「転職を決意したはいいけれど、退職や入社の時に必要になる書類にはどんなものがあるのだろう。」
このように退職や入社をする時は何かと書類が多く、初めてだと戸惑ってしまうと思います。そこで今回は、退職から入社までの間に必要となってくる書類をまとめてご紹介します。
この記事を読めば膨大な書類に悩まされることなく、スムーズに転職することができます。ぜひ最後までお読みくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF-%E3%83%9A%E3%83%B3-%E7%94%B7-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF-1149962/#content)
書類を用意するべき4つの場面とは
あなたがこれから転職を考えているのなら、様々な書類を受け取り、そして用意しなければなりません。主に次のような場面です。
- 退職する時
- 転職活動する時
- 入社する時
- 入社した後
転職をする時は、とにかく膨大な量の書類を扱います。書類によっては会社に発行をお願いしなければならないものや、役所の証明が必要なものもあります。
退職後、書類の件で何度も前の職場に電話をかけるはめにならないように、細心の注意をはらって書類を扱うようにしてください。
転職に必要な書類(退職編) 退職時に返却する書類5つ
まずは退職時に返却しなければならない書類を5つ紹介します。会社から支給されたものはもちろん、業務上作成した資料などについても全て返却しなくてはなりません。退職時に返却する書類は以下の通りです。
- 身分証明書
- 名刺
- 通勤定期券
- 健康保険被保険者証
- その他書類やデータ
身分証明書
社員証や会社のIDカードなど、その会社の社員であることを証明するものは、全て返却します。
名刺
会社で作った名刺のことです。会社によっては取引先から受け取った名刺も返却をするように言われる場合があります。
通勤定期券
電車やバスといった公共交通機関の通勤定期券です。これは会社から現物支給されている場合のみ返却します。
健康保険被保険者証
病院などで提示する「保険証」のことです。退職により会社の健康保険組合から外れることになるので返却します。
企業が健康保険組合を組織していない場合は全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険証を返却します。
転職先が決まっているのなら、その会社の健康保険に改めて加入します。しばらく転職活動をするのなら、国民健康保険に加入するか、任意継続被保険者制度を利用してください。
任意継続被保険者制度とは、一定の要件を満たす個人が例外的に会社を退職しても引き続き個人で会社の保険に加入できる制度です。加入期間は最長2年間で、届け出や保険料の納付は加入者自らが行います。
その他書類やデータ
今紹介した書類の他にも、業務上作成した企画書や顧客のリストなども返却することになります。社費で購入した書籍や事務用品や業務で使用した資料も残さなければなりません。
返却の際はとにかく返し忘れがないようにすることです。もし返し忘れがあると、今までお世話になった会社に迷惑をかけますし、改めて返却しに行かなければいけない手間も発生します。
転職に必要な書類(退職編) 退職時に受け取る書類4つ
次は退職時に受け取らなくてはならない書類を4つご紹介します。新しい会社に入社した際にはいくつかの書類を提出しますが、その中には前の会社から返却・発行される書類も含まれています。
それゆえ前の会社から返却・発行される書類は忘れずにしっかり管理しておきましょう。退職時に受け取らなくてはならない書類は以下の通りです。
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳
離職票
会社を退職したことを証明する書類で、雇用保険の失業給付金を受給するのに必要です。
転職先が決まっている場合には必要ありませんが、企業によっては「確実に前の会社を退職した証明」として離職票の提出が求めてくる場合があります。
再就職まで間が空く時は、退職理由によって失業給付金のもらえる時期が異なってくるので、退職理由が自己都合なのか会社都合なのかも確認しておきましょう。
雇用保険被保険者証
雇用保険の加入者であることを証明する書類です。正社員や契約社員なら必ず加入しているでしょう。退職の際には雇用保険被保険者証を忘れずに受け取り、そのまま新しい会社に提出します。
また派遣社員の場合は、派遣元企業から雇用保険被保険者証を受け取ってください。
源泉徴収票
源泉徴収票とは、所得税の年末調整に必要な書類です。退職のタイミングで発行されます。転職先が決まったら新しい会社に提出し、前の会社の分もまとめて年末調整をします。
退職した年に再就職しなかった場合も税務署で確定申告をしなければならないので、いずれにしても源泉徴収票が必要です。
年金手帳
公的年金の加入者であることを証明する手帳で、厚生年金の加入手続きのために必要となります。会社が保管している場合は忘れずに受け取りましょう。
退職した時点で転職先が決まっていない場合は、国民年金の手続きを管轄内の役所で行ってください。
転職に必要な書類(転職活動編) 必要な応募書類3つ
次は転職活動の際に必要な応募書類を3つご紹介します。面接の際、企業の採用担当者は会社の財産となる人材を探しています。
ですから応募書類を作成する時は採用担当者の立場に立って、「どんな風に書けば『よい人財』だと思ってもらえるか」といった点を意識しましょう。転職活動の際に必要となる応募書類は以下の通りです。
- 履歴書
- 職務経歴書
- 必須資格の証明書類
履歴書
履歴書は本人の氏名、年齢、所在地、学歴、職歴などが書かれた応募者本人の確認書類です。履歴書の用紙は100円ショップや文具店で購入することができます。
履歴書の書き方はマイナビ転職の「履歴書の見本(サンプル)・作成方法」を参考にするといいでしょう。
職務経歴書
これまでの職歴や、その職場での業務役割を記述する書類です。企業が応募者判断する材料となります。
書かなければならない決まった項目はありませんが、自分をより効果的にアピールするためにオリジナリティのある職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴書の書き方はマイナビ転職の「職務経歴書の書き方マニュアル完全版」を参考にするといいでしょう。
資格などの証明書類
応募する企業の募集業務で必須の資格や合格証の写しなどは、面接の際に提出を求められることがあります。卒業証明書などは、卒業した学校に連絡すれば郵送してもらえるはずです。
転職に必要な書類(入社時編) 入社時に必要な書類3つ
次は入社する際、ほとんどの企業で必要になってくる書類を3つご紹介します。3つとも前の職場の退職時に受け取るべき書類なので、忘れずに受け取りましょう。
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
この3つの書類の解説はこの記事の『転職に必要な書類(退職編) 退職時に受け取る書類4つ』でご紹介しましたので、そちらを確認してください。
基本的にこちらからは何も書き足すことなく、受け取ったものをそのまま提出すれば大丈夫です。
転職に必要な書類(入社後編) 入社後に必要な書類3つ
次は入社後に必要事項を記入してから提出する書類を3つご紹介します。入社後に会社から渡される書類なので、紛失には気を付けてください。提出する書類は以下の3つです。
- 扶養控除等申告書
- 健康保険被扶養者異動届
- 給与振込届出書
扶養控除等申告書
扶養控除等申告書は、扶養している家族がいるかいないかを会社に申告する書類です。個人の事情に合わせて税金の軽減を受けるために必要となります。
健康保険被扶養者異動届
元々は健康保険に加入しているあなたに扶養されている家族が、結婚や出生、就職、死亡などの変化があった場合に、提出する必要がある書類です。
入社するとその会社の健康保険に改めて加入することになるので提出します。ただしあなたに扶養している家族がいない場合は提出不要です。
給与振込届出書
給与の振り込みに必要な口座を届け出るための書類です。中小企業などでは、振込手数料節約のために銀行を指定している場合があります。
会社で専用の用紙を渡されたら、記入・捺印をして提出しましょう。
転職に必要な書類(番外編) 企業によって必要な書類4つ
最後は、転職先の企業によって提出を求められるかもしれない4つの書類をご紹介します。
以下の書類の提出を求められる際は、必ず企業側からお知らせがありますので、聞き逃さないようにしましょう。
- 健康診断書
- 入社誓約書/入社承諾書
- 身元保証書
- 住民票記載事項証明書
健康診断書
病院や健診センターなどが発行するあなたの健康状態を記した健康診断書が必要になることがあります。その場合は入社が決まり次第案内されます。
入社誓約書/入社承諾書
入社誓約書(入社承諾書)は就業規則に関することや、履歴書の内容に嘘がないこと、損害賠償に関する決まりが記載された書類です。
会社から渡された後、内容をよく確認した上で署名・捺印し、会社に提出してください。
身元保証書
身元保証書は、あなたの素性の保証をするものです。また、あなたが会社に大きな損害を与えてしまった際に、あなたとその書類にサインをした保証人が賠償責任を負うことを約束する書類にもなります。
通常は会社から渡される書式にあなたの親か、あなたの親族の方がサインをします。
住民票記載事項証明書
住民票記載事項証明書は、あなたの現住所を証明するための書類です。求められた場合は役所で発行してもらい、提出します。
自治体によってはコンビニで取得することができる場合があります。
必要な書類を提出するのに気を付けるべきポイント
ここまでは退職から入社までに必要な書類についてご紹介してきました。書類の量は膨大ですが、事前に把握し、1つ1つしっかり押さえていけば心配ありません。
そしてここからは、書類を提出する際、特に気を付けるべきポイントを3つご紹介します。意外を忘れてしまうところなので、しっかりと確認をしておきましょう。
- 会社のパソコンのデータはバックアップをとる
- 書類の返却は抜け漏れがないようにする
- 退職、転職活動、入社の際に提出する書類は必ず最終確認をする
会社のパソコンのデータはバックアップをとる
現在は会社のパソコンで仕事をする人がほとんどだと思います。だからこそ退職時にはパソコンに保存していたデータの整理も忘れずにしておく必要があります。
会社にとって必要なデータをうっかり消去しては大変です。必ず指定のUSBなどにバックアップをとった上でパソコンのデータを消去しましょう。
書類の返却は抜け漏れがないようにする
退職の際には、業務の引継ぎがありますが、その際に必要な書類・資料などもきちんと引継ぎ、不要なものは会社で処分しましょう。
退職後、持ち帰った荷物の中に前職で使っていた書類が混ざっていると、再度書類を返したり連絡したりと二度手間になる可能性があります。返却の抜けや漏れがないように、しっかりと確認しましょう。
退職、転職活動、入社の際に提出する書類は必ず最終確認をする
退職時に会社から受け取る書類の多くは、転職先の企業での入社手続きや、役所への届出などで必要となってきます。
手続きをするときに受け取ったかどうか、またはどこに保管したのかがわからなくなってしまっては大変ですので、徹底的に管理しておきましょう。
うっかり紛失して前の職場に再発行してもらうことのないように、自分でチェックリストを作っておくといいかもしれません。
必要な書類を送付する時の2つのマナー
最後に退職先や入転職先に書類を送付する際のマナーについてご紹介します。特に以下の2つには注意しましょう。
- 送付状を添える
- 書類をクリアファイルにまとめる
送付状を添える
仕事で書類を送る際は、必要書類と合わせて送付状を添えて送るのがマナーです。
内容は以下の項目を押さえておきましょう。最後は以上で締めることを忘れないでください。
- 送付した日付
- 宛先(会社名、部署名、担当者名)
- 差出人(住所、名前、電話番号、メールアドレス)
- 件名
- 本文
- 用件
送付状の内容は一般的な定型文で構いません。送付状があるかないかで、受け取った相手の印象は大きく変わります。「マナーのなってない人」と思われないようにひと手間かける習慣をつけましょう。
送付状の書き方に関しては、duda(デューダ)の「履歴書を提出するときの送付状・添え状の書き方【テンプレート付き】」を参考にするといいでしょう。
書類をクリアファイルにまとめる
受け取った相手が書類を取り出しやすいように、書類はクリアファイルにまとめておくと親切です。書類の紛失防止にもつながります。
100円ショップでまとめて購入できるので、ケチらないで新しいファイルを使いましょう。
おわりに
今回は転職に必要な書類を退職・転職活動・入社の3つの場面からご紹介しました。
- 退職時に返却する書類
①身分証明書、②名刺、③通勤定期券、④健康保険被保険者証、⑤その他書類やデータ - 退職時に受け取る書類
①離職票、②雇用保険被保険者証、③源泉徴収票、④年金手帳 - 転職活動で必要となる応募書類
①履歴書、②職務経歴書、③必要資格の証明書類 - 入社時に殆どの企業で必要な書類
①年金手帳、②雇用保険被保険者証、③源泉徴収票 - 入社してから提出する書類
①扶養控除等申告書、②健康保険被扶養者異動届、③給与振り込み届出書 - 入社時に企業によっては必要となるかもしれない書類
①健康診断書、②入社誓約書(入社承諾書)、③身元保証書、④住民票記載事項証明書
退職日当日や入社時に慌てないようにするためにも、提出する書類や会社からの返却物に関しては、事前にしっかりチェックし、失くさないように管理しておきましょう。
この記事があなたの転職のお役に立てたなら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。