退職する時には、できるだけ余っている有給休暇を消化してから退職したいですよね。ただ、有給休暇は取りづらい雰囲気があって不安を感じている人もいるでしょう。
実際には有給休暇を取ることは労働者の権利として労働基準法で定められているので、堂々と有給休暇を取得して大丈夫です。
この記事を読めば、退職時に有給休暇を消化するやり方や、注意点などが分かりますよ。もし万が一、有給休暇を拒否された時の対処法についても紹介しているので、参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://unsplash.com/photos/GJao3ZTX9gU)
Contents
有給休暇って何日くらいあるの?

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退職前に有給休暇を消化できるか確認する前に、有給休暇の基礎知識を紹介していきます。もらえる有給休暇の日数は、勤務している期間によって変わってきますよ。もらえる有休休暇の日数は以下の通りです。
勤続期間 | 半年 | 1年半 | 2年半 | 3年半 | 4年半 | 5年半 | 6年半 |
有給日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
また、有給休暇には2年間の有効期限があり、もし有休を使用しなかった場合でも、最大で40日までしか保有することができません。
次章では、退職する時に有給休暇を消化できるのかどうかについて紹介していきます。
退職する時に有給休暇を消化できる?

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退職する時には有給休暇を消化することができます。ただし、有給休暇を消化することを会社に申し出る必要があります。
多くの場合は、退職する意志を会社に伝えたときや後に「有給を使うかどうか」を上司に確認されますので、その時に自分の意志を書面を通して伝えるようにしましょう。
有給を消化する方法は2パターンあるので、会社や自分の状況に合わせて選んでみてください。有給を消化する2パターンについては次章で紹介していきます。
退職時に有給休暇を消化する2パターン

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有給休暇を消化する際は、「最後の出社日の前に有給消化して、最後の出社日を退職日にするケース」「最後の出社日の後に有給を消化して、有給が終わった日を退職日にするケース」の2パターンがあります。
最後の出社日を退職日にするケース
最後の出社日(退職日)の前に有給休暇を消化する場合は、有給休暇を消化する前か後かどちらでもよいので、引継ぎのスケジュールを事前にしっかりと決めておきましょう。
有給休暇を消化している期間に、取引先などからあなた宛てに連絡が入ってしまうと業務がスムーズに進みませんし、休暇中に対応しなければいけなくなってしまうので注意してくださいね。
有給が終わった日を退職日にするケース
最後の出社日を終えた後、有給休暇を消化して有給休暇を消化し終わった時点で退職となります。最後の出社日を終えれば会社に行く必要がないため、実質的に消化する有給休暇分だけ退職が早まるような形になります。
退職の手続きをしっかり終わらせておかないと、休暇中に会社へ行かなければいけなくなるので、最後の出社日までに終えるようにしてくださいね。
退職時に有給休暇を消化する時の注意点

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ここでは、退職時に有給休暇を消化する時の注意点を紹介していきます。注意点は全部で4つあります。
有給休暇の申請は書面で行う
有給休暇の申請は必ず書類で行うようにしてください。申請して休みを取ったにもかかわらず、通常のお休みとして扱われてしまい、有給分の給料が支払われないというトラブルが起きる可能性があるからです。
書面で申請しておけば証拠が残るので、書面で申請するようにしましょう。自分用の控えを手元に残しておくのも忘れないでくださいね。トラブルの対処法については、後ほど紹介していきます。
退職の意志は早めに伝える
退職の意志は少なくとも1か月以上前に伝えるようにしましょう。ただ、有給を消化する場合はその日数も考えて決める必要があるので気を付けてください。
たとえば、持っている有給休暇が30日間あり、全て退職時に消化したい場合は、引継ぎ期間も考えると2か月ほど前に伝えましょう。
30日消化するのに1か月前ではすべての有休を消化することができなくなってしまいますよ。
引継ぎをしっかりする
有給を消化するのは悪いことではないのですが、退職する際はきちんと引継ぎをするようにしてください。
引継ぎをしっかりしておかないと、「有給を消化したのに有給分の給料が支払われていない」などのトラブルが発生しやすくなります。円満に退職するために引継ぎは十分な期間を使って行うようにしましょう。
有給をいつどのくらいとるのか
有給を消化する時には、「いつどのくらい有給を使うのか」を会社と話し合ってください。引継ぎを行うスケジュールなども調整する必要があるので、自分の希望だけでなく会社の希望とすり合わせて決定しましょう。
次章では、有給休暇を消化しようとしたら、会社に拒否されてしまった場合の対処法を紹介していきます。
有給休暇を使わせてくれない場合はどうしたらいい?

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労働者には有給休暇を使う権利があるので、退職時であっても有給休暇を使うことができます。しかし、会社によっては「辞める人間に有給を使う権利はない」などと言って、有給消化を拒否してくる場合があります。
「会社の規定で退職者には有給を取らせないと決まっている」と言われたとしても、有給休暇を労働者に与えないことは労働基準法の違反になります。
上司が取り合ってくれないのであれば、会社の人事部へ相談するようにしてください。もし、人事部も対応してくれない場合は、労働基準監督署に相談して会社に指導をしてもらうといいでしょう。
次章では、有給休暇を消化したのに、有給を使った分の給料が支払われていなかった場合の対処法を紹介していきます。
有給分の給料が支払われていなかった時の対処法

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有給休暇を消化する申請をして会社に受理されたにもかかわらず、有給休暇分の給料が支払われていなかった場合は、会社に書面で未払いの賃金を請求しましょう。
もし、請求して会社から返事が返ってこない場合や、賃金が振り込まれない場合は、労働基準監督署に相談してください。
有給休暇の申請も、未払い賃金の請求も書類が残っているので、その書類を持って相談を行うようにしましょう。
次章では、退職までに有給休暇を消化しきれなかった時、余ってしまった有給休暇はどうなるのかについて紹介していきます。
退職までに有休休暇が消化しきれなかった時はどうなる?

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退職で有給をすべて消化するつもりだったのに、引継ぎが長引くなどしてすべて消化できなくなることもあるでしょう。そういった場合、余った有給は消滅してしまうことになります。
つまり、休みも取れないし給料も入らないということです。すべての有給を消化したいのであれば、余裕をもって退職の意志を会社に伝えるようにしましょう。
会社によっては、余った有給を買い取ってくれる場合もあります。しかし、有給は労働者が休養を取るためにあるものなので買取は原則禁止されています。
ただ、退職時の有給消化で余ってしまった場合は休養は必要ないものですので、買取をしてもらえる場合もあります。会社によって異なるなので、一度相談してみるといいでしょう。
有給休暇の消化中にボーナスは出る?

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ここでは、有給休暇を消化している時にボーナスは出るのかについて紹介していきます。結論から言うと、ボーナスは出ます。
ただ、ボーナスをいくら支払うのかについては会社が決定権を持っています。有給休暇を消化していることを理由にボーナスを減額される可能性は十分にあります。
そのため、ボーナスは当てにせず、退職後に必要な生活資金は在職中に貯めるようにしましょう。次章では、退職後に必要な手続きについて紹介していきます。
退職後に必要な手続き

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ここでは、退職後にしなければいけない手続きを紹介していきます。退職するまでも大変ですが、退職した後にきちんと手続きしておかないと、損をすることになるので忘れずに手続きを行ってくださいね。
- 年金
- 健康保険
- 雇用保険
- 所得税
- 住民税
退職した後に必要な手続きは上記の5つです。ただし、次の就職先が決まっていて、無職期間が1か月未満の場合は新しい就職先で手続きを行うので、自分で手続きする必要はありませんよ。
退職時に有給休暇を消化しよう! まとめ
退職時に有給休暇を消化する手続きについて、有給休暇の仕組みや有給休暇を消化する2パターン、ありがちなトラブルの対処法を紹介してきました。
繰り返しお伝えしていますが、有給休暇の取得は労働者の権利として法的に認められています。
拒否されてしまった場合でも、法的な対処をすることで解決することができますし、労働基準監督署に相談するのであれば会社の体質改善にも貢献することができますよ。
この記事を参考にして、有給休暇をきっちりと消化して円満に退職してくださいね。