日本ではまだまだ認知度の低いヘッドハンティングですが、中には嘘をついて金銭をだまし取るなどのヘッドハンティング詐欺の場合があるのです。
ヘッドハンティングの話が自分の所にくると、舞い上がってしまい正常な判断ができないかもしれません。自分は大丈夫と思っていてもいつ被害に遭うかわからないので、しっかりと知識を蓄えておきましょう。
この記事では、そんなヘッドハンティング詐欺の目的や見破り方を紹介します。
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ヘッドハンティングとは
ヘッドハンティングとは、他の企業から自社に優秀な人材を引き入れる人材採用手法のことです。
企業に勤めている経営者や役員など幹部クラスの方、つまり会社の頭(ヘッド)を引き抜くのでヘッドハンティングと呼ばれていて、新卒や一般社員の方は対象にはなりません。
従来、外資系企業に多かったヘッドハンティングですが、最近では日本企業にも取り入れられ、一般化してきています。
しかし、日本では知名度がまだまだ低く知識がないことから、ヘッドハンティング詐欺に引っかかる人が多いのが現状です。
ヘッドハンティングの仕組み
ヘッドハンティングは、自社自ら探すこともありますが、基本的に専門のヘッドハンティング会社に依頼し人材を探します。ヘッドハンティング会社は企業とヘッドハンティング対象者の仲介役と言えます。
企業側の望む人材を独自の人脈やSNSの情報などから探し、ヘッドハンティング対象者に企業を紹介することでヘッドハンティングが行われるのです。
また、ヘッドハンティング会社のヘッドハンターのふりをして、嘘や詐欺を行う人もいます。
つぎに、ヘッドハンティングを受けるメリットとデメリットを紹介します。
ヘッドハンティングを受けるメリット・デメリット
ヘッドハンティングを受けるメリットとデメリットはそれぞれ大きく3つあります。
メリット
- 給料や待遇がよくなる
- 新しい職場・環境で仕事ができる
- キャリアアップにつながる
ヘッドハンティングを受ける一番大きなメリットは、好待遇で迎えてくれることでしょう。
今の会社を辞めさせて転職させるわけですから、基本的に今の職場よりもいい条件を提示してもらえます。
ただ、今の職場よりもいい条件を提示してもらえたからと言って、必ずしも「嘘=詐欺」でないとは限りませんよ。
デメリット
- 新しい職場・環境になじめない
- プレッシャーが大きい
- 希望の職種・業種じゃない
実際に入社してみないとわからない点は、デメリットになります。また、ヘッドハンティングされるということは期待されるので、それがプレッシャーになってしまうでしょう。
ヘッドハンティングを受ける際は、待遇だけで判断してはいけません。
ヘッドハンティングの対応は慎重に!中には嘘も
ヘッドハンティングは経営者や役員などが対象なので、誰でも声がかかるわけではありません。しかし、浮かれてしまってすぐに返事をするのはよくありません。
なぜなら、ヘッドハンティングの中には、嘘をついて金銭をだまし取るなどの詐欺もあるからです。
実際に、条件がよかったからとヘッドハンティングの話に乗ってしまい、退職届を提出した後に、連絡が取れなくなったという話もあります。
ヘッドハンティングの声がかかるのは嬉しいことですが、すぐに判断するのではなく、会社を知らべたり、まずは慎重になるのが大切です。ここからはヘッドハンティング詐欺の2つの目的について紹介します。
嘘のヘッドハンティングの目的①金銭をだまし取る
まずは、金銭目的のヘッドハンティング詐欺です。この詐欺は、仲介手数料や高額な保証金、教材やセミナー参加費などをだまし取る目的で行われます。
退職した後に、転職後の会社に行って初めて詐欺だと気付くことがほとんどで、職とお金を同時に失うという最悪のケースです。
また、実際に教材を受け取れたりセミナーに参加できたりする分、詐欺として立証しずらい側面があります。
ヘッドハンティングで高額な金銭を要求された場合は、慎重に検討し、詐欺かもしれないということを頭の隅に置いておきましょう。
嘘のヘッドハンティングの目的②企業のリストラ
つぎに、勤めている企業が会社の都合退職にしたくないがために、ヘッドハンティング詐欺を行う場合があります。リストラをしたくない会社が、社員に自主退職してもらうために行うのです。
リストラをすると会社の悪いうわさがたったり、たくさんの退職金を払わなくてはいけないので、ヘッドハンティングという形で退職させます。
退職した途端に音信不通になるという手法なので、退職を催促してくる場合は注意が必要です。
実際に嘘のヘッドハンティングに引っかかった体験談
ここでは実際にヘッドハンティング詐欺に引っかかった事例を紹介します。
ある日、ヘッドハンターと名乗る人からメールが届きます。ある企業からのオファーがあるので、今後のキャリアについて話をしたいといった内容です。ヘッドハンティングは、人材難の現在では活発に行われています。大企業の飲み会などで聞いてみれば、ヘッドタンターから連絡をもらった人が何人もいることでしょう。そのため、そのうち、自分にも連絡が来るかも、と思っているかもしれません。
話を聞くと、ライバルの大手企業が自分を欲しがっているというのです。名前や連絡先だけでなく、仕事の内容や前職などのキャリアまで把握しており、ちょっと怖いですが、さすがヘットハンティングだと関心してしまいます。さらに、ヘッドハンティングしていることは社内では秘密だし、あなたのためにも口外しないようにと言われて納得です。
すると、最終決定する前に、セミナーを受講するように言われました。確かに、転職したことがないので、広範な知識がありません。少し高かったのですが、自己啓発として参加しました。最後に、契約書の締結です。乗り気になっていたので、ちょっと高かったですが、保証料も振り込みました。一定期間働けば返金されるそうです。契約書を渡し、あとは出社日の決定を待っていましたが、ヘッドハンターと連絡が付かなくなってしまいました。
出典:https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/dlis/1190326.html
このように、「社内では秘密」や「口外してはいけない」と言われると誰にも相談できず、判断を誤りやすいので注意が必要です。
嘘のヘッドハンティングの見破り方は
ヘッドハンティングの声がかかった場合は、詐欺かどうか見極めるために、どうやって自分のことを知ったのか詳しく確認しましょう。
自分のことをどうやって知ったか具体的に説明できない場合は、ヘッドハンティング自体が架空の話である可能性が高いので、信用してはいけません。
具体的に説明できた場合は、本当のヘッドハンティングの可能性があるので、転職先の情報や条件などを詳細に確認しましょう。
早急な退職を催促されたり、高額な金銭を要求された場合も詐欺の可能性があるので注意が必要です。
嘘のヘッドハンティングの断り方
ヘッドハンティングを断る際は、電話かメールで行いましょう。ヘッドハンティングは営業のプロが行っているので、会ってしまうと言いくるめられる可能性があるからです。
極端に怪しい場合を除いて、ヘッドハンティングが嘘か本当かを見極めるのは難しい場合がほとんなので、基本的に断ることを前提に話を進めるべきでしょう。
ヘッドハンティングが嘘でも本当でも、「断る」と決めたなら会わないのが最善です。
メールや電話での断り方や、断り方のポイントをまとめた記事があるので、合わせて読んでみてください。
ヘッドハンティングは受けなくてもOK。断り方とポイント5選まとめ。
まとめ
嘘のヘッドハンティングについて紹介しましたが、ヘッドハンティングの全てが詐欺というわけではありません。中にはより良い職場で働いてほしいという企業が行っている場合もあるのです。
重要なのは、あなたが嘘か本当かを見抜くスキルや知識を蓄えること。海外ではヘッドハンティングがよく行われていますが、日本ではまだまだ普及しきれていないのが実情です。
今のうちにヘッドハンティングについての知識を蓄えておき、実際に自分に声がかかったときに対処できるようにしておきましょう。