すとなると、かなり厳しいです。
管理職という立場は、他の社員と比べて地位が高いため、普通に転職サイトに登録して普通に探すというような方法では、なかなか見つからない可能性が高いです。
転職する管理職の年齢層
就職活動では「新卒」という20代前半の人たち、転職活動では「第二新卒」という20代中盤の若い方々がいますよね。
管理職で転職する年齢層はというと、30代から40代という中年の世代が多くなってきます。
若々しさでフレッシュさをウリにできる20代の年代層よりも、自分のキャリアがより求められてきますので、管理職での今までの経験が重要です。
政府は「男女共同参画推進本部」で発表された2020年までに女性の管理職を30%にするという目標もかかげていますので、より競争は激化すると考えられます。
30代の管理職が転職で有利な点
ここからは、30代と40代の管理職の有利な点と不利になる点をそれぞれ説明していきます。30代の管理職の有利な点は、以下のようなものです。
- 30代なので、40代と比べてまだ若いので考えが凝り固まっていない
- 経験不足なことが多いが、成長スピードで補える
- 40代と比べてまだ働ける期間が長いので、実績を積んで年収アップを期待できる
30代はまだ若い所もありますので、今後の伸びしろや柔軟性でカバーすることが可能です。
30代の管理職が転職で不利になる点
30代の管理職の転職で不利になると考えられる点は、以下のようなものです。
- 若いゆえに、経験不足で業務の遂行が難しい場面がある
- 場合によっては、転職先にいる年上の社員が自分の部下になるので人間関係が難しいことも
- 30代という若いうちでは、求人自体が少ない可能性がある
若さゆえの経験不足があしかせとなって、うまく業務や人間関係を乗り切れない可能性があるのが不利な点です。
40代の管理職が転職で有利になる点
40代の管理職が転職で有利になる点は、以下のようなものが考えられます。
- 管理職としての経験が既にあるので、別の企業に行っても能力を活かせる
- 部下の年齢が自分よりも下である可能性が高いので、人間関係は難しくないことも
- 転職先で他にも管理職がいる場合は、同じ年齢や役職として仲間が出来やすい
40代の管理職は既に培った管理能力をフルに生かし、部下が年下であるということも多いので、人間関係も円滑にことが運びやすいです。
40代の管理職が転職で不利になる点
40代の管理職が転職で不利になる点は、以下のようなものが考えられます。
- 転職をして新しい企業に配属された時に、自分より若い社員に知識の吸収スピードが劣っていると、バカにされる可能性がある
- 30代の管理職と比べると、ある程度自分の凝り固まった考えができてしまっているので、自分の経験のみに頼りがち
- 30代の管理職よりも経験年数が長いので、大きな責任や成果を期待されてしまうことがある
30代の管理職よりも経験が豊富ですがその分柔軟性がなく、周囲から過度な期待をされるので、プレッシャーがのしかかることが考えられます。
管理職の転職を有利にするために気をつけること
30代と40代の管理職の強みと弱みを挙げていきましたが、年齢関係なく管理職の仕事をするうえで気をつけることがあります。
よく、管理職になることで第一線から身を退いてこれからはラクが出来る。しかも、役職もあるから給料はたくさんもらえるという名ばかり管理職というのが存在します。
もし、前線から身を引けてラクができる。そのうえで給料も貰えるから管理職になろうという考えをお持ちなら、管理職の転職はやめておいた方がいいです。
今後は、ただマネジメントができるだけではなく、所属する業界の知識や情報を活用できる管理職が求められる傾向にあります。専門知識を勉強して最前線に立っているという自覚が必要です。
管理職に求められることを再確認して有利に
管理職という仕事の基本は、例えどの企業に転職したとしても変わることはありません。当たり前のことかもしれませんが、もう一度管理職の仕事を振り返りましょう。
方向性を決める
管理職は企業の目的を達成するために方向性を示し、部下を使って業務を分担させるのが仕事です。
多くの選択肢から最適なものを選び、責任を自覚して人を動かしていく力が必要になります。
部下のマネジメント
部下にやる気を持たせ、自分で行動させていくマネジメント力も必要な力です。
何が原因で部下の仕事が上手くいったのか、仕事が失敗してしまったのかを評価し、部下に原因を伝えることが大切です。
部下の目標設定をサポートする
組織をより成長させるためには、社員ひとりひとりの目標を設定することが不可欠です。社員それぞれの目標設定をサポートし、いかにして目標を達成させるかが問われます。
人を育てる
企業の業績を伸ばすためには、人材を育成することがとても重要です。企業に求められる理想像を理解し、理想に近づけるために社員を採用、育成していく必要があります。
また、目標を達成するためにチームで一緒に成長していくという意識も必要です。
この4つの基本を振り返り、管理職としての仕事を再確認することで、転職で有利になってくるでしょう。
これから管理職の転職をするあなたへ
ここまで、管理職が転職で有利になるのかを説明していきました。
管理職の転職市場は求人倍率が低く、求人自体も少ないので競争が激しく不利に立たされることもあるかもしれません。
ですが、管理職の仕事の基本を思い出し原点に立ち返ることや、30代と40代の強みと弱みを知っていれば、転職には有利になる可能性が充分あります。
まだまだ、諦める必要はありません。この記事で紹介した情報を知るだけでもあなたは有利になっています。恐れず踏み出して行きましょう。